凌ぎの連続に耐えた日本がタイトル獲得
五輪の出場権は無事獲得。残るはタイトルへの挑戦ということになる日本代表。ウズベキスタンは3人の主力がクラブに帰還したということでモチベーション自体も気になるところである。
しかしながら、試合が始まってみればそんなことは気にする必要はなし。ウズベキスタンの強度はバチバチで日本を飲み込んでしまいそうな立ち上がりとなった。
中盤はタイトで日本の攻めに対して戻りが早く中盤では自由を与えない。攻撃に出るとCHを縦関係にしつつ、フリーマンのジャロリディノフが相手のマークから離れたポジションでボールを受けて前に進む。フリーになった時の個々人の推進力はさすがであり、スピードに乗ったアタッカーの対応に手を焼く立ち上がりとなった。
日本は空いているCBからボールのキャリーをスタートしたり、松木や山本がサイドに落ちたりして相手を動かしたりするが、前線のキャラクターが細かく動かしながら勝負を仕掛けるという部分であまりマッチしておらず、停滞感が拭えない状況に。
それでも4-4-2での守備は時間経過とともに改良。中盤の出ていくタイミングは適切なものになり、少しずつウズベキスタンが推進力を持って日本陣内に突撃する場面は減っていく。
中盤がタイトになったウズベキスタンは前線のノルチャエフを使ったロングボール主体のプランに切り替え。日本のCB相手に主導権を握り、中盤はセカンドボールを拾うことでウズベキスタンが盛り返したところでハーフタイムのホイッスルとなった。
後半、日本はアンカー固定の藤田を解放。移動を許可することで相手を振り切るアクションを増やしていく。しかしながら、この移動で試合の展開はオープンに。その結果、利益を得ていたのは前半の頭のようにプレッシングを仕掛けていくウズベキスタン。オープンな状況で推進力を取り戻し、敵陣への波状攻撃で牙を剥いていた。
苦しい状況となった日本は結果的にひたすらウズベキスタンのスタミナ切れまで粘り続ける格好に。ファー気味のクロス対応は苦しかったが、なんとか踏ん張る。ウズベキスタンの猛攻に耐えた日本は80分付近から徐々にモメンタムを取り戻していく。
すると決勝点は後半追加タイム。高井のインターセプトから一気に縦に進撃すると最後は山田。縦パス以降のスピーディなパス交換は藤田と荒木の持ち味がしっかり表れたもの。奪うところからフィニッシュまで見事なゴールで日本はついにリードを奪う。
しかしながら、関根がハンドでPKを取られてしまい日本は同点のピンチに。だが、これを小久保がセーブ。日本のリードと日本人の睡眠時間を守った小久保が最後の砦となり、日本はU-23アジアカップを制した。
ひとこと
本大会は別のスカッドになるやんか!というのはごもっともではあるが、それはそれとしてこのメンバーでオリンピック出場権と優勝を確保したというミッションに対するコミットは消えることはないので、各個人の選手がこの経験をキャリアに活かして欲しいなという気持ちになった。
試合結果
2024.5.3
AFC U-23アジアカップ
決勝
日本 1-0 ウズベキスタン
ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム
【得点者】
JPN:90+1′ 山田楓喜
主審:ムード・ボニーアディファード