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「EURO 2024 チーム別まとめ」~スロバキア代表編~

目次

代表メンバー

▽GK
マルティン・ドゥーブラフカ(ニューカッスル)
12 マレク・ロダーク (フルハム)
23 ヘンリッヒ・ラバス(ニューイングランド・レボリューション)

▽DF
ペテル・ペカリーク(ヘルタ)
デニス・バブロ(コペンハーゲン)
アダム・オベルト(カリアリ)
ノルベルト・ギョンベル(サレルニターナ)
14 ミラン・シュクリニアル(パリSG)
15 ベルノン・デ・マルコ(ハッタクラブ)
16 ダービド・ハンツコ(フェイエノールト)
25 セバスティアン・コーシャ(スパルタク・トルナバ)

▽MF
5 トマーシュ・リゴ(バニーク・オストラバ)
オンドレイ・ドゥダ(ベローナ)
11 ラースロー・ベーネス(ハンブルガー)
13 パトリック・フロショフスキー(ゲンク)
19 ユライ・クツカ(スロバン・ブラティスラバ)
21 マトゥーシュ・ベロ(ボーフム)
22 スタニスラフ・ロボツカ(ナポリ)

▽FW
トマーシュ・ススロフ(ベローナ)
9 ロベルト・ボジェニク(ボアビスタ)
10 リュボミール・トゥプタ(スロバン・リベレツ)
17 ルカーシュ・ハラスリン(スパルタ・プラハ)
18 ダービド・ストトレツ(スロバン・ブラティスラバ)
20 ダービド・ジュリシュ(アスコリ)
24 レオ・ザウアー(フェイエノールト)
26 イバン・シュランツ(スラビア・プラハ)

GS 第1節 ベルギー戦

初戦にして2年前の悪夢がよぎる

 互いに積極的にプレスに出ていくスタート。好感触だったのはベルギー。トロサールが1つ前に出る形でオールコートマンツーのような形でプレッシャーをかけてロングボールが乱れたところを回収する。

 後方は同数で受けるという不安もあった。ファエスの立ち上がりなど綱渡りの部分もあったが、後方の同数を受けることで確かに高い位置から奪い切れる場面もあったので、この辺りはリスクを取る意義はあったと言えるだろう。

 スロバキアのプレスはWGの外切り+IHの外スライド。オレたちの川崎フロンターレスタイルである。この設計自体はまぁそういう形もあるかという感じではあるが問題は後方。CBのライン設定がガタガタでルカクの裏抜けをことごとくオンサイドに。ずれが起きやすいプレスの仕組みだからこそ、簡単に預けて決定機がある状態は全然よろしくない!という感じである。

 しかしながら、先にプレッシングに対してミスが出たのはベルギー。「あれ?ここは敵陣だっけ?」と思うようなドクの大胆な仕掛けからのロストがスロバキアの先制点の源であった。

 以降はベルギーのバラバラ感が目立つ展開に。CHは互いの位置関係を見ずにそれぞれが別個でプレーしているかのような状況。いつまで経ってもパスは出てこないのでデ・ブライネが降りるアクションをするように。SBのカラスコはWGの背後で受ける機会を作りたさがあったが地面に根が生えたように手前で受けるアクションに終始。バックスのユニットはビルドアップのところで互いを見なかったり、相手との位置関係に変化をつけたりなどができず。ボールを動かして勝負するという観点でベルギーはなかなかにしんどさがあった。

 前線は単調さが目立つ。ドクは愚直に縦に行くことしかできず、トロサールはカットインから相手にひっかけまくるまずい出来の日、ルカクは抜け出した後のボールコントロールがバタバタ。1回目のシュートミスでW杯の悪夢を思い出してしまったかのようなフィニッシュワークだった。

 そんなベルギーに対してスロバキアは効果的に前進。サイドもバイタルも埋める気力が欠けているベルギーのCHを手玉に取りながらゴールに迫っていく。攻守に覇気がないままベルギーの前半は終わることとなった。

