Fixture
プレミアリーグ 第31節
2021.4.18
シェフィールド・ユナイテッド(20位/4勝2分24敗/勝ち点14/得点17 失点52)
×
アーセナル(10位/12勝6分12敗/勝ち点42/得点40 失点35)
@ブラモール・レーン
戦績
近年の対戦成績
直近10回の対戦でシェフィールド・ユナイテッドの2勝、アーセナルの6勝(PK戦含む)、引き分けが2つ。
シェフィールド・ユナイテッドホームでの対戦成績
直近10戦でシェフィールド・ユナイテッドの3勝、アーセナルの4勝(PK戦含む)、引き分けが3つ。
Head-to-head from BBC sport
・ブレイズはプレミアでの4試合のリーグでのアーセナル戦無敗。(W2,D2)
・直近11試合の対戦ではアウェイチームの勝利がない。
スカッド情報
【Sheffield United】
・ジェイダン・ボーグル、ジョージ・バードックは頭部の怪我から復帰。アーセナル戦に起用可能。
・ジョン・イーガンは踵の怪我から復帰予定。しかしクリス・バシャム、ビリー・シャープ、サンダー・バーク、ジャック・オコネルは離脱中。
【Arsenal】
・マルティン・ウーデゴール、カラム・チェンバースは当日判断。
・キーラン・ティアニーはシーズン残りを全休予定。ダビド・ルイスも欠場の見込み。
Match facts from BBC sport
【Sheffield United】
・直近8試合のプレミアで7敗。得点は3回のみ。
・今季クリーンシートは2回だけ。
・直近16試合引き分けがない。
・24敗中15敗は1失点での敗戦。クラブ記録タイ。
・17得点はリーグ最少。
【Arsenal】
・直近5試合のアウェイでのプレミアで1勝(D2,L2)
・2019年12月以来、14試合連続クリーンシートなし。
・アレクサンドル・ラカゼットは今季の11得点のうち、8得点がアウェイでのもの。それ以前の3期のトータルより1得点少ないのみ。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは先発すれば100試合目。スラビアプラハ戦のアシストで公式戦100得点の関与を達成(84G,16A)
・ニコラ・ぺぺは直近5回のアウェイでの先発で4得点。
予想スタメン
展望
■監督交代も流れは変わらず
開幕から最下位をひた走り続けるブレイズ。長年のチームの功労者であるクリス・ワイルダーがついに先日チームを離れることになった。もっともこれは冬の補強事情におけるチームとの方針の違いが大きな理由らしいが、いずれにしてもチームの流れがうまくいっていないからこその話で成績不振が根底にあるのは間違いないだろう。
5-3-2という一貫したシステムがシーズンの頭に直面したのは圧倒的な得点力不足である。それでも守れている試合は比較的多く、事故的な失点から敗戦を重ねていくという悪い流れを繰り返していく。そうして試合終盤にDFに代えてFWを投入し4バックにシフトするも、最後まで点を取ることができないという流れである。
そうなっていくとチーム自体がその流れに引きずられていく。シーズンが進むにつれDFラインがPA内で足が止まり始め、ボールウォッチャーの選手たちが増えていく。そうなったところでの監督交代だ。
監督交代が行われて状況はなお悪くなっている。FW陣は守備をサボるわけではない。が、前から行くもののコンパクトさを維持できなかったり、連動したプレッシングをかけられなかったりなどより問題を難しくしている。誘導の方向やボールの取りどころは不明瞭。リーズのようなスペースが好物な相手にも同様に隙を与えており、ヘッキングボトム暫定監督はチームを掌握して上昇気流に乗せることができているとはいいがたい。
攻撃はサイドから出ていければワイドの崩しができるはできる。CBが高い位置まで出ていった時の崩しというワイルダーが作り上げたブレイズの強みは今季も要所では感じられる。しかしながら、その機会を得ることが難しいのが今季の彼らである。前線にタメを作りながら自陣を押し上げるための時間を得ることができていない。
残留圏までは勝ち点は15と数字的には不可能なわけではない。だが、ここ数試合の彼らを見ると、奇跡を起こせそうな雰囲気は漂ってこない。率直に苦しい状況になっている。
■来季の今頃にぼやいていないように
さて、苦しいのはアーセナルも一緒である。だが、ブレイズの苦しい状況を見るとアーセナルは絶対に勝たなければいけない試合である。
まず第一段階として最終ラインからプレッシングをきっちりとかわしたい。先述の通り、FWはサボらずに追ってくるは来るので、最終ラインでこのプレスをいなさなければいけない。
そして交わすことが出来たら前に進み、好機を作るというサイクルを回す必要がある。今のアーセナルは昨季の終盤とは異なり、少ない決定機を得点に結びつけられるほど前線のコンディションがよくない。それを差し引いてもチャンスメイクの部分でアーセナルに改良の余地があることは明白。得点に向かう推進力を感じれる試合をしたい。
特に間延びしたプレッシングをかけてくるブレイズはその部分を考えるとうってつけの相手である。ボールを前に進めて空いているスペースから得点機会に迫るという流れを繰り返し作り、プラハでのリマッチにいい雰囲気で臨む必要がある。
アルテタのアーセナルにもう1つ求めたいのは、戦況に合わせた振舞いである。スラビア・プラハ戦ではそれが不明瞭だった。象徴的だったのは左WGの役割。先発に抜擢されたウィリアンは組み立てやボール運びにおいては一定の貢献度を出せるが、スラビア・プラハ戦ではその部分ではチームがそもそも苦しまなかった。
その一方でチームが悩まされたのは最終局面における厚み不足である。ウィリアンはその部分が欠けていた。ラカゼットやスミス=ロウなどサイドに流れながら起点になれる選手が多い中で、左サイドに起用されつつこの部分を補えるのはオーバメヤンだったはずである。
後半はウィリアンとセドリックの2人で左サイドからクロスを上げることに終始していた。この役割を託すなら、利き足が左で相手の最終ラインをマイナス方向に動かすことができるペペが適しているように思う。
最終的にウィリアンと交代で入ったマルティネッリを活かすならば、チームとしてプレッシングの強度を上げて攻守の切り替えの頻度を増やしながら、速いテンポで相手を振り切りたかったはず。だが、それは叶わず。最終的には試合終盤に相手に押し込まれた結果、アウェイゴールとなる同点弾を挙げられてしまった。
チームとして思った通りになんでもかんでも展開が進まないのはわかる。だが、ここまでハマらないとなると少しもどかしいのは確か。今のアーセナルには流れに乗れる選手たちはいても、自分たちが乗れる方向に流れを変えるというやり方がチームとしてあまり得意としていない。
ブレイズ戦ではそういった課題を解決し、得点を重ねることが求められる。プレッシングだけでなく撤退守備もレパートリーにあり、得点が欲しい時は4バックに変形するブレイズは一応手段は持っているチーム。アーセナルは一つずつ的確に対応をしながら、なるべく長い時間帯試合を握り勝利を収めたい。
コンペティションとしてはプレミアの優先度が下がっていることが明らかである。だが、ここでプレミアを消化試合として淡々と過ごしていくのであれば、来年もこの時期に同じボヤキをいう羽目になるのは想像に難くない。強くなるには淡々と過ごしていい試合など1つもないはずである。