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「EURO 2024 チーム別まとめ」~イングランド代表編~

目次

代表メンバー

▽GK
ジョーダン・ピックフォード(エバートン)
13 アーロン・ラムズデール(アーセナル)
23 ディーン・ヘンダーソン(クリスタル・パレス)

▽DF
カイル・ウォーカー(マンチェスター・C)
ルーク・ショー(マンチェスター・U)
ジョン・ストーンズ(マンチェスター・C)
マーク・グエヒ(クリスタル・パレス)
トレント・アレクサンダー・アーノルド(リバプール)
12 キーラン・トリッピアー(ニューカッスル)
14 エズリ・コンサ(アストン・ビラ)
15 ルイス・ダンク(ブライトン)
22 ジョー・ゴメス(リバプール)

▽MF
デクラン・ライス(アーセナル)
10 ジュード・ベリンガム(R・マドリー)
11 フィル・フォーデン(マンチェスター・C)
16 コナー・ギャラガー(チェルシー)
24 コール・パーマー(チェルシー)
25 アダム・ウォートン(クリスタル・パレス)
26 コビー・メイヌー(マンチェスター・U)

▽FW
ブカヨ・サカ(アーセナル)
ハリー・ケイン(バイエルン)
17 イバン・トニー(ブレントフォード)
18 アンソニー・ゴードン(ニューカッスル)
19 オリー・ワトキンス(アストン・ビラ)
20 ジャロッド・ボーウェン(ウエスト・ハム)
21 エベレチ・エゼ(クリスタル・パレス)

■監督
ガレス・サウスゲート

GS 第1節 セルビア戦

ヤキモキする「いつもの」イングランド

 イングランドの初陣はセルビア。ミトロビッチ、ルキッチなどフラムにゆかりのある面々との対戦からスタートとなった。

 セルビアの陣形は5-4-1。シャドーの2枚がかなりナローに守っているのが特徴の1つでもある。イングランドのバックラインにプレスをかけることはしなかったため、イングランドが一方的にボールを持ちながら勝負を仕掛けることができていた。

 イングランドは列を降りるアクションからズレを作ろうとする。CHのライス、アレクサンダー=アーノルドという大きな展開を持っているCHがバックスに入って自由にボールを受けたり、あるいはトップ下のベリンガムが左サイドに降りるアクションでセルビアの中盤と駆け引きをする。

 ややDF-MF間が間延びするケースはあるものの、セルビアはジリジリラインを下げつつ中央を固めることにトライ。ライン間のフォーデンやベリンガムに対しては最低限ファウルで止める対応ができていたので悪くはないなという感じだろうか。

 目先を変える必要があったイングランドはより外からの攻め手で先制。ウォーカーからの背後のパスに大外から抜け出したサカがギャップを作り、ケインの背後に侵入したベリンガムへのクロスからゴール。途中で相手選手に引っ掛けることでよりクロスがピッタリ合うという幸運も手伝いイングランドが先制する。

 クロスがあったのは幸運の手伝いがあったが、クロスのきっかけとなったサカとコスティッチの1on1はサカが完勝であり、クロスが上がったこと自体は偶然ではない。むしろ、1on1をセルビアが受け入れてくれる分、イングランドが確実に勝利を収めつつ、相手のバックスを乱しながら勝負を仕掛けられるセクションだった。左の大外を取ったところからの攻撃はうまくいっていなそうなイングランドだったので、サカのマッチアップは命綱と言っても良かった。

 失点したセルビアは少しずつボールを持つ時間が出てくるように。ただ、トップに当てるだけでは起点を作るのは難しいのは立ち上がりの15分で分かったため、ショートパスからの繋ぎでキッカケを探る。

 CHが降りて相手の中盤を引き出そうとする試みはイングランドと同じ。ただし、イングランドの中盤にはライスがいるので、彼の手が届かないところを作るとなれば、アレクサンダー=アーノルドとベリンガムの両方をきっちり自陣に引き出す必要がある。

 イングランドの中盤との駆け引き自体は行っていたセルビアだったが、ライスの背後に起点を作って進むことを機能的に行うところまでは昇華することができず。1on1で期待できそうなWBのところも左のコスティッチが負傷するなど計算外が続く。終了間際に右に流れたルキッチのクロスまで得点の匂いがするチャンスは待たなければいけない前半となった。

 後半、セルビアはグデリに変えてイリッチを投入。ミリンコビッチ=サビッチをトップ下において、ヴラホビッチをSH仕事から解放。2トップ+トップ下で敵陣からプレスをかけていくように。イングランドは相変わらず撤退ベースの非保持だったので、セルビアが保持を多く行う状況。景色は前半の終盤に近いままだったと言っていいだろう。

 セルビアがプレスで敵陣に出ていく頻度が増えた分、イングランドはカウンターのチャンスはありそうな感じ。ただし、背負うケインやサカへのサポートが遅く、セルビアが前に出てきた分のスペースはフイにしていた感がある。前半に優位を取っていたサカのところはCBのパヴロヴィッチが対応するようになってから圧倒するのは難しくなっていた。

