プレータイム管理と勝ち点奪取を両立
ミッドウィークにCLを控えるパリ・サンジェルマン。この試合ではヴィチーニャ、ドンナルンマ、マルキーニョス、そしてキリアン・ムバッペと主力を大幅にターンオーバー(ハキミはおそらく怪我明け)。目の前の相手よりも数日後のソシエダを念頭に入れたメンバー構成を敷く。
そんなパリを尻目に早々に先制点を挙げたのはリール。右サイドのサントスのアクロバティックな突破からあっという間にゴールを陥れることに成功する。
面を食らった形のパリだが、4分後に同点ゴール。ハイプレスからデンベレとファビアンがボールを奪い先制ゴールを仕留める。そして17分にはオウンゴールからあっさりと勝ち越しゴールを決める。
同点のゴールシーンに代表されるようにこの日のパリは前線からの献身的なハイプレスでのリールのポゼッションの阻害が目立ったと言えるだろう。ムバッペがいないなりのスタイルの構築は今後を見据える中でもチームとしては無視できない問題である。
攻撃の部分でもきっちりと工夫は施してある。中盤できっちりポゼッションで相手を引きつけるフェーズを挟むことで、前線の負荷を軽減。ラモスの裏抜けやコロミュアニやデンベレの1on1などを無理なく作ることでリールのゴールに迫ることができていた。
しかしながら、リールも対抗。2-2のボックスビルドからショートパスを軸にパリのハイプレスを解体。同点ゴールのシーンのように高い位置で奪える場面もあったパリだが、中盤以降はやや間延びが目立っており、前で取りきれないとパリはそれなりにダメージがある構造だった。
そうした部分が目立たないのはやはりパリのポゼッションの質の高さだろう。リールはコンパクトな陣形を敷いてはいたが、ファウルを犯してしまうなど少し中盤が後手に回るケースが多い。右サイドを整えられればジェグロヴァもサントスも1on1を仕掛けることができるが、そうした状況はなかなか整わないままハーフタイムを迎えてしまう。
後半も高い位置からボールを奪う姿勢をパリは継続。支配的に後半を進めていく。リールはバックラインからボールを運べない状況に苦戦。自陣からなかなかボールを運び出せない。
67分には交代でリールが2トップ化に移行。サイドからのクロスに対して、縦関係で待ち構えることでフリーでシュートを振り切れるシーンが出てくるようになる。
しかしながら、最後はバルコラの突破からパリが3点目をゲット。しっかりトドメを刺しての完勝。ムバッペを引っ張り出されることなく、CLを見据えたプレータイム管理と勝ち点3を両立した。
ひとこと
CLでプレッシングのフェーズが通用するかどうかは気になるところ。
試合結果
2024.2.10
リーグ・アン
第21節
パリ・サンジェルマン 3-1 リール
パルク・デ・フランス
【得点者】
PSG:10′ ラモス, 17′ アレクサンドロ(OG), 80′ コロ・ムアニ
LOSC:6′ ヤズジュ
主審:フランソワ・ルトゥシェ