 後半、ベルギーは左右のWGを入れ替える。これでドクには多くの選択肢ができていたが、後方から攻め上がるカラスコとの連携はなかなかしんどいものがあり、左サイドの活性化とまではいかなかった。

 さらにはスロバキアの機を見たハイプレスにも苦戦。大きく動かすことはできていてもSBがなかなか高い位置を取れずに後ろに重くなってしまえば繋ぐことは難しい。スロバキアのプレスに屈する怪しさはただよっていた。

 引っかけてはスロバキアにカウンターを撃たれることとなったベルギー。中盤主体でボールを奪うと、そこから相手を見ながらボールを動かすスロバキアが着実に陣地回復をこなす。

 バカヨコの登場によりデ・ブライネはCHに移動。カラスコやファエスにブチギレながら立ち位置の指導を絶えず行っていた。だが、ベルギーのバックラインは一向に開く動きも上がる動きもしないので、ヤケクソ気味に縦パスを刺そうとしてはロボツカを中心とした守備ブロックに回収されてしまいカウンターから陣地回復を狙うという流れになってしまう。

 やぶれかぶれで前線の個人にかけるしかないベルギー。オペンダの抜け出しからルカクがゴールを決めたかと思われたが、これはハンドによって取り消し。ルカクは直前のオフサイドと合わせてこの日2回目のゴール取り消し。あらゆる決定機逸も含めてW杯の悪夢が蘇るかのようだった。

 初戦にて悲壮感漂う敗戦を喫してしまったベルギー。残り2試合での立て直しは間に合うだろうか。

ひとこと

 決定機を決められなかったルカクとか、自陣で意味不明なプレー選択で失点を招いたドクが悪目立ちした試合だけども、ベルギーがよりヤバそうなのは中盤より後ろ。保持でパートナーを見ず、ネガトラでダラダラとしかポジションを埋めないCH、保持での爆弾パスに終始し、非保持でも軽率な対応が目立つCBとカラスコなど課題は山積み。メンバーの大幅入れ替えなどを伴う解決策探しに着手しても不思議ではない。

試合結果

2024.6.17
EURO 2024
グループE 第1節
ベルギー 0-1 スロバキア
フランクフルト・アレナ
【得点者】
SVK:7′ シュランツ
主審:ウムト・メレル

GS 第2節 ウクライナ戦

ガラッと変わった後半を制したウクライナが逆転勝利

 ベルギーを倒すという第1節最大の驚きを提供したスロバキア。連勝で一気に突破を決めたいところ。対戦相手は初戦を落としてしまい、ここで負けるとまずいこととなるだけに一戦必勝の構えである。

 ボールを持ってスタートしたのはスロバキア。1トップのドフビクのみがバックスに圧力をかけるため、スロバキアのCBは距離を取るだけでボールを動かす事ができる。

 ウクライナは中盤がマンツーできついマークをしていたため、スロバキアの攻撃は外循環。それでも敵陣に迫ることができていたのは左サイドのハラルソンがいたからこそ。彼が左サイドで圧倒的な存在感を見せており、対面をはがしてのクロスでチャンスを作っていく。

 先制点もこの左サイドから。スローインからハラルソンがアクロバティックなクロスを入れてアシスト。シュランツがゴールを仕留めて先制する。

 一方のウクライナはカウンターベースで反撃。縦に速い攻撃から一気にゴールに向かっていく。徐々に増えてきた保持局面でも4-4-2でコンパクトに守るスロバキアに対して苦戦。なかなかこじ開けられるほどの糸口を見つけることができない。

 終盤には左のハーフスペースのムドリクへの縦パスか、対角パスからの右の大外のヤルモレンコの1on1からチャンスを作っていく。しかし、スロバキアはこの攻撃を凌ぎリードを維持したままハーフタイムに突入する。

 後半、リードをしているスロバキアはハイプレスでスタート。ウクライナはボール保持からこのプレスを鎮静化。前半とは打って変わってウクライナがボールをもつ時間が長くなっていく。

