順位はFA杯3回戦の前の17節時点の物でございます。
【1位】リバプール
9勝6分1敗/勝ち点33 <8節>3位⇒<17節>1位↗
■首位ターンも想定外の方向の停滞
早々にファン・ダイクのシーズン絶望が決定し、最終ラインが続々離脱し壊滅。ファビーニョとヘンダーソンという「え?CHコンビじゃないの?」という組み合わせのCBユニットが誕生することもあったくらい最終ラインは苦しいやりくりだった。
それでも、プレミア首位ターン+CLのGS突破という2つのノルマを達成しているのだから文句はあるまい。プレミアでは要所に訪れるビックマッチに確実に照準をロックオン。多少、前後の試合のテンションを落としてでもしっかり直接のライバルを苦しめるあたりがクロップが名将たる所以である。
気がかりなのはやや主力に勤続疲労が目立つところか。特に働きづめの両SBはやや精彩を欠く頻度が増えてきたような気がする。年単位で出場時間つめつめのシーズンを送っているツケが来ても不思議ではない。前線でずーっと元気なマネは絶対どこかおかしい。
弱点がわかりやすいバックラインがアキレス腱になるかと思いきや、肝心なところで得点が伸びずに勝ちきれないというのは少々意外だった気もする。特に年末年始にかけて、自陣ベタ引きの相手に立て続けに勝ち点を落としたのは気になるところである。とかいっていたら順位下がってしまったよ!!
前半戦MVP:ディオゴ・ジョタ
火の車のスカッドを支え続けた面々も考えたけども、インパクト重視でこちらを選出。連続得点で不動の3トップとのレギュラー争いに名乗りを上げた。ドリブルで持ち味があるのは何となく知っていたけど、スペースに入り込んで合わせるオフザボールの能力にも長けているのは知らなかった。得点に伸び悩んでいるのは出し手の精度の問題もあるけど、合わせるほうの動きの少なさもあるのでは?と。
他の候補⇒ファビーニョ、ジョーダン・ヘンダーソン、アリソン・ベッカー、サディオ・マネ
【2位】マンチェスター・ユナイテッド
10勝3分3敗/勝ち点33 <8節>14位⇒<2節>2位↗
■何よりも大事なエネルギー
前から追う気のない前線に、後追いで適当な対応をするバックス。開幕の時点では相当しっちゃかめっちゃかで、スパーズに6-2で大敗した時はシーズンをCL圏内で折り返せると信じていたユナイテッドファンは一握りではないだろうか。OBのエヴラが涙ながらに批判したことが話題になったように当時はとてもではないが、戦える準備ができている選手がほとんどいなかった。
いい時のスールシャールのユナイテッドは「当たり前を当たり前にやる」という古き良きスタイルが前面に押し出せている時。何よりも大事なのはチームにほとばしるエネルギーと強度だ。気まぐれなポグバを含む中盤までチーム全体にエネルギーな備わった感じがしたのは大勝を決めたリーズ戦だろうか。
カウンターの鋭さだけでなく、ボール保持での崩しも徐々に熟練。SBも織り交ぜた奥行きのある組み立てで、今まで苦手だったブロックを固める相手にも勝ち点を得るようになる。
惜しむらくは上昇気流に乗るのがCLに間に合わなかったこと。パリとライプツィヒに勝利しながらもイスタンブール・バシャクシェヒルに不覚を取り、GS敗退を喫したことでミソはついてしまった。
それでもここまでのリーグ戦での短期でのカムバックは期待以上だろう。気がかりなのは昨年は得意だった上位対決での敗北が目立つこと。上がったテンションで直接のライバルを叩き、久々のリーグタイトルをかかげることはできるだろうか。
前半戦MVP:ブルーノ・フェルナンデス
苦しい時期も攻撃の武器であり続けた彼を選出。もう1人の候補はそんな彼のパスの受け手であるラッシュフォードである。テンポを変えられる縦パスはカウンターしか手がなかった時期のユナイテッドの一筋の光明。彼とポグバ(元気な時)のどちらもいない序盤戦のユナイテッドの攻撃はとてもじゃないけど、見ていられなかった。
