ズラして先行したジローナを根性でこじ開けたアトレティコ
上位同士の対決は少し珍しい噛み合わせとなった。アトレティコはオールド・ファッションなシメオネスタイルである4-4-2で対峙する。ジローナのシステム自体は目新しいものではないけども、SBにエリック・ガルシアを起用している分、右サイドは片下げ。やや3バック気味での組み立てを行っていた。
これにより、ジローナのバックラインの組み立ては後方の数的優位がベース。2トップの脇からアトレティコの中盤の4枚を引き出すための駆け引きを行っていく。アトレティコの4-4-2は縦横にコンパクトな布陣。よって、大外へのヘルプは少し遅れがち。よって、3バックでの引き出す駆け引きに加えて大外のサヴィーニョの1on1も武器になるという状態だった。
ジローナはサイドの優位をきっちり生かして先制。ややアトレティコが前がかりにプレスをかけにきたフェーズで縦に進み、サヴィーニョが横断からチャンスメイク。逆サイドできっちりタメを作っての折り返しをドフビクが仕留めて先行する。
リードされたアトレティコはここから保持のシーンが増える。ジローナはリードしたからか、4-5-1の低めのブロックを構築することでアトレティコの保持を許す構えとなった。
アトレティコはサイドからの切り崩しを狙っていく。2トップはボックス内にフォーカス。サイドはSH、SB、CHがトライアングルを使いながら同サイドとボックスに人数をかけて勝負を仕掛けていく。
切り崩すという点ではもう一声という感じだったアトレティコだったが、セットプレーをきっかけに同点。ミゲルが不用意に上げた手でハンドを犯してしまい、PKを献上。これをコレアが決めて追いつく。
以降もジローナへの積極的なプレスからガッチリと組み合うアトレティコ。陣地回復を阻害すると、左サイドからの粘りから前半ATに追加点を仕留めてみせた。
後半、よりハイプレスに出ていくジローナ。アトレティコはこれをひっくり返すとミスに漬け込んで追加点をゲット。右サイドからのクロス処理をソリスが自陣に落としてしまったところをグリーズマンが叩き込んでリードを広げていく。
前半のサウールの負傷以降、5バックをベースとしているアトレティコ。2点のリードを得ることができた時点でリトリートを選択。自陣に籠りながらジローナの攻撃を跳ね返していく。ジローナには先制点のように右サイドからのタメに対してドフビクが合わせるシーンがあったが、惜しくもシュートは枠の外。反撃の狼煙を上げるきっかけを失う。
アトレティコはリーノを前線に入れたタイミングでハイプレスを再開。敵陣でのプレータイムを増やしつつ、ショートカウンターで更なる追加点を狙う。ジローナ相手に引くとまずいというフィーリングだったのかもしれないが、CLを背後に控える日程でギアアップを選んだのは個人的には意外だった。
守備での積極的なアプローチが目立ったアトレティコはこのまま逃げ切りに成功。見事な逆転勝ちで大一番を前に弾みをつけた。
ひとこと
完成度の高い、ソリッドな両チームによる見応えのある一戦だった。
試合結果
2024.4.13
ラ・リーガ
第31節
アトレティコ・マドリー 3-1 ジローナ
エスタディオ・シビタス・メトロポリターノ
【得点者】
AMA:34′(PK) 50′ グリーズマン, 45+6′ コレア
GIR:4′ ドフビク
主審:デ・ブルゴス・ベンゴエチェア