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「あのころの自分たちではない」~2021.3.6 プレミアリーグ 第27節 バーンリー×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第27節
2021.3.6
バーンリー(15位/7勝8分12敗/勝ち点29/得点19 失点35)
×
アーセナル(10位/11勝4分11敗/勝ち点37/得点34 失点27)
@ターフ・ムーア

戦績

近年の対戦成績

図1

直近10戦でバーンリーの1勝、アーセナルの8勝、引き分けが1つ。

バーンリーホームでの対戦成績

図2

直近10試合でバーンリーの1勝、アーセナルの5勝、引き分けが4つ。

Head-to-head from BBC sport

・前半戦の対戦はバーンリーが1-0で勝利。62-63以来のダブルを狙う。
・アーセナルは直近8回のターフ・ムーアでのリーグ戦で負けておらず、最後に負けたのは1973年。直近5試合で4回はクリーンシートを達成。
・アーセナルは13試合のプレミアのバーンリー戦で7失点。1試合で2点以上取られたことはない。

スカッド情報

【Burnley】

・ジャック・コークはハムストリングのケガで当日判断。
・アシュリー・バーンズは離脱中だが、ヨハン・グズムンドソンとロビー・ブレイディは復帰の見込み。

Arsenal

・臀部の負傷をしたエミール・スミス=ロウは軽傷の見込み。だが、バーンリーのスカッド入りは不透明。

Match facts from BBC sport

【Burnley】

・直近8試合のプレミアで1勝(D4,L3)
・引き分ければクラブ新記録のホーム5試合連続引き分け。
・リーグ戦19得点でこれより少ないのはシェフィールド・ユナイテッドのみ。降格を回避したチームでもっとも多い総得点は96-97のリーズと17-18のハダーズフィールドの28。
・アシュリー・バーンズはスカッドで唯一アーセナル相手に点を決めている選手。プレミアでバーンリーがアーセナル相手に奪った7得点のうち、3得点は彼が決めたもの。

Arsenal

・リーグ戦11敗。38試合制になって以降で言うと、13敗した17-18に次いで多い。
・11試合の無得点を達成すれば05-06のクラブ記録に並ぶ。
・3得点を挙げれば公式戦3試合連続。2019年11月以来。
・直近6試合のアウェイでのリーグ戦で4勝。それ以前の18戦と同じ勝ち数。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンはバーンリー相手のリーグ戦で7得点。リーグでもっとも得点を決めている相手。

予想スタメン

画像3

展望

■機会の少なさが最も大きな課題

 何といってもバーンリーにとっての課題は得点力。Match factsの項でも述べた通り、残留した場合は降格しなかったクラブの最少得点記録を更新する可能性がある。したがってどうやってアーセナル相手に得点を取ることができるか?の部分から考えなければいけない。

 最もアーセナルが警戒すべきはセットプレーだろう。前半戦にエミレーツスタジアムで得点を挙げたように、彼らの高さを活かせる局面を作ることができれば当然得点のチャンスはある。

 しかし、セットプレーを得るためにはボールを前進させてファウルやらを奪取しなきゃいけない。バーンリーにはそこまで至る手段を見つける必要がある。

 最も有効なのは前後分断を誘発することだろう。バーンリーの選手たちはスペースさえあれば、長いレンジのキックを正確に飛ばすことができるテクニックはある。中盤が間延びした状態で長いキックを蹴る余裕があれば、彼らにはPAまでボールを運ぶことは可能。サイド深くまでつないでしまえば、クロスを上げることができるので、細かい手段を使う必要は確かにない。

 ただし、近い範囲での数的優位を活かすようなショートパスの交換はほぼできないといっていい。エミレーツでのアーセナル戦も、直近のウェストブロム戦も相手が退場者を出しながら、数的優位という構造での攻めはあまりなかった。おそらくだが、プレミアリーグでもっとも数的優位を活かせないチームではないだろうか。

 アーセナルからするとPAに運ばれた際にはもう1つ気を付けなくてはいけないのはバーンリーのダイレクト志向である。とにかく躊躇なくゴールに向かってボールをけりこんでくる。サイドからファーに狙うクロスは特に気を付けなくてはいけないパターン。マクニールの伸びるようなキックは目測を誤りやすいので、守備側の対応にはかなり警戒が必要。

 それ以外の局面でも細かいことは気にせずに積極的にミドルシュートを撃ってくるので、ミドルの守備が甘くなりがちなアーセナルの中盤はDFラインに吸収されることはなるべく避けたい。ラインの回復を怠ってはいけない。

 ここまで見てきたように手段がアバウトで確実性がないことがバーンリーの最も大きな弱み。したがって、頻度の部分で後手を踏むことが多い。ただ、そこの部分を回避し機会を担保できれば、エミレーツと同じようにアーセナルからゴールを奪うことも当然可能になる。

■攻撃時に活かしたいもの=守備時のネック

 撤退守備のイメージが強いバーンリー。確かに彼らの撤退時の守備の重心は後ろ向き。MFは最終ラインが空けたスペースを埋めることが厳命されており、時には6バックのような陣形を形成することも珍しいことではない。ミーとターコウスキのコンビの中央は強固で、ブロックを組まれるとアーセナルにとっては苦しくなる。

 ただ、彼らは何も撤退守備専門のチームではない。イメージが先行しているからかもしれないが、意外と低い位置からのビルドアップを志向しているチームに対しては、高い位置から片側サイドに誘導するようにプレスをかけてくる。敗れたもののチェルシーにはプレスで十分ビルドアップを苦しめたし、あのマンチェスター・シティ相手にさえ、試しにプレスをかける様子は見せた。格が違ってすぐにあきらめたけど。

 バーンリーが最も避けたい展開はダイレクトにボールの動かされることである。4-4-2ブロックは大外を捨てるスタンスなので、大外を取って、そこから斜め方向にDFラインの裏を取るようなボールの動かし方には動きにはあまり強くはない。

画像4

 DFのチャレンジはMF陣がスペースを埋めることありきなので、MF陣がスペースを埋める時間を得ることが出来なければ、DF陣が動かされることによるリスクは当然高まる。イヘアナチョが直近の試合で挙げたような得点のような陣形の動かし方は一例。あれはめっちゃアクロバティックだけど。

 バーンリーは保持時は前後分断でダイレクトな展開を好むことも難しくしている。これでドツボにハマったのがトッテナム戦で、攻撃時の前後分断を生み出している最中に中盤でロストを繰り返し、間延びした陣形を逆に相手に利用されてしまった。攻撃時は間延びした陣形を好むが、守備時は彼らにとってはそれは最も避けたいものとなる。中盤でロストを繰り返せば、この切り替えのために使える時間を得ることができずに相手の攻撃を受けることになる。トッテナムはここをうまくついて、早々に先制。一気に流れを持っていった。

 トッテナムほど速攻に振り切っているわけではないアーセナルだが、仕掛けのパスからゴールを陥れるまでのスピードは意識したいところ。ボール奪取後のカウンターも同じで、レスター戦の3点目のようにスピーディにゴールに向かう動きでバーンリーの守備陣の難易度を上げたいところだ。

 前回対戦時のレビューを見てみたけど、この時は本当に地獄みたいだった。丁寧語にしないとえぐみがあってどうしようもないからですます調になっていた時期。

 バーンリー相手にハイクロス一辺倒だったあの時期に比べれば、チームの状態は明らかにいい。ミッドウィークで勝ち点を積んだ上位陣に食らいついていくためにも、あの時の自分たちとは違うことを証明するためにも、ターフ・ムーアでの3ポイントはアーセナルにとっては是が非でも手に入れたいものになる。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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