他の候補⇒マーカス・ラッシュフォード
【3位】レスター
10勝2分5敗/勝ち点32 <8節>1位⇒<17節>3位↘
■万能性はピカイチ
コロナ中断後の失速こそあったものの、昨季もすでにダークホースとしての片鱗を見せていたレスター。今季もその勢いは継続していると言える。
最終ラインでは移籍した選手や故障者を多数出しながらもジャスティンやフォファナなどの新戦力を組み込みつつ、守備の組織の構築に成功。序盤から少ない失点で推移している。前線もマディソンが少し出遅れた分をバーンズやプラートなどがカバー。守備における貢献度も含めて2列目で十分以上の働きを見せた。
中盤ではとりわけ存在感を増しているのがティーレマンス。守備における的確な駆け引きや、攻撃におけるタクトの振るい方まで今季はさらに一段上のステージに登った印象である。
難しいプレシーズンでここまでチームを仕上げたロジャーズの手腕は称賛されてしかるべき。大きな連敗や不調がないままにここまでプレミア随一の安定した成績でチームを常に上位で維持することができた。その理由は共通したゲームモデルの下で多くの選手がプレー出来ることだ。中盤は前を向くトライを欠かさずにパスを出すことを怖がらず、守備の強度の水準を満たす。ワイドプレイヤーはドリブルをしつつ裏抜けする選手にラストパスを出す。
懸念を挙げるとすればヴァーディへの依存度の高さだろう。ドリブラーの項でも述べたように、レスター最後の仕上げが彼の裏抜けに依存するチーム。彼の不在はダイレクトにレスターというチームの格を決めてしまう。大きなブレーキがあるとすれば、長らくレスターを支え続けたレジェンドの離脱だろう。
前半戦のMVP:ジェレミー・ヴァーディ
ミラクル・レスターを牽引した存在である上に、新星レスターの看板でもある。衰えが出やすい爆発的な加速という武器とロングカウンターという得意分野が限られることを考えると、そこまで息の長い選手にならないと勝手に思っていた。しかし、最終ラインとの駆け引きでの強さは折り紙付き。より静的な展開においても、彼はレスターにおける王様であることを証明し続けている。
他の候補⇒ジェームズ・ジャスティン、ウェスレイ・フォファナ、ユーリ・ティーレマンス、ハーヴィ・バーンズ
【4位】トッテナム
8勝5分3敗/勝ち点16/得点16 失点12 <8節>2位⇒<17節>4位↘
■初手で押し切れない時の振舞いが上位進出のカギ
前半戦を象徴するのは何といってもケインとソンの黄金コンビだろう。すでに片方がもう一方のアシストから決める得点は今季だけで2桁に。互いの位置やプレーが手に取るようにわかるような円熟味を増しているこの2人はプレミア最強コンビ候補。このホットラインにいかに仕上げを託すか?という部分がポイントになる。
工夫のポイントは組み立てでも依存度が高かったケインの負荷を軽減する存在がトップ下で起用されたエンドンベレ。抜群のフィジカルを活かした卓越したキープ力で時間を作りアタッカー陣の低い位置での仕事を減らす。シーズン序盤はプレータイム確保に苦心していたが、秋先くらいからスタメンを掴むと徐々にプレータイムを伸ばしていく。1年目で不発だったエンドンベレのフィットは実質望外の新加入選手を得たようなものである。
課題は遅攻におけるレパートリーだろう。押し込んだ相手に対しての幅を使った攻撃はまだ確固たる武器にはなってはいない。特にケインが絡まないパスワークに関しては、チャンスが生まれる匂いが乏しいのが悩みになる。この部分は『正真正銘』の新戦力のレギロンの更なる飛躍が期待される。
直近の試合で見られるもう1つの課題は交代による攻撃の活性化。先制点をがっちり確保するところまではうまくいくのだが、交代により攻撃のリズムを変えるペースチェンジャーが不在。いわゆる2点目を取りに行く手法にモウリーニョは悩んでいるように見える。マドリードから帰還したベイルに期待されるのはこの部分。優先度が上がってこないのはフィットネスの部分だろうか。出場すれば脅威になるのは間違いないだけに、まずは交代選手としての確固たる地位を築く所から始めたいところだ。
