速いクロスとオープン攻略で最後は圧倒
立ち上がりのオサスナはハイプレスでのスタート。2トップが誘導し、WBが押し上げていくなど高い位置から相手を捕まえにいく形でマドリーのバックラインから時間を奪いにいく。
ボールを奪い切れるわけではなかったが、背後を取られたわけではないのでこのプレス自体は悪くはないフィーリング。しかしながら、同じようにプレスをかけられたカテナがヴィニシウスにボールを掻っ攫われてしまい、あっという間にマドリーは先制点を奪う。だが、オサスナはセットプレーからすぐに同点に。ニアでクリアできなかったマドリーの守備陣がこぼした球をブディミルが押し込んで早々に追いつく。
先制点のシーンのようにマドリーはプレッシングに意欲的。ただ、前の3枚と後ろはやや分断気味だったので、ここさえ凌げばオサスナはバックラインからボールを繋ぐことができていたし、4バック化して幅を取りつつ2トップをはじめとしてエリア内に人を送り込むことができていた。
マドリーの保持は2人のCBとクロースとカマヴィンガの4枚でのビルドアップが基本。メンディが下がりすぎて後ろが重くなってのロストが見られるなど、やや不安定なところも露呈したビルドアップとなったが、時間の経過とともに少しずつ敵陣に押し下げる時間を増やしていく。
押し込むフェーズにおいてはいつもよりも手数をきっちりかけるマドリー。強引にエリアの外から強襲する形はヴィニシウスくらい。他の選手はオサスナのバックラインを前後に揺さぶるアクションを仕掛けていく。
マドリーの2点目は押し込むフェーズにおけるややトリッキーな動きから。ニアにオーバーロード気味に裏を取りにいったバルベルデの折り返しをカルバハルが押し込んで勝ち越しに成功。
その後も押し込む時間を増やしていくマドリー。だがオサスナも少ない保持の機会から枠内にシュートを飛ばしていくが、安定したルニンのセービングが立ちはだかりゴールを奪えない展開が続く。
後半もマドリーはポゼッションとプレスから支配的な振る舞いを敢行。オサスナは深い位置でドリブラーを止めることができずにファウルを繰り返すなど、苦しい展開が続く。
そうした状況を打開しようとオサスナはハイプレスを再開。しかしながら、これが逆にマドリーのオフェンスの活性化に。ロングボールに対して飛び出したDFの背後をつく形のフリーランで抜け出したディアスが1on1を制する。
さらにはオープンスペースができたことでヴィニシウスが大暴れ。息をつく間もなく追加点をもたらす。これで試合はほぼ決着。マドリーは勝利を決定づけるリードを手にする。
選手交代から4バックに移行するオサスナ。プレスをかける意欲はあるものの、点差がある故の緩慢さが見られてしまう。マドリーがゆったりとした保持からアタッカーのスピードを生かして背後を狙う形を作り出していく。
後半追加タイムに一矢報いるオサスナだったが、反撃もここまで。試合は2試合連続の4得点を挙げたマドリーが連勝を飾って幕を閉じた。
ひとこと
悲しいことだけども腹を括ってオサスナがハイプレスに出た段階でノーチャンスだった感がある。とはいえ、我慢し続けても時間の問題だったから厳しいのだけども。
試合結果
2024.3.16
ラ・リーガ
第28節
オサスナ 2-4 レアル・マドリー
エスタディオ・エル・サダール
【得点者】
OSA:4‘ ブディミル, 90+1′ ムニョス
RMA:3’ 64′ ヴィニシウス, 18′ カルバハル, 61′ ディアス
主審:ファン・マルティネス・ムヌエラ
