■ウルグアイよりウルグアイ?
アルゼンチン、ブラジルの両雄へのチャレンジ権が欲しい両チーム。南米No.3を狙うウルグアイとコロンビアが準決勝進出を賭けて激突する。
様々なフォーメーションを試しているウルグアイがこの日取り組んだ形は4-3-1-2。スアレスとカバーニの素直な2トップで決戦に臨む。4-4-2型のコロンビアに対してアンカーからボールを入れて、1stプレスラインを突破。サイドに流れて受けるアンカーから片側を狙い撃ち。そのため、ウルグアイの選手たちは同サイドに集結。トップ下のデ・アラスカエタもボールサイドに流れる役割。前線の流動性の高さを活かして、奥行きを作り同サイドを攻め切るやり方を狙っていく。
しかし、ウルグアイは決め手不足。ソリッドな守備で自陣深くにブロックを敷くコロンビアに対して、同サイド打開の手法を見いだせずシュートまでたどり付くことができない。
一方のコロンビアはロングカウンター重視。狭いスペースで受けられるカルドナや大外でデュエルができるクアドラードが不在なため、やや縦に速い攻撃が多かった。撤退しながらSHが内に絞りつつ素早くFWにボールを預ける。ローラインからのこのボールのつなぎ方はどちらかと言えば往年のウルグアイと重なるスタイル。ウルグアイよりコロンビアの方がウルグアイっぽい戦いだった。
遅攻の際は左右に振りながらウルグアイの3センターをずらし、薄いサイドを作りながらクロスを上げる。しかし、ウルグアイのCBの水際で跳ね返す部分は健在。この部分はウルグアイの方がウルグアイである。
停滞気味だった前半に引き続き、後半も非常に堅い展開。決定機はほとんどなかった。コロンビアはトップ下に入ったムリエルがアンカー番に入ることで、ウルグアイのビルドアップのスピードを遅らせる。ウルグアイは前線の動きの鋭さはあるものの、ロングカウンターが刺さるほどの長い距離をやり切る馬力はやや落ちてしまった印象である。対するコロンビアも前半と同じく、相手を崩しきれないまま試合は終了する。
試合はPK戦に突入。GKの読みがさえていた両チームだが、キッカーのキックの威力が十分で方向が合ってても止められないシーンが多かった。だが、その中でもタイミングと強さがあってしまったウルグアイの2人がオスピナにばっちり止められて勝負あり。我慢比べとなった90分の末にPK戦を制したコロンビア。クアドラード不在の難局を乗り切り、見事準決勝進出を決めた。
試合結果
ウルグアイ 0-0(PK:2-4) コロンビア
エスタディオ・ニウトン・サントス
主審:ヘスス・ヒル・マンサーノ