前半戦のMVP: ハリー・ケイン
ケインあってこそのソンくん。なのでこっち。
他の候補⇒ソン・フンミン,
【5位】マンチェスター・シティ
8勝5分2敗/勝ち点29 <8節>10位⇒<17節>5位↗
■デ・ブライネ頼みから脱却、ついに逆襲開始
お隣さんと共に開幕戦延期からの出遅れという息ぴったり感を見せつけた序盤戦。どこか縦に速くなってしまいがちな攻撃は従来よりも単調な感が否めず。WG個人の突破の可否がそのまま展開の優劣を握るような試合ばかりを繰り返し、勝ち点が安定しない状況が続いていた。
被カウンターを気にしての4-2-3-1へのシフトだったのかもしれないが、ロドリとフェルナンジーニョを並べているだけではなかなかスピード感のあるプレミアリーグのアタッカー陣を捕まえきれず。仕方なく4-3-3に回帰した途端、トッテナムにアンカー脇を起点に暴れまわられるというのは悲劇だった。ちなみにグアルディオタの「走りすぎていた」発言は、トランジッションが起きる展開作りすぎたぜ要素もあるのではないかと思っている。
打開策になったのはボール保持におけるチャラさが際立つカンセロ。彼をアンカー脇に置くことでポゼッションが安定。中盤で起点ができることでWGからの同サイド攻略や逆サイドへの展開など手段が増加。組み立てにおけるデ・ブライネの負荷を少し下げる働きをした。1列目の加速の手段を探りながらボール保持の局面を増やすことに成功。いざとなればデ・ブライネに全部何とかしてもらえばいい。
攻守の歯車が噛み合って快勝したチェルシー戦をきっかけにチームは上昇気流に。チームはすっかり優勝争いに舞い戻ることに成功。ディアスとデ・ブライネという軸が揺るがない限りは終盤まで優勝争いに絡んだ戦いができるはずだ。
前半戦のMVP:ケビン・デ・ブライネ
多少、ディアスと迷ったけどちょっと別次元。殿堂入りでもいいかもしれない。
他の候補⇒ルベン・ディアス、ジョアン・カンセロ
【6位】エバートン
9勝2分5敗/勝ち点20 <8節>7位⇒<17節>6位↗
■粘りこそ例年との違い
開幕からのスピードダッシュ、王者相手に堂々と殴り合いを見せたマージーサイドダービー。ハメス、ドゥクレ、アランなどの大型補強の豪華絢爛の攻撃陣に加えて、主砲キャルバート=ルーウィンの大爆発。「あれ?これは例年と違う?」という勢いでプレミアリーグの序盤戦の主役に躍り出た。
しかしながら、両サイドバックの離脱と共にパフォーマンスは降下。3-4-3への移行など試行錯誤はしたが失速は止まらず、最強の11人!ありきの快進撃は過密日程によってあっけなく壊れてしまった。怪我人の連鎖からベストメンバーをそろえられずにチームは中位に沈んでしまった。
ただ、一度勢いが落ちてからの粘りこそ実は「例年と違う」要素かもしれない。スカスカで攻略されまくってしまっていたブロック守備の改良としてマンマークの要素をアップ。ビルドアップに難があるチェルシー相手に完勝し、ここからチームは粘りながら勝ち点を積み重ねる。この修正力こそアンチェロッティである。
前線にキャルバート=ルーウィンというポストよし、仕上げよしのフィニッシャーがいる限りはエリア内にボールをどう運ぶかである。リシャルリソンがギアをもう一段上げることができれば、CL出場権争いに最後まで絡んでいける可能性は高まる。
前半戦のMVP:ドミニク・キャルバート=ルーウィン
「今一番クロスに合わせられたくないFWは?」グランプリがあったら、1位を取るかもしれない人。自陣に押し下げられた際には高いキープ力でロングボールの収めどころにもなる。すごいよねー。
【7位】アストンビラ
8勝2分5敗/勝ち点26 <8節>6位⇒<17節>7位↘
■堅いセンターラインの強みと悩み
