14年ぶりにこじ開けた扉
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勝ち抜けには2点差が必要なアーセナル。まずは得点を奪わないことには次ラウンドの可能性すら見えてこない状況となっている。
ポルトのスタンスは1st legと一緒。ミドルゾーンをコンパクトに維持し、WGの外切りをベースに縦横に狭く守る形をキープするのが彼らのプランである。
アーセナルは前線に起用したハヴァーツが裏抜けで陣形を縦に引き延ばすトライをする。アンカー横に入らずに正位置に入ったSBはWGの背後を取る役割でポルトを横に広げようとする。
しかしながら、縦はともかく横は思ったようなズレを使った前進ができず。ホワイトのサイドのガレーノはCBとSBの両睨みができていたし、甘さのあったコンセイソンのサイドはキヴィオルが背中を取ったあとのプレーに引き出しがあるわけではない。
さらにはこうした時に頼みの綱になっているハイプレスから取り切る形も機能せず。ポルトはつなぎながらアーセナルを攻略できていたわけではなかったが、逃がしながらアーセナルを勢いづかせないボールの捨て方ができていた。
そういう状況だっただけにトロサールの先制ゴールはアーセナルにとって非常に大きいものとなった。コースをひねり出したウーデゴールのラストパスを受けたトロサールがワンチャンスをモノにしてアーセナルがトータルスコアで追いつく。
迎えた後半はポルトがポゼッションからリズムを作る。アーセナルの中盤からジョルジーニョを引き出しながら、ここを交わしつつ右のコンセイソンで勝負をかける。だが、ここはキヴィオルが踏ん張り何とか失点にはつながらず。
逆に60分台からはアーセナルがセットプレーと即時奪回の波状攻撃でリズムをつかみなおす。畳みかけたいアーセナルはジェズスの投入からもう一段ギアを上げるが、PA内での粘り強いポルトの守備に対して決め手を欠くこととなった。
一方のポルトは前線に徐々にガス欠が目立つように。タレミへのロングボールが機能すれば!という感じ程度にしか攻撃へエネルギーを回す余裕はなく、受ける時間が増えていく。後半のヴァレラの負傷交代は痛かったかと思われたが、ペペがきっちり後方の存在感を担保してアーセナルをシャットアウトする。
共にチャンスの乏しかった延長戦を経て、試合はPK戦に。ファインセーブで2人を止めたラヤを後押しするように全員が成功したアーセナルが見事にベスト8進出。14年間開かなかった重い扉を開けることとなった。
ひとこと
後ろが我慢しつつ、ウーデゴールがこじ開けることでまだまだ旅を続けることに成功。準々決勝はシンプルに楽しみだ。
試合結果
2024.3.12
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 2nd leg
アーセナル 1-0 ポルト
アーセナル・スタジアム
【得点者】
ARS:41′ トロサール
主審:クレマン・トゥルパン