 しかしながら、展開を動かすのはダイレクトな攻撃。攻守が切り替わる展開からムドリクのスピードを生かしたファストブレイクが最も効率的に敵陣に入り込んでいく。

 この形からウクライナは同点ゴールをゲット。ムドリクの陣地回復から敵陣に迫ると、遅れて入ってきたジンチェンコのクロスからゴールを奪う。

 カウンターベースで反撃したスロバキアだが、前半に機能した左サイドのユニットは沈黙。ここのセットを入れ替えてもなかなかペースを掴むことができない。

 すると、ウクライナは長いパスから勝ち越し。後ろから来たボールをアクロバティックなコントロールで巧みに押し込んだヤレムチュクが逆転ゴールを手にする。

 4-5-1でブロックを組んでの逃げ切りに成功したウクライナ。逆転勝利で第1節での敗戦を払拭する3ポイントを手にした。

ひとこと

 後半はムドリクの良さがほんのり出た展開だった。

試合結果

2024.6.21
EURO 2024
グループE 第2節
スロバキア 1-2 ウクライナ
デュッセルドルフ・アレナ
【得点者】
SVK:17′ シュランツ
UKR:54′ シャパレンコ, 80′ ヤレムチュク
主審:マイケル・オリバー

GS 第3節 ルーマニア戦

引き分けでOKには見えない90分間の綱引き

 グループEは全チームが1勝1敗で並ぶ四つ巴の大激戦。しかしながら、他グループの3位の成績からすると勝ち点4を確保すれば3位でも通過は可能。スロバキアとルーマニアの一戦は引き分ければ互いに突破が決まるという両方助かるルートがある一戦となる。

 しかしながら、立ち上がりから両チームとも真摯に目の前の状況に向かっていった一戦といっていいだろう。ルーマニアは無理にプレスに行かず、立ち上がりはスロバキアがボールを持つスタートとなる。CBがキャリーしてルーマニアの中盤と駆け引きながらボールを動かしていく。

 基本線としてはサイドに展開した後にCFのストレレツを狙っていくスロバキア。ロングボールを含めてひとまずここに収まれば安泰という感じだろう。

 一方のルーマニアは高い位置からのパスカットで反撃。初戦で大活躍したラティウは素早いボール奪取から一気に敵陣まで侵攻してシュートまでたどり着くなど、早い時間から存在感を見せる。相手陣内に一度踏み込んだら逃がさないという姿勢をプレスで見せたルーマニア。落ち着いてボールを運んでいたのはスロバキアの方だったが、シュートまでたどり着く機会はルーマニアの方が多い立ち上がりとなった。

 しかしながら、先制点を決めたのはスロバキア。シュクリニアルの対角パスから右サイドに展開すると。サイドからのクロスにドゥダが飛び込んで先制点をゲット。一瞬戻りが遅れたルーマニアの左サイドの守備を壊して得点を奪う。このフィードもそうだが、クロスなどの長いボールを背走させる形で対応させることでスロバキアはルーマニアを苦しめている印象があった。

 だが、ルーマニアも前半の内に反撃。右サイドのハジの仕掛けからPKを獲得。何とかボックスの外で食い止めたかったハンツコだったが、エリアへの侵入を許してしまった。

 同点ゴールで流れを引き戻した感があったルーマニア。スロバキアも中盤での寄せに一歩も引かないまま食らいついていく好ゲームとなっていた。

 後半も主導権は依然として綱引き。対角パスから押し下げるムーブを見せるスロバキアに対して、カウンターで中を鋭進していくルーマニアはついていく姿勢を見せていく。

 最終的に固めた中央に突っ込んでいくルーマニアに比べると、シュクリニアルの右サイドへのフィードと左サイドのハラスリンという攻め手がある分、スロバキアの方が有利に見えた。だが、前線が元気なうちに試合を決めることができなかったスロバキア。再び試合はフラットな終盤戦に突入する。

 引き分けならばどちらも突破という談合上等の姿勢は最後まで見えなかったこの試合。90分間ぶつかり合って勝ち点1を取った両チームは揃ってノックアウトラウンドに駒を進めることとなった。

