唯一の敗戦が尾を引く結果に
引き分けが多くみられるグループC。しかしながら、グループAとグループBの3位がかなり勝ち点水準としては低め。3位を確保すれば十分に突破の可能性がある両チームの一戦である。
共にフォーメーションとしては3-4-2-1。ミラー型で高い位置から捕まえに行きやすい形ではあるが、スタンスは対照的。積極的にプレスに出ていくデンマークはセルビアのバックスにロングキックを誘い込み、蹴らせて回収というスタンス。ミトロビッチ目がけてのロングボールをきっちりと回収していく。
一方のデンマークの保持は比較的バックスに余裕を持たせてもらう形。ボールを持つことができた3バックから幅を使いながらズレを気にしていくアクションと、中央のホイルンドに預けながらの前進を使い分けていく。16分のバーの決定機はファーサイドに待ち構える形。前半の最も大きなデンマークのチャンスの1つだった。
主導権を握ったデンマーク。しかしながら、徐々にハイプレスの威力は減退。少しずつセルビアに保持を譲るシーンが出てくると試合の流れは変わるように。ボール保持の機会が増えたセルビアは左サイドから進撃。縦に抉る動きと横断を使い分けながら少しずつデンマークの陣内に迫っていく。
セルビアが保持をフラットに戻したところで前半は終了。ハーフタイムはスコアレスで迎えることとなった。
後半頭は前半の立ち上がりに逆戻りしたかのようなスタート。保持から押し込んでいくデンマークに対して、セルビアは前線のパワーを前面に押し出す形に逆戻りした感があった。
その前線のパワーアップ役を託されたヨビッチはネットを揺らすシーンがあるが、これはギリギリでデンマークがオフサイドをゲット。デンマークのバックラインの統率が光るシーンであった。
しかしながら、終盤は優勢だったのはセルビア。互いに前線を入れ替えながらの勝負に出たが、よりフレッシュで役割を全うできたのはセルビアの方だろう。デンマークのFW-MF間のスペースが空いてきたこともあり、徐々に前進は安定するようになったことも大きかった。
敵陣ではファーサイドのクロスを連打することによりデンマークを追い込んでいくセルビア。デンマークは引き分けをキープできれば突破ということで必死に耐える展開が続くことになる。
パワー系の前線を並べたにも関わらずこじ開けることができなかったセルビア。このグループ唯一の敗戦を喫したことが尾を引き、グループステージで姿を消すこととなった。
ひとこと
悪くはなかったデンマークだけど、このグループはもう一押し!が問われる展開がなかったので、何とかしなきゃいけない状況での火力の増し方が見えてこないのは不安要素として残るなと思った。
試合結果
2024.6.25
EURO 2024
グループC 第3節
デンマーク 0-0 セルビア
フースバル・アレナ・ミュンヘン
主審:フランソワ・ルドゥグジェ