Fixture
プレミアリーグ 第35節
2021.4.23
ニューカッスル(16位/9勝9分15敗/勝ち点36/得点36 失点54)
×
アーセナル(10位/13勝7分13敗/勝ち点33/得点44 失点37)
@セント・ジェームズ・パーク
戦績
近年の対戦成績
直近10試合の対戦でニューカッスルの1勝、アーセナルの9勝。
ニューカッスルホームでの対戦成績
直近10戦でニューカッスルの1勝、アーセナルの7勝、引き分けが2つ。
Head-to-head from BBC sport
・ニューカッスルは直近17試合の公式戦のアーセナル戦で16敗。ここ5試合では無得点。
・セント・ジェームズ・パークの直近22回の遠征でアーセナルは3敗のみ。
スカッド情報
【Newcastle】
・カラム・ウィルソンには2月6日以来の先発復帰の可能性。
・ふくらはぎの負傷をしたマット・リッチーには復帰の可能性。
・しかし、アーセナルからレンタル中のジョー・ウィロックはレンタル規定により出場不可。
【Arsenal】
・ピエール=エメリク・オーバメヤンはマライアからの回復中。アルテタは先発はまだ難しい可能性。
Match facts from BBC sport
【Newcastle】
・直近8試合のプレミアで敗れたのは3月のブライトン戦のみ。
・ブルース政権において2019年12月以来のホーム連勝の可能性。
・直近20試合のプレミアのホームゲームでクリーンシートは1回だけ。昨年12月のリバプール戦。
・カラム・ウィルソンが取った10得点は全て後半に決めたもの。
・スティーブ・ブルースは23試合のプレミアでのアーセナル戦において2勝のみ。いずれも勝利を挙げたのはホームゲーム。
【Arsenal】
・アルテタ政権下においてアウェイでの最長無敗記録に並んでいる。2勝2分。
・勝ち点24をアウェイで挙げており、ホームより2ポイント多い。
・13敗は17-18シーズンに並ぶ38試合のプレミア体制における最多タイの敗戦数。
・12試合の無得点記録は94-95以来最悪。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは直近4試合の公式戦におけるニューカッスル戦で全て得点を決めている。
・ミケル・アルテタは選手と監督合わせて9回のニューカッスル戦で全勝。
予想スタメン
展望
■展開力+爆発力
一時期は降格圏のフルハムとの勝ち点がだいぶ接近したニューカッスルだが、何とか今は安全な高さまで避難ができた状況。まだ残留は確実ではないが、追手となるフルハムとウェストブロムの勢いを考えればほぼほぼ降格の危険性はないといって差し支えないはずである。
そんなニューカッスルだが、この冬にやややり方を組み替えた印象がある。その一因とされているのがボーンマスから冬に引き抜いたとされるグレアム・ジョーンズ。一部ではスティーブ・ブルースとのいざこざが報じられることもあったが、とりあえずピッチの上の方針は彼がアシスタントコーチに就任してから多少は固まった。
まず固定したのは冬までに紆余曲折していた中盤の組み合わせ。アンカーにシェルビーを据え、その両サイドをプロテクト役で固めることに寄るやり方で安定したようである。IHはいろんなキャラクターの選手を試していたが、ひとまずはバランスの取れるS・ロングスタッフと前への推進力に期待できるアルミロンがこの座を勝ち取ったと見るのが妥当だろうか。ヘイデンがケガしなければ序列はもう少し違ったようにも思うんだけど。
目的としては展開力はあるが、機動力に難があり守備において広範囲に動けないシェルビーをプロテクトしつつ攻撃面でその長所を生かすということだろう。
ただし、中盤の組み換えが行われても、今季のニューカッスルで断トツの破壊力を見せるのは前線のサン=マクシマン。ウィルソンとジョエリントンの堅実な働きも悪くはないが、チームを押し上げて一気に導火線に火をつける役割は現状のチームでは彼しかできない。クリスタル・パレスのザハと並び、今のプレミアにおいて圧倒的な個でチームを牽引することができる存在となっている。
中盤の3枚は割と形としては固定することが多いが、フォーメーションは様々。当初は4-3-1-2という形を試すことが多かったが、5-3-2のような後ろに重心を置きつつ、ワイドで幅も取れる形がメイン。この試合ではレンタル条項の関係でウィロックが起用できないこともあり、トップ下を置くフォーメーションを使うことはないかもしれない。
■照準はELだが、アルテタにはミッションがある
ニューカッスルと対峙するにあたり、まず大事なのはサン=マクシマンを止めること。だが、多分これは無理。割り切って祈らなくてはいけない場面は間違いなく出てくると思う。しかし、今季のサン=マクシマンは慢性的に故障することが非常に多く、稼働が可能なのは60-70分程度。はたから見ていてちゃんと直した方がいいんじゃないのかと思ったりするのだが、まぁ僕の立場からそんなことを言っても仕方がない。
サン=マクシマン以外の要素で考えると、後方からのロングボールに寄る前線の駆け引きもニューカッスルの特徴の1つといえる。リバプール戦では5-4-1(スリーセンターじゃない!)という後ろに重心をかけるフォーメーションでもあるに関わらず、後方の選手にプレッシャーがかかっていない際には長いボールからチャンスを創出することに成功している。
守備の面では3センターの行動範囲を広げ、シェルビーの脇のスペースを突いた前進を行うのが圧倒的な優先度の高い攻略手段。したがって、低い位置のポゼッションでどれだけインサイドハーフを引き出せるかどうかが、その後の攻略の難易度を決めるといっても過言ではない。
中にスペースを作りながら直線的に前進し、対人に強いバックスに対して前を向いて面ごと攻略したいところである。
いうまでもなく、アーセナルのプライオリティはELにある。だが、要素的にはニューカッスルにはミッドウィークのシミュレーションとなる部分がいくつか含まれている。
例えば、数的優位をベースとしたニューカッスルの後方の保持に対してどのようにプレッシングをかけるかなど。さっぱりダメだったビジャレアル戦のプレッシングの再調整をかけて解を求めていきたい部分である。それに伴い、後方からの長いボールに対する前線とアーセナルのDF陣の駆け引きも見ておきたい部分。ルイスやガブリエウにチャンスが回ってくるならば、ビジャレアルとの前線の駆け引きで後手を踏んだホールディングやマリとの序列が変わる可能性は大いにあるだろう。
ニューカッスルの非保持においても見ておきたい部分はある。陣形は違えど、コンパクトなブロックだが、相手のホルダーにチェックが甘いところも似ている。そして、中盤やバックスが人基準で出てくるところもビジャレアルの成分を有している。
1枚を引き出した後に、連鎖的に空いたスペースを使うことで前に進むという動きはビジャレアル撃破に向けてぜひともシミュレーションしておきたい。
照準はELにある。フィットネス的に無理をする必要は皆無で、ハードワークが続くサカ、ペペ、トーマス、ジャカなどには休養を与えることを優先すべきである。だが、ニューカッスルはビジャレアル戦のリマッチを控えるアーセナルにとって見ておくべき部分は大いにある。
試合中の打ち手に批判が集まることもあるアルテタ監督、この試合では木曜日には見ることのできなかったピッチのメンバーの特性を生かし、ビジャレアルとの2ndレグに向けて実りのある内容にしたいところである。