エバートンと並んでの序盤戦の台風の目兄弟を結成したアストンビラ。中でもリバプールを7得点で撃破した第4節は今季のプレミアの中でもトップインパクトといってもいいくらいである。
目を引くのは攻撃ユニットの充実。プレミアを代表するクラックになりつつあるグリーリッシュはどのチームにとっても嫌な存在だし、1トップのワトキンスはサイドに流れて良し、フィニッシュ良しと非常に欠点が少ないFWである。バークリーが負傷で離脱して以降はややチームとしての機能性は落ちたもののトラオレの台頭でなんとかクオリティを維持している。
センターラインがしっかりしているチームだが、ここで選手が入れ替わると質がガクッと落ちるのが悩みどころ。特にドウグラス・ルイスとマッギンの中盤コンビはいぶし銀ながらも活躍が光る。グリーリッシュがいなければ、なかなか相手チームに対して歪みが作れないのも悩みどころだろう。彼が封じられるとスペシャルなチームが並みのチームに成り下がってしまう。
その悩みを加速させそうなのは過密日程。開幕戦の延期から始まり、コロナウイルスの集団感染などの影響でここから先プレミアの試合が最も多いチームである。メンバー固定色が強いアストンビラにとってはマイナス要素だが、終盤戦をどう乗り切るかが気になるところだ。
前半戦のMVP:エミリアーノ・マルティネス
グリーリッシュじゃないのかよ!といわれそうだが、マルティネスだってMVPに据えるには悪くないだろう。相手からすれば空中戦に強い最終ラインを越えたとてマルティネスという最後の砦が残っているのは苦しいに違いない。手にボールを吸いつけてこぼさないセービングは健在。多くのいいGKがいるプレミアでも前半戦トップクラスの活躍といっていいはずだ。移籍先で愛されるような活躍を見せてくれてうれしい。
他の候補⇒ジャック・グリーリッシュ、ドウグラス・ルイス
【8位】チェルシー
7勝5分5敗/勝ち点26 <8節>5位⇒<17節>8位↘
■攻撃の軸の離脱で組み合わせの再構築へ
マウント、エイブラハム、ジェームズなどの伸び盛りの若手にヴェルナー、ジエク、ハヴェルツ、チルウェルなどの大型補強を組み合わせるというランパードに課されたミッションは今季のプレミアの監督で課されたお題の中でもっとも難解なものといってもいいかもしれない。移籍市場の主役がリーグの主役になるのはなかなかの重労働である。
案の定、立ち上がりは誰を軸に攻撃を構築すればいいのか試行錯誤する様子が垣間見えた。しかし、チアゴ・シウバとメンディという守備陣の新戦力の奮闘で最終ラインが安定。それに加えて、ジエクのクロスという武器をもとにチームを作ることが定まってからはチームは上昇気流に乗った。
だが、そのジエクが離脱するとチームは再び方向性を見失う。特に新加入のヴェルナーとハヴェルツは自分たちの持ち味を発揮するフェーズまでには半年ではたどり着くことができず、ファンのため息が聞こえてきてしまいそうな前半戦の出来。結局はジルーとマウントとプリシッチが一番いいんでないかい的な結論に飛びつきそうになってしまう気持ちもわかる。
ポゼッションもプレッシングもふわふわしている場面が目立ち、個のポテンシャルで押し切りたさが垣間見える。気合を入れて立ち上がりを潰しに来る相手との相性が悪く、マンチェスター・シティやアーセナル、エバートンはチェルシーとの対戦をきっかけに調子を取り戻しているという胸を貸す立場として利用された感も切ない。
CLとの両輪も含めてランパードにはプレッシャーがかかる後半戦になりそう。攻撃ユニットの再構築に速いところメドをつけて逆襲と行きたいところだが。
前半戦のMVP:ベン・チルウェル
新戦力の中でもっとも輝いていたであろうチルウェルを選出。対人守備には怪しさはあるものの、オーバーラップスキルはピカイチ。ジエクシステムが構築された際にはクロスに飛び込むフィニッシャーとしても重宝。競争相手となるはずだったマルコス・アロンソが思わず心を乱す程度には活躍した。
他の候補⇒メイソン・マウント、ハキム・ジエク