ひとこと

 いやぁ、いい意味で引き分ければ両方突破できるという条件がある試合には思えなかった。

試合結果

2024.6.26
EURO 2024
グループE 第3節
スロバキア 1-1 ルーマニア
フランクフルト・アレナ
【得点者】
SVK:24’ ドゥダ
ROU:37‘(PK) マリン
主審:ダニエル・シーベルト

Round 16 イングランド戦

祈りに応えたベリンガムと刻まれたエバートンのDNA

 スコア推移的には危なげなくGSを突破したが、内容にザワザワするというもはやビッグトーナメントではお馴染みと言っていい状況となっているサウスゲートのイングランド。すでに今大会ではトチったビッグネーム駆逐に成功しているスロバキアがRound 16の対戦相手である。

 スロバキアは4-1-4-1がベースのフォーメーション。CBは1人余らせて、あとは人基準で守ればOKというスタンス。イングランドはこのスロバキアのオーソドックスなプランに大苦戦。フリーのCBがボールを持っても誰も出しどころがなく、相手を動かすことができない。余ったストーンズが何もできないというのはプレミアファンからすれば信じられない光景である。トリッピアーのおかしなパスミスの尻拭いからグエヒが警告を受けるなどイングランドは散々な立ち上がりだった。

 一方のスロバキアは少ない手数で確実に前進。ボールを奪うと素早い縦のカウンターに後方からSBの積極的なオーバーラップから勝負を仕掛けていく。さらには左サイドでズレを作ることも成功。ストレレツへのロングボールの落としからハラスリンの縦に鋭い動きから一気にゴールに迫っていく。

 攻撃のメカニズムを確立したスロバキアは先制点まで到達。右サイドでクツカの前線への飛び出しからイングランドの守備基準を乱しつつ、ストレレツのポストからシュランツがゴールを奪う。イングランドは構造的にもかなり動かされてしまったし、そもそもストレレツにかなり収められるというイングランドのCB陣のフィジカル的な劣位も感じた序盤戦となった。

 なんとかしたいイングランドだが、ずらしながらの前進ができずに苦戦。横断からのトリッピアーという形からほんのり手応えを感じなくもないが、スロバキアのスライドとリトリートのブロックをなんともできないままハーフタイムを迎えることに。

 後半も展開は同じ。押し込む状況からイングランドは解決策を探る。前半に比べるとイングランドはゴールに迫る立ち上がりとなる。スロバキアの3センターの脇を通せるような縦パスを仕掛けることで中央に起点を作り、左右に揺さぶることができるように。スロバキアはロボツカの壁を越されるシーンが増えてくるように。

 サカ→ケインの斜めのパスがようやく通ると、逆サイドのトリッピアーからの折り返しをフォーデンが仕留めてネットを揺らす。だが、これはオフサイド。確かにトリッピアーからのパスコースを作るには少し前に出ていた方が都合がいい気がするが、普段からすればこれもオフサイドに引っかかるようなポジションをとっているのが意外という感じである。

 攻め込むも悪くない状況を構築できるようになったイングランド。だが、ゲンナリするパスミスから押し込む流れをあっさりと手放してしまう。

 停滞した状況に加えて左の大外のトリッピアーが負傷と利き足的なものあたりなさを見せるとついにSBのサカを解禁する。しかしながら、いつもよりプレーエリアを外に追いやられた感のあるパルマーはGSのような輝きを見せることができず。左で幅取り役となったサカにはボールがそもそも届かず、まさかのトリッピアーの方がマシそうという状況に。

 エゼの投入でさらにライン間の住民を増やすこととなったイングランド。最後までスムーズなレーン整理ができないまま追加タイムに突入する。「全然うまくいっていないけどもなんとかなれ!」というベンチとファンの願いを叶えたのはベリンガム。ロングスローからのアクロバティックなゴールでチームを救う。

 さらには延長前半ではセットプレーからケインが一発回答。90分間での決定機逸をチャラにするゴールで早々に逆転する。

 イングランドはこの日一番の組織力を発揮し、あっという間に5バックに移行。エゼとサカのWB、パルマーとベリンガムのIHという点をとりに行くことにフォーカスした面々で自陣を固める意味がどこにあるかはよくわからないし、後半にはほぼ敵陣に入ることすらままならなかったスロバキアに進んでボールを渡して自陣に丁重に迎え入れる意味も個人的には全くわからなかったのだが、まぁとにかく5バックに迷いなく移行することができたことはいいことなのだろう。たぶん。

