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「Catch up UEFA Champions League」~2024.2.13 UEFAチャンピオンズリーグ Round16 1st leg ライプツィヒ×レアル・マドリー マッチレビュー~

目次

不在を埋める活躍を見せた勝利の立役者

 ホームのライプツィヒはブンデスリーガでCL出場権争いの真っ最中。3連敗をようやく止めて急ピッチでCLノックアウトラウンドに向けて復調を進めている。一方のマドリーはリーガで天王山を制してリーグ制覇への視界は良好。ただし、その試合ではベリンガムが負傷後退しておりこの試合でも不在。どのように彼の不在を埋めるかがポイントになる。

 マドリーの布陣は4-3-3。ベースはジローナ戦のメンバーでCBにはナチョが戦列復帰。ベリンガムの位置にはブラヒム・ディアスが入る。戦い方もジローナ戦と似たプラン。ディアスは3トップの中央でヴィニシウスとロドリゴにはWGで自陣に戻るという観点でもそれなりの守備の負荷を与える形である。

 立ち上がりは互いにセットプレーから決定機があった両チーム。ライプツィヒはネットまで揺らしたが、オフサイドでゴールは認められなかった。

 高い位置からのプレスにより効果があったのはライプツィヒ。いつもはコンパクトな4-4-2を押し付ける形で相手に攻略を任せる様子だったが、この試合ではより能動的に圧力をかけるスタンス。2トップから同サイドに圧縮する形でマドリーの保持を追い込んでいく。

 このプレッシングに対しての脱出にマドリーはまあまあミスが出る。ライプツィヒは高い位置からボールを奪い、カウンターを成立させることができていた。

 マドリーのプレスはスイッチの入りどころがあまり決まっていなかった印象。一応、ロドリゴがCBにプレスをかけるところからスタートしていた印象だったが、彼のプレススイッチオンと中盤は連動せず、CHから逆サイドへの横断というそれなりに精度のある前進のパターンをライプツィヒは確立できていた。

 自陣からのショートパス、そして敵陣でのハイプレス。2つのメソッドで試合を優位に運ぶライプツィヒ。しかしながら、そこに立ちはだかったのはルニン。要所を締めるセーブでライプツィヒの攻撃の流れを都度ぶった斬る。

 時間の経過とともにマドリーはライプツィヒへの対応が少しずつできるように。アンカーのクロースが列を降りる形でライプツィヒのプレスに対して保持で落ち着けるメソッドを確立。さらにはプレッシングもバルベルデとカマヴィンガがCHへの前向きのベクトルのプレスが決まるようになり、ライプツィヒは思ったように前進ができなくなる。それでもライプツィヒの前線は一発を持っている怖い布陣ではあるが。

 後半も前半の陸続きのような形でマドリーの保持からスタート。前半の終盤から一人で風穴を開けるチャレンジをしているヴィニシウスを中心にナチョもハイラインを維持する形で構成に打って出る。ライプツィヒにはオペンダのような裏をかけるスピードスターもいるが、基本的にはマドリーにとってはこの収支は十分にプラスに計算できるものである。

 そして、決め手になったのはブラヒム・ディアス。彼にしかできない長いレンジからのスーパーシュートを決めて、自分がマドリーの攻撃陣の一角を担う価値があることを証明して見せた。リーガでもディアスの一発の重さはなかなかであり、好調をキープしていると言えるだろう。

 失点直後のライプツィヒはヒンリヒス→オルモのパスから決定機を生み出す。これを決めていれば試合は変わっていただろう。以降もボールを持ちつつ直線的に裏を狙うアクションを見せるが、背後のカバーまでこの日のルニンは冴えていた。

 マドリーはヴィニシウスを前に残すことで陣地回復の手段を確保。ライプツィヒが前線を3枚を入れ替えることでハイプレスを復活させるとMFの背後に刺すパスから少なくとも3人体制で攻め込むことができていた。後方ではカマヴィンガとクロースのクロス回避のスキルが光る展開だった。

 最後の力を振り絞り総攻撃をかけたライプツィヒだったが、最後までこの日はルニンが立ちはだかる。およそ2桁に迫るセーブを記録したルニンは間違いなくこの日の勝利の立役者。攻守に絶対的なレギュラーの穴を埋めたディアスとルニンがドイツでの勝利を牽引した。

ひとこと

 核となる選手を欠いてもいかにもこれはCLのマドリーという戦い方だった。ライプツィヒは1点はとっておきたかったが。

試合結果

2024.2.13
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 1st leg
ライプツィヒ 0-1 レアル・マドリー
RBアレナ
【得点者】
RMA:49‘ ディアス
主審:イルファン・ペリト

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