 かといって、自陣での守備が固いわけではなく、サイドのハーフスペース付近から裏を覗く形でセルビアから押し下げられる形が頻発。ピックフォードの仕事はほぼエバートンと変わらなかったし、それであればブランスウェイトを呼んだ方が良かったのではないかと思った。

 セルビアで少し気になったのは左右に自由に動き回るミトロビッチ。クロスのターゲットとして中央に立っていた方がいいのではないかと思ったが、ストイコビッチは自由に動き回る役割を残して、タディッチで選手の方を最適化する道を選んだ。これで左右のサイドの崩しはさらに強化されたように思う。

 セルビアが残念だったのは早めの選手交代にも関わらず、スコアを動かせなかったこと。70分が過ぎればさすがにプレスの足が止まる。イングランドが明確にカウンターの道筋を描いたわけではないけども、中盤を入れ替えたことで出足で上回り少なくともファウルを取ることはできていた。

 多くの苦しい時間を耐え凌ぎ、なんとか勝ち点3をもぎ取ったイングランド。見る側が内容に疑問を感じながらも淡々と勝利を挙げていくいつものグループステージのイングランドの姿がそこにはあった。

ひとこと

 豪華な塹壕戦がサウスゲートの合言葉なのは間違いなさそうだけども、今大会はバックスの人選がそれにあっていなさそうなのは気になるところ。マグワイアの離脱は計算外だったのかもしれないが、それでももう少しやりようはあったように思えたが。

試合結果

2024.6.16
EURO 2024
グループC 第1節
セルビア 0-1 イングランド
アレナ・アウフシャルケ
【得点者】
ENG:13′ ベリンガム
主審:ダニエレ・オルサト

GS 第2節 デンマーク戦

低調なイングランドを前に勝ちきれなかったデンマーク

 スロベニアとセルビアが引き分けに終わったこともあり、イングランドは勝てば首位のご祝儀がついた突破が決定する一戦となる。

 デンマークは似たメンバー構成ながらもエリクセンとウィンドをシャドーのように運用する3-4-2-1に変化。少し守備の局面への重心を増やしたスタートとなった。

 イングランドはベリンガムがビルドアップで低い位置から関与。フォーデンは初期位置は外に立っていたが、トリッピアーが上がるとすぐに絞り、いつものようにライン間の住人の役割に移行。サカのサポートのために右サイドに流れたシーンが前半一番のインパクトであることを踏まえれば、初期位置だけで大外ロールとしてしまうのは少し違うかなという感じもする。

 先制点は右サイドから。サカばかり警戒しながらボールをプロテクトしようとしたクリスティアンセンの死角から忍び寄ったウォーカーがボールを奪取。ここからの折り返しは少し引っかかったが、最後はケインが沈めてイングランドが先制する。

 これで勢いに乗ったかと思われたイングランドだが、以降は自陣で受けるシーンが増えるように。ボックス内では流石の強さを見せたイングランドであったが、デンマークのMF陣のポジションの動き直しを捕まえることができず。エリクセン、ホイビュアなどはかなり動き回っておりイングランドを撹乱していた。

 撹乱役の1人であるヒュルマンドが素晴らしいミドルを決めてデンマークは同点。ケインのパスをカットしたところからイングランドが得意なボックス内の対応をスキップしてデンマークはタイスコアに引き戻す。

 以降もデンマークMF陣に対して後手になるシーンが続くイングランド。奪った後のプレーの判断も悪くデンマークの即時奪回の餌食になっていたのも印象が悪い。タフなファウルの基準もイングランドの陣地回復に対しては重荷になった。先制点以降はイングランドにあまりいいところがなかった前半だったと言えるだろう。

 後半の頭も展開は継続。デンマークが保持で支配をしつつ、より敵陣からのプレスを強気に行うことで圧力をかけていく。高い位置まで奪いにくる分、イングランドにはトランジッションからひっくり返すチャンスがあったが、ここはプレー精度のところで難があり、カウンターを完結することができない。

 デンマークはMFを増やす交代をすることでさらに強気のプレスを敢行。交代で入ったギャラガーを狙い撃ち。自陣ではライスやウォーカーも軽率なミスが出ており、この辺りはシンプルに選手の出来の低調さを感じられた。デンマークは敵陣での細かいポゼッションでの駆け引きは少し減った分、プレスから一気に傾れ込むダイナミズム重視のスタイルになった。

 悪い流れの中で思い切って前線のメンバーを入れ替えるという意外なシャッフルを試みたサウスゲート。ワトキンスの動き出しなどは確かにゲームを動かすアクセントになっていた。だが、アレクサンダー=アーノルドを下げた後に前線の動き出しに一発で合わせるフィードが要求される展開になるのはなかなかにミスマッチ感がある。

