正面衝突が生み出した大差
ベスト16の舞台に辿り着いたブライトンだが、冬を経てスカッドは火の車状態。数自体はそれなりに揃ってきたが、マーチと三笘という両翼をもがれてしまうというのはかなり厳しいものになる。デ・ロッシ就任以降、調子が上がっているローマに対しての180分は大きな挑戦になるだろう。
互いに数を合わせるようなプレッシングからスタート。やや特徴的だったのは左右非対称にブライトンを捕まえにいくローマのスタイルだろうか。3トップのうち左を務めるエル・シャーラウィはWBの位置に入るように下がっていく。高い位置をとるランプティの立ち位置に合わせたのだろうが、リーグ戦でのトライしていた役割。低い位置まで追っていきつつ攻撃に馬力出せるのは彼のパーソナリティありきである。
ブライトンも枚数を合わせてプレスを行うが、ローマは前進の隙を見つけることができていた。ブオナノッテの背後をとるスピナッツォーラからの加速に加えて、前線にはマッチアップで優勢を取るとDFの位置を決めることができるルカクがいる。今日はルカクの存在感が絶大の日だった。
先制点は前線の駆け引きから。ペッレグリーニがファン・ヘッケを引きつけ、ルカクがダンクを釣り出したところに背後を取ったのはディバラ。ラインギリギリのところでパレデスのパスから抜け出したディバラが1on1を制してローマが先制する。
ブライトンは保持に回った際にはこのように直線的な攻め筋を見つけることができず。ウェルベックがサイドに流れるなどの工夫が必要になり、スピードが落ちる分ボックス内の守備が整ってしまう。頼みの縦パスもローマにスペースを閉じられるというよりは延々とマンツーで捕まり続けてしまい、外すことができない状態が続く。
そうこうしている間にローマは追加点。猛威を振るうルカクがロングボールからあっさりとダンクを外してゴールを陥れる。前半はローマが2点のリードを手にしてハーフタイムを迎える。
後半の頭は少し両チームのプレスが緩んだ印象で、プレスを回避してゴール前のシーンが増える展開に。ブライトンが左サイドのアディングラを軸にボールを運ぶことで反撃に出るが、ローマも同じくサイドから攻撃を行う。ルカクの高さは後半も健在である。
一進一退にペースを引き戻した後半に再びゴールを決めたのはローマ。セットプレーのセカンドボールを再びPA内に入れるとラインギリギリから飛び出したマンチーニがゴール。リードをさらに広げる。
さらにローマは追加点。トランジッションで差をつけたエル・シャーラウィとスピナッツォーラで左サイドを破壊すると、クロスをクリスタンテが叩き込んで点差は4点に。
最後まで攻め続けるブライトンだったが、サイドから切り崩しは得点につながらず。オリンピコから得点を持ち帰れなかったブライトン。2nd legを前に突破は非常に厳しい状況となってしまった。
ひとこと
ガチムチマンツー破壊バトルはルカクと左サイドのトランジッションでローマに軍配が上がってしまった。ブライトンにはこれしかないので、ここで歯が立たないとなると正直しんどい。
試合結果
2024.3.7
UEFAヨーロッパリーグ
Round 16 1st leg
ローマ 4-0 ブライトン
スタディオ・オリンピコ
【得点者】
ROM:13′ ディバラ, 43′ ルカク, 64′ マンチーニ, 68′ クリスタンテ
主審:フランソワ・ルトゥグジエ