数的不均衡がもたらす淡白さ、10人のコロンビアがファイナルに
決勝で待つアルゼンチンへの挑戦権をかけて、もう1試合の準決勝を戦うのはコロンビアとウルグアイ。W杯常連国同士である強豪同士の一戦である。
やや変則的なフォーメーションを仕掛けていたのはウルグアイ。3-4-3で陣形を組むと、トップのヌニェスがサイドにボールを誘導する形でスタート。コロンビアを狭いサイドに追い込むことでなるべく高い位置からボールを奪っていきたい意思が見えるスタートだった。
非保持でもウルグアイは積極策。ラインをきっちり上げて受け手を阻害しつつ、コロンビアの速攻に対してはオフサイドを取るためにラインをあげて行こうという姿勢を見せた。
序盤はやや面食らったコロンビアだったが、絶好調のディアスは一人でハイラインを破れそうな兵器と化していた感じもあったし、中盤よりも前の選手などが降りてボールを受けて、左右に動かすことでウルグアイの誘導を外しに行く。
コロンビアのプレスはここまでの戦いと同じく全体が間延びしているものではあったが、ウルグアイのプレス外しはやや雑。ミドルゾーンのつなぎが安定せず、思ったようにスペースを利用して加速することが出来ない。27分にようやくヌニェスが強引にボールを収めてらしい形でゴールに持ち込む。
保持でおさまりが悪いウルグアイはウガルテをアンカーに置く4-3-3にシフトするが効果は薄め。引き続き前進に苦労する。
そんなウルグアイを尻目に先制したのはコロンビア。セットプレーからファーに余ったレルマが仕留めて先制ゴールを決める。
これで優勢に試合を進められそうなコロンビアであったが、前半追加タイムに挑発に乗ったムニョスが退場。なんで勝っている方があんなにあっさり!?というくらい簡単にひっかかってしまい、コロンビアは残り時間を数的不利で過ごすこととなる。
アタッカーを増員して一方的に攻めに行く姿勢を見せるハーフタイム明けのウルグアイ。コロンビアは4-4-1で構えることでウルグアイを迎え撃つ。
しかしながら、コロンビアはきっちり固める云々よりも前半でムニョスが退場した文脈に乗っかることで乱戦に持ち込んでしまえ!という気配だった。熱くなったウルグアイは数的優位なんて気にせずに猪突猛進にゴール前に。勢いはあるが淡白な攻撃に終始する。
風向きがかわったのはスアレスが入ってからだろう。したたかさが際立つストライカーが入ってからウルグアイはゴール前の落ち着きを取り戻す。これを見たコロンビアはミナを投入し、5バック+0トップにシフトするなど警戒レベルを引き上げた感があった。
だが、最後の最後まで肝心のシュートが枠をとらえることが出来ず。後方ではロシェが時折飛んでくるクリティカルなカウンターを跳ね返すことで希望をつないでいたが、最後までその希望は実らず。45分間何とか時計の針を進めたコロンビアが決勝に駒を進めた。
ひとこと
ウルグアイはちょっと無駄に淡白な時間が多かった。前半はともかく、数的優位の後半にクールに過ごせなかったのはもったいなかった。
試合結果
2024.7.10
コパ・アメリカ 2024
Semi-final
ウルグアイ 0-1 コロンビア
バンク・オブ・アメリカ・スタジアム
【得点者】
COL.:39‘ レルマ
主審:セサル・ラモス