メッシ起点の2得点でアルゼンチンが好発進
アメリカ開催となった2024年のコパ・アメリカ。初戦となったのはアルゼンチンとカナダの一戦である。
ボールを持つスタートとなったのはアルゼンチン。CBにはプレッシャーをかけないカナダに対して、リサンドロ・マルティネスとロメロが落ち着いてボールを持つスタートとなった。
しかしながら、アルゼンチンはあまりフォーメーションを変えないままスタートしたせいで、大外でSBとSHが重なり、あっさりとサイドに圧縮。CB→SBのパスがハメパスになってしまう。
このままではまずいということで変化をつけたのはCHのデ・パウル。彼がロメロの右側に立つことでモリーナを押し上げて、右サイドに循環を発生させる。デ・パウルは単独での前線飛び出しから決定機を作るなど、保持で精力的に動いていた印象である。
カナダの保持に対して、アルゼンチンは中盤にとどまるメッシ以外の選手が追いかけ回すことでプレスをかけていく。カナダは3-2-5の変形をすることでズレを作っていくが、なかなかボールの収めどころを作ることができなかった。
というわけで両チームの狙い目はトランジッション。カナダはミラーが3人目のプレス隊としてスイッチを入れることで敵陣でのチェイシングを開始する。アルゼンチンはこれをひっくり返す形で右サイドから前進。ここから背後を取り、ボックス内に折り返してのチャンスメイクを行う。アルバレスのプレスバックからのカウンターなど、非保持からのネガトラでもチャンスを作っていた。
一方のカナダもポジトラには光が。左サイドではやはりスピードスターのデイビスが躍動。大外レーンを蹂躙し、マイナスの折り返しから決定機を作る。だが、カナダのアタッカーもチャンスをものにすることができず。どちらのチームもサイドを抉って折り返すところまでは辿り着くが、肝心の先制点までは手にすることができなかった前半となった。
カナダは強気のプレスで後半をスタート。アルゼンチンは落ち着きながらこれを回避して敵陣に侵入する。敵陣に入ってからはメッシを軸とした攻略。ハーフスペース付近に入るメッシに対して周りの選手の動き出しからの崩しを狙っていく。
すると、マック=アリスターがこの動きに反応。飛び出したところのこぼれをアルバレスが押し込んで試合を動かすことに成功する。
失点したカナダは保持ベースで反撃。ボールを外から動かしながら左サイドのデイビスを軸に攻撃を突きつけていく。アルゼンチンはアルバレス、デ・パウルといった前線への飛び出すアクションから少ない手数でゴールに近寄っていく。
アルゼンチンは早めに5バックに移行して後方のプロテクトを優先。カナダの保持に対してまずはきっちりと受けて立つことになっていた。カナダの保持を跳ね返して攻撃に出るアルゼンチンはカウンターから追加点をゲット。試合を決める一撃はまたしてもメッシ起点。外に流れるデ・パウルを囮に内側のラウタロにラストパスを決める。
メッシ起点の2得点でカナダを打ち破ったアルゼンチン。まずはコパアメリカの初戦を好発進でのスタートとなった。
ひとこと
カナダも前半のチャンスを沈めていれば話は違った気がするけども。
試合結果
2024.6.20
コパ・アメリカ 2024
グループA 第1節
アルゼンチン 2-0 カナダ
メルセデス・ベンツ・スタジアム
【得点者】
ARG:49′ アルバレス, 88′ ラウタロ・マルティネス
主審:ヘスス・ヴァレンズエラ