悠々としたサイド攻撃から順調に加点しGS突破
立ち上がりからUAEの狙いははっきりしていた。基本は右サイドのオーバーロード。21番のアルアミリをターゲットに長いボールを当てていく。左サイドの7番のアブドゥラーも含めて右に大きく流れてこちらのサイドに人を集める。
しかしながら、人を集めているからといって機能しているわけではなかったこのオーバーロード。セカンド回収まで含めて機能的とはいえず、UAEは前線にボールを収めることができなかった。
機能しないオーバーロードは守備に転じると地獄というのは訳あってよく知っているのだが、この試合のUAEもまさにそれ。7番不在の左サイドはまさしくスカスカで日本は右サイドから無限に進撃が可能。オーバーラップの関根のサポートと山本の綺麗なサイドチェンジなどでこちらのサイドからボックス内にクロスを運ぶ。エリア内に逆サイドのWGの佐藤が飛び込んでいるのを見ると、ある程度狙いは共有されていたとみえる。
セットプレーでCBが高い位置にいれば、さらに得点の匂いは高まる。まさに先制点はこの形から。右サイドからの山本のクロスを木村が押し込み、リードを手にする。
その一方で右サイドから無限に進めるゆえにプレーが雑になる部分もしばしば。総じていいプレーを見せていた山本や関根もふとしたタイミングで危険なミスを犯すなど、スカスカだからこその油断がそれなりに見られることもあった。ロングボールが時折収まるようになったことも含めて1点差では怖いという展開。
それだけに前半終了間際の川﨑の右サイド突破からのPK獲得はありがたいものだったはずだが、これはOFRで取り消し。リードは1点にとどまった状態でハーフタイムを迎える。
迎えた後半。UAEは7番を右サイドに配置してスピード勝負に挑む。前半と異なるテイストのチャンスメイクはいきなりあわやというところまでいったがゴールをこじ開けることができず。
一方の日本の保持もやや左右にバランスを重視した格好に。インサイドにスペースをより享受できるようになったことで荒木や前半の終盤に好調だった川﨑が躍動する。荒木は大畑のクロスを合わせる形でネットを揺らすが、これはオフサイド。認められなかった。
それでも存在感を増している大畑のクロスから日本は追加点をゲット。今度は正真正銘の川﨑のゴールで試合の流れをぐっと引き寄せる。
細谷、松木と前線をリフレッシュすることでさらに追加点を狙う日本。おそらく、細谷は相当ゴールが欲しい状況だっただろうが、ネットを揺らすことができず。ここはこの試合の唯一の心残りだった。
試合は2-0のままで終了。他会場の結果により、日本はこの段階で決勝トーナメント進出を決めた。
ひとこと
まずはミッションコンプリート。五輪の切符の第一関門は突破した。
試合結果
2024.4.19
AFC U-23アジアカップ
グループステージ 第2節
UAE 0-2 日本
ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム
【得点者】
JPN:27′ 木村誠二, 66′ 川﨑颯太
主審:サドゥロ・グルムロディ