伝統芸能炸裂のコスタリカがブラジルをシャットアウト
コパ・アメリカのトップバッターとなったのがアルゼンチンであるならば、トリとなるのはブラジル。コスタリカとの一戦は第1節の最後の対戦カードとなる。
当然保持から試合を進めるのはブラジル。ボールを動かしながらコスタリカの5-3-2ブロックのどこから動かしていけるかを探っていくスタートとなる。
ブラジルが特に大きく動いていたのは左サイド。パケタやゴメスの降りるアクションからボールを引き出していくと、空いたスペースに左のSBであるアラーナが入っていくなど変幻自在な動かし方を見せる。
ブラジルの崩しは中央からの細かいパス交換からの抜け出しによるものが多かった。ロドリゴの決定機などはライン間からのパスから抜け出した形のものであり、この例の典型といえるだろう。
だが、これが狙ったものかといわれると怪しいものがある。というのはブラジルの両翼がコスタリカの対面を剥がすことができていなかったから。ハフィーニャ、ヴィニシウスの両翼はコスタリカのWBを前に違いを作ることができず。ハフィーニャは捕まってしまい、ヴィニシウスは何とか振り切ることはできたものの、折り返しを落ち着いて跳ね返されてしまうなど、サイドから抉る形が決定的なものとして効かなかった。
ならばとセットプレーからネットを揺らすブラジルだったが、これはオフサイドで取り消し。じりじりとした展開が続く。
一方のコスタリカは保持に回れば意外とボールをつなぐことができる展開。GSのブラジルに相手を前から捕まえるソリッドさがないのはさもありなんという感じであるので、サイドから落ち着いてボールを押し下げることができるように。しかしながら、全体を押し上げるということは裏を返せば、ブラジルにカウンター時の背後のスペースを空けるということにもなる。そういう意味ではブラジルにとっても悪くはない展開となっていた。
後半もボールを持つ展開になったのはブラジル。しかしながら、コスタリカも相変わらずヴィニシウスをバチッと止めるなど手ごたえがある状況。保持でも後ろに重い陣形を生かして、ブラジルの即時奪回を回避するなど抵抗を見せる。さすがにゴール前まで運ぶことは敵わなかったが、圧力を逃がすだけならば十分に役に立っていたといえるだろう。
ブラジルはインサイドに差し込んで外を空けるアクションを見せるなど前半よりもボールの出し入れでのスペースメイクで工夫を見せるようになっていく。しかしながら、どうしてもゴール前の枚数が合わず。ぬけだした選手がそのままシュートを打てる状況にならない限りはクリティカルなチャンスを作り出すことができない。
終盤に登場したサヴィーニョはアクセントにはなっていたが、最後までコスタリカの壁を破ることができなかったブラジル。コスタリカとの一戦はまさかのドロースタートとなった。
ひとこと
コスタリカのソリッドな守備はもはや伝統芸能。ヴィニシウスをこんなにきっちり締め出すのは驚きであった。
試合結果
2024.6.24
コパ・アメリカ 2024
グループD 第1節
ブラジル 0-0 コスタリカ
SoFiスタジアム
主審:セザール・ラモス