 勝ち点に劣るデンマークの方が最後まで強引にゴールを狙いに行った感があるが、ボックス付近での緩いプレーが散見されるイングランドのプレーを咎めることができず。勝ち切ることができないまま、このグループ3試合目のドローゲームとなった。

ひとこと

 勝って最終節に向けて優位を取りたかったのはデンマークかなという感じ。イングランドは引き分けでも最終節に向けて悪くはないので、テストも伴った交代をすること自体は悪くないが、中盤を落ち着かせるゲームメーカーと左の幅取り役がいた時の変化みたいなのは見ておきたかった感もある。

試合結果

2024.6.20
EURO 2024
グループC 第2節
デンマーク 1-1 イングランド
フランクフルト・アレナ
【得点者】
DEN:34′ ヒュルマンド
ENG:18′ ケイン
主審:アルトゥール・ディアス

GS 第3節 スロベニア戦

何もない1ポイントの先の歓喜

 オランダ、フランスと同じく4ポイントで突破を決めたイングランド。重要なのは通過順位。2位だと厳しい山に放り込まれるだけにここはすんなりとスロベニアを下したいところだろう。

 スロベニアのフォーメーションはお馴染みの4-4-2。イングランドのバックスにはプレスに行かず、守備はライスを2トップで管理しながらのスタートとなる。

 確かにこの4-4-2相手にめちゃめちゃ工夫があったわけではないのだが、それにしても個人に帰属するミスが多すぎる。バック4に加えて、ライスとギャラガーは安定感がない。グエイやストーンズ、ライスは普段のクラブでは考えられないレベルのミスを連発し、攻撃を寸断していた。

 良かったところといえばサカとウォーカーの縦関係はそれなりに計算できそうなところと、左のユニットがこの日は彼らなりに幅をとろうという意識が見られたところだろう。サカがネットを揺らしたシーンはフォーデンとトリッピアーが大外からライスとの関係性を使いながら抜け出すところからラストパスが出ている。

 それでも全体を見れば機能性はまだまだ。ケインとベリンガムが沈黙し、フォーデンは力みのあるプレーが多く、前線もまた噛み合わない状況が続いていた。

 ではスロベニアが良かったかと言われるとまた話は別。ミス待ちで前進できる攻撃はともかくとして、守備では2トップの誘導が効かずプレスバックも甘め。後方の4-4-2のブロックの網目も粗く、イングランドの焦りと強引さがなければ簡単に自陣ゴールに迫られてもおかしくない状況だった。アタッキングサードでの迫力も出せず、軽さのある2トップはイングランド相手に存在感を出すことができなかった。

 後半、イングランドはギャラガーに代えてメイヌーを投入。これで中盤に動かしながら押し込む概念がようやく生まれた感じ。保持の局面はかなり整った感があり、スロベニアは前半以上に前進が苦しくなるように。

 遅れて(ようやく)入ってきたパルマーとの連携も良好だったメイヌー。サカ、ウォーカーの直線的な二人称での崩しと比べると旋回とポジションチェンジが多めなまたテイストの異なるサイドの崩しを見せていた。

 左サイドで入ったゴードンもファン待望の幅の取れる選手。本当に僅かな時間ながら降りたところから長いレンジのパスを使って局面を一気に前進させてみせた。

 しかしながら、それ以外のポイントではなかなか言及したくなるシーンがとても少なかった試合。だけども、スロベニアにとっては大事な1ポイント。何も得点が生みだせなかった彼らが終了後に大喜びする姿を見ればわかるように、この1ポイントは決勝トーナメントへのゲートが開く大きな1ポイントだったのである。

ひとこと

  割と何も解決しないままGSを終えてしまった感があるイングランド。メイヌー、パルマー、ゴードンのテストを受けてむしろ序列は不透明になった感もある。ノックアウトラウンドで入れ替えがあるのか、それともマイナーチェンジと言える改良にとどまるのかは注目である。

試合結果

2024.6.25
EURO 2024
グループC 第3節
イングランド 0-0 スロベニア
ケルン・スタジアム
主審:クレマン・トゥルパン

Round 16 スロバキア戦

祈りに応えたベリンガムと刻まれたエバートンのDNA

 スコア推移的には危なげなくGSを突破したが、内容にザワザワするというもはやビッグトーナメントではお馴染みと言っていい状況となっているサウスゲートのイングランド。すでに今大会ではトチったビッグネーム駆逐に成功しているスロバキアがRound 16の対戦相手である。

 スロバキアは4-1-4-1がベースのフォーメーション。CBは1人余らせて、あとは人基準で守ればOKというスタンス。イングランドはこのスロバキアのオーソドックスなプランに大苦戦。フリーのCBがボールを持っても誰も出しどころがなく、相手を動かすことができない。余ったストーンズが何もできないというのはプレミアファンからすれば信じられない光景である。トリッピアーのおかしなパスミスの尻拭いからグエヒが警告を受けるなどイングランドは散々な立ち上がりだった。

 一方のスロバキアは少ない手数で確実に前進。ボールを奪うと素早い縦のカウンターに後方からSBの