プレスとセットプレーで得点の機会を探るが・・・
スイスは勝てばドイツに並びノックアウトステージ進出が決定。スコットランドとの得失点差を考えれば、引き分けでも突破はかなり濃厚になると言えるだろう。
立ち上がりはスコットランドがサイドからジリジリと前進。地道な前進からのクロスでゴールを狙っていく。自陣に押し込まれたスイスは縦に早くロングカウンターで応戦。序盤は落ち着かない立ち上がりとなった。
時間が経過するとボールを持つのはスイス。中央を固める陣形となっているスコットランドの守備に対して、右のSBの位置に降りてくるフロイラーが降りてフリーでボールを動かしていく。ここから縦に進み、右サイドから押し込んでいく。この辺り、左偏重となっていた第1節と攻め筋は少し異なっていた。大外に上がるのはヴィトマーでシャキリとエンドイェがインサイドで近い距離でプレーする。
押し込むとスイスは高い位置からプレス。ハイテンポではないが敵陣から人基準で追い回す。スコットランドのプレスの耐性は怪しく、プレスに対してかなり危うい感じになっていたのは気がかりであった。
しかし、先制したのはスコットランド。自陣でCKを跳ね返したマクトミネイが敵陣に侵入して放ったシュートが跳ね返ってゴール。押し込まれながらも先にスコアを動かす。
だが、スイスも早い段階で反撃。ハイプレスに成功したスイスはシャキリが1on1で勝負できる局面を迎えてこのチャンスをモノにする。
この得点以降、ペースを引き寄せたスイス。左サイドのコンビネーションを確立し、一気に押し込む。CKからネットを揺らす場面もあったが、これはオフサイドで認められなかった。
スコットランドは40分以降にWBで相手のワイドをピン留めし、3バックが安定したポゼッションを見せたが、そこから先には進めず。やはり大外のロバートソンに突破力まで求めてしまうのはなかなか苦しいものがある。
後半も前半と陸続き。互いにマークが空きやすいサイドからゴリゴリと進むジリジリとした展開となる。スイスがポゼッションを握る立ち上がりにはなったが、スコットランドのサイド圧縮に苦戦。狭いスペースに追い込まれ前半よりも低い位置で攻撃を止められる機会が増える。
一方のスコットランドも前半の終盤のリズムを踏襲し、ワイドから押し込む。だが、突破力がないという課題は変わらず。セットプレーをいかに生かすかとプレッシングでどこまでリスクを負うかの勝負になっていく。
決定機があったのはスイスの方だろう。エンドイェの抜け出しやセットプレーからの決定機でスコットランドを追い込むが得点には至らず。スイスは一方的に攻め立てるというよりはどちらかといえば優勢くらいのテイストであり、引き分けでも突破が見えてくるという勝ち点勘定も関係しているのかもしれない。突破に向けて苦しくなったのは得失点で大きなマイナスを抱えているスコットランドの方だろう。
ひとこと
スイスは前節見せた万能性が薄れて少し器用貧乏感が出てきたのが気がかり。もう少し左サイドの可変性が前節のように前面に押し出せればいい流れができるのではないかなと思ったが。
試合結果
2024.6.19
EURO 2024
グループA 第2節
スコットランド 1-1 スイス
ケルン・スタジアム
【得点者】
SCO:13′ マクトミネイ
SWI:26′ シャキリ
主審:イヴァン・クルチニャク