ガラッと変わった後半を制したウクライナが逆転勝利
ベルギーを倒すという第1節最大の驚きを提供したスロバキア。連勝で一気に突破を決めたいところ。対戦相手は初戦を落としてしまい、ここで負けるとまずいこととなるだけに一戦必勝の構えである。
ボールを持ってスタートしたのはスロバキア。1トップのドフビクのみがバックスに圧力をかけるため、スロバキアのCBは距離を取るだけでボールを動かす事ができる。
ウクライナは中盤がマンツーできついマークをしていたため、スロバキアの攻撃は外循環。それでも敵陣に迫ることができていたのは左サイドのハラルソンがいたからこそ。彼が左サイドで圧倒的な存在感を見せており、対面をはがしてのクロスでチャンスを作っていく。
先制点もこの左サイドから。スローインからハラルソンがアクロバティックなクロスを入れてアシスト。シュランツがゴールを仕留めて先制する。
一方のウクライナはカウンターベースで反撃。縦に速い攻撃から一気にゴールに向かっていく。徐々に増えてきた保持局面でも4-4-2でコンパクトに守るスロバキアに対して苦戦。なかなかこじ開けられるほどの糸口を見つけることができない。
終盤には左のハーフスペースのムドリクへの縦パスか、対角パスからの右の大外のヤルモレンコの1on1からチャンスを作っていく。しかし、スロバキアはこの攻撃を凌ぎリードを維持したままハーフタイムに突入する。
後半、リードをしているスロバキアはハイプレスでスタート。ウクライナはボール保持からこのプレスを鎮静化。前半とは打って変わってウクライナがボールをもつ時間が長くなっていく。
しかしながら、展開を動かすのはダイレクトな攻撃。攻守が切り替わる展開からムドリクのスピードを生かしたファストブレイクが最も効率的に敵陣に入り込んでいく。
この形からウクライナは同点ゴールをゲット。ムドリクの陣地回復から敵陣に迫ると、遅れて入ってきたジンチェンコのクロスからゴールを奪う。
カウンターベースで反撃したスロバキアだが、前半に機能した左サイドのユニットは沈黙。ここのセットを入れ替えてもなかなかペースを掴むことができない。
すると、ウクライナは長いパスから勝ち越し。後ろから来たボールをアクロバティックなコントロールで巧みに押し込んだヤレムチュクが逆転ゴールを手にする。
4-5-1でブロックを組んでの逃げ切りに成功したウクライナ。逆転勝利で第1節での敗戦を払拭する3ポイントを手にした。
ひとこと
後半はムドリクの良さがほんのり出た展開だった。
試合結果
2024.6.21
EURO 2024
グループE 第2節
スロバキア 1-2 ウクライナ
デュッセルドルフ・アレナ
【得点者】
SVK:17′ シュランツ
UKR:54′ シャパレンコ, 80′ ヤレムチュク
主審:マイケル・オリバー