 落ち着いたキャッチングで慣れ親しんだ塹壕戦に立ち向かうピックフォードと雑なロングボールでも収めることができるトニー。イングランドの心の故郷はエバートンであることを感じる延長戦を過ごしたイングランドは余力のないスロバキアの追撃を振り切って勝利。今大会初の延長戦を劇的な形で制した。

ひとこと

 ふにゃふにゃでも祈れるものがあるということは前日のイタリアを見ていると幸運なことのように思える。

試合結果

2024.6.30
EURO 2024
Round 16
イングランド 2-1 スロバキア
アレナ・アウフシャルケ
【得点者】
ENG:90+5′ ベリンガム, 91′ ケイン
SVK:25′ シュランツ
主審:ハリル・ウムト・メレル

総括

強豪のケツを叩く役回りを完遂

 大混戦のグループEを通過したスロバキア。そもそも波乱が多いグループではあったが、その中では最も落ち着きがあったチームといえるだろう。

 この大会では目立ったのは強豪のケツを叩くような役回りである。開幕戦の相手となったベルギー、そしてRound16で激突したイングランドは程度こそ違えど、どちらもスロバキア以降の試合では勢いを持ち直すことに。効能がある温泉のような不思議な働きを見せていた。

 ベルギーとの初戦は快勝と相手の不甲斐なさばかりが取りざたされる風潮だったが、スロバキアの立ち上がりのバタバタ感も相当なものだった。WGの外切りプレスにインサイドが呼応せず、縦パスをバシバシ通されることを許し、ルカクとのラインの駆け引きには完敗。ドクが自陣でリスクだけが高い謎のドリブル突破を試みていなければ、あっさりと失点したまま沈没していた可能性もある。

 それでもそのベルギー戦で先制点が入ると息を吹き返した感が出てくるように。中盤でのマークを外さないことを前提に、3トップは高い位置からのチェイシングを繰り出すことができるなど以降は実直さを武器にした試合運びを生かして、強豪たちを苦しめる試合を演出する。

 特にアンカーのロボツカのパフォーマンスは秀逸。苦し紛れにデ・ブライネが適当につけた縦パスや、ライン間の住人ばかりを並べてきたイングランドに対して、きっちりとパスを回収。タイトなスロバキアの中盤のリーダーとして見事に君臨した。

 カウンターに打って出るところに関してもクオリティは十分だろう。CFのストレレツはイングランドのCBコンビ相手でもボールを収めることができていたし、3得点でちゃっかり大会の得点王も獲得している。

 左のWGのハラスリンもインパクトを残した。果敢なドリブル突破は得点に絡んでいく匂いを十分に感じさせるもの。撤退ベースのチームの中で少ない手数で攻め切る武器としてきっちりと存在感を見せたといっていいだろう。

 ボール保持ではシュクリニアルの対角パスによって相手を広げるアクションがかなり効いていた。この対角パスから広げて外から縦関係で勝負するのは自陣からの保持の流れとしてテンプレ化していた。

 比較的弱点が少ないチームだなと感じたが、あえて気になるところを指摘するとしたら撤退守備の強度だろうか。左SBのハンツコはルーマニア戦であっさりとPKを与えてしまったし、ベルギー戦とイングランド戦では成功したといってもこの2試合は相手のパフォーマンスがいくら何でも悪すぎる。ロボツカより前で回収できたことが大きな要素なので、ここより先に進めるチームであれば、クオリティが問題になってくる可能性もある。総じて万能で弱みが少ないチームだと思うが、耐久性にはやや未知数なところを残したまま大会を去ってしまった。

Pick up player: ダヴィド・ストレレツ
 ストーンズとグエイであれば背負えちゃうので、今大会でプレミア印の認証を受けることができたかもしれない。

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