10人でも慌てなかったウルグアイがブラジルを止める
コパ・アメリカの準々決勝はいよいよラストゲーム。ベスト4最後の1枠をかけて争うのはグループCを首位通過したウルグアイとコロンビアの後塵を拝することとなったブラジルである。
試合は非常に慎重な入りとなった。バックラインからボールを動かしていく相手に対してはそこまでプレッシャーをかけず。2トップが縦の関係を形成し、中盤をクローズすることを優先するスタートとなった。
そうした状況を何とかしようという意思がより見られたのはウルグアイの方だった。ブラジルの1トップであるエンドリッキのマークが甘い方のCBからのキャリーでブラジルの陣形を陽動。アラウホ、オリベイラはどちらもドリブルで相手の守備ブロックにつっかけることができていたし、オリベイラは実際にブロックの中に入り込むところまで侵入していた。
ブラジルはややボールを奪う位置が見当たらなかった感があった。ズルズルと下がってしまい、中盤の守備がDFラインに近い位置になることもあった。意を決して前からプレスに行こうとすると、そのタイミングでウルグアイがスピードアップ。ブラジルを置いていくように敵陣に迫っていく。
特に右サイドの裏をとるところからのクロスは効果的。ヌニェスには完璧にミリトンを外してフリーになる決定機があったのだが、これを決め切ることができなかった。
ブラジルはCBのキャリーはかなり控えめ。バックラインは割とハフィーニャをターゲットにしたロングボールが多めとなった。
それでも敵陣のプレスでは手ごたえのあったブラジル。ウルグアイのバックラインの乱れを利用するような圧力のかけ方に成功し、あわやという場面を作るところまでは言っていた。
後半も引き続きウルグアイが保持をベースに相手を動かしていく形。CHがかなり広い範囲に動きながら、ブラジルのプレス隊と駆け引きに出る。
ブラジルは少しラインを上げつつウルグアイの縦パスのレシーバーに対して、厳しくチェックをかけていく。よりタイトになった守備ブロックをかいくぐるようにデ・ラ・クルスが縦パスを受ける瞬間を探していたのが印象的だった。
試合の流れが変わったのはナンデスの一発退場だろう。深く入り過ぎたタックルに対してはOFRを経てレッドカードが提示された。
ウルグアイはすぐさま5-3-1で自陣のブロックを固める方向にシフト。ブラジルは次々とアタッカーを投入するが試合を動かすことができない。
PK戦決着となった試合はウルグアイが勝利。ウガルテがラストキックを決めて、ブラジルを下しての準決勝進出となった。
ひとこと
ウルグアイがチャンスを作りまくったわけではないけども、ブラジルに攻撃がつながっているなと感じることができた時間帯は皆無だった。ヴィニシウスへの依存度は深刻なのかもしれない。
試合結果
2024.7.6
コパ・アメリカ 2024
Quarter-final
ウルグアイ 0-0 ブラジル
アレジアント・スタジアム
主審:ダリオ・エレーラ