【9位】サウサンプトン
7勝5分4敗/勝ち点26 <8節>4位⇒<17節>9位↘
■ジェットコースターからの卒業で安定感アップ
プレスがかからない上に高いDFラインを敷くという、最終ライン裏の大解放モードで序盤戦は相変わらずジェットコースターのような試合を続けていたセインツ。このままだと普通に降格候補もあるんじゃないかと思っていたのだが、秋が深まるころには飛躍的にチームが落ち着いた。
とりわけ大きな改善が見られたのはボール保持におけるスキルがアップし、試合を落ち着けられる局面を見つけられたことだろう。最終ラインの球出し役として貢献したヴェスターゴーア、FWの落としを受けて運ぶ役割を実直に果たし続けたウォルコットとアームストロングも好調なプレーを堅持し続けた。
ポスト役はアダムスとイングスが1stチョイスだが、比較的メンバーが入れ替わっても機能は果たせる。カウンターに打って出るときの勢いは据え置きで保持における安定感を手にしたのは大きく、ハーゼンヒュットル政権下での最も大きな欠点だった出入りの多さが改善した。
均衡した展開を動かせるセットプレーという大きな飛び道具があるのも優秀。ウォード=プラウズという稀代のキッカーがヴェスターゴーアという強靭なターゲットに点で合わせるという一連はわかっていても止めるのが難しい。
最終ラインに堅さがあるタイプではないのでミドルゾーンで我慢が出来ない展開にはあまり強くはない。最終ラインを背走させたり、サイドで対人守備を頻発させられると苦しくなる。ジョーカーの不在も気になるところで、ヌルンドゥルやテラ、ジェネポなどの突き上げも後半戦は期待したいところだ。
前半戦のMVP:ヤニク・ヴェスターゴーア
ウォード=プラウズと2択で迷ったがポゼッションにおける改善も含めてこちらを選択。数年前まではポカばかりのうっかりさん枠というイメージだったが、すっかりDFラインの主軸に。エアバトラーとして計算できるのも大きく、離脱中の今はセットプレーの破壊力がやや割引されている感がある。
他の候補⇒ジェームズ・ウォード=プラウズ, スチュアート・アームストロング,カイル・ウォーカー=ピータース,チェ・アダムス
【10位】ウェストハム
7勝5分5敗/勝ち点26 <8節>12位⇒<17節>10位↗
■地獄から生還も痛恨のシステム変更で停滞
2節のアーセナル戦から7節のリバプール戦までの地獄の日程を組まれたことから、モイーズこそ解任候補のトップ!との話もあった序盤戦。しかし、この6試合を2勝2分2敗で踏ん張れたことで逆にチームとしての地力を証明した格好である。
ベースとなる5-4-1は背が高い最終ラインの強さを活かした堅いブロックを形成。人をかけた分、しっかりと強度を持たせている。1トップのアントニオは強靭なフィジカルでキープ力を発揮。運べるWGも深いDFラインからロングカウンターに転じることに耐えうる陣容だった。
しかし、アントニオ離脱後にトップを務めるアレには同様の役割は難しく、トップ下に補佐役を置くことに。これにより5-4-1ローラインといううまく回ってた仕組みを解体せざるを得なくなったのが痛かった。
ライスとソーチェクはほぼフル稼働。アントニオだけでなくセンターラインの選手は絶対でここに欠員が出るとつらい。悪くはないのだが、ネームバリューを考えれば2列目の控えアタッカーによるブーストにはもう少し精度が欲しいところ。特に周囲との連携がもう一味だったベンラーマには向上の余地がありそうだ。
前半戦のMVP:マイケル・アントニオ
超フィジカルモンスターとして大暴れ。開幕した時は「プレミアの門番」的な00年代格闘技におけるゲーリー・グッドリッジみたいな立ち位置かと思っていたが、今季はワンランク上の選手になったといっていいはずだ。ルベン・ディアスにとっては彼に決められたバイシクルは前半戦唯一の汚点といってもいいかもしれない。
他の候補⇒デクラン・ライス,ドミニク・ソーチェク
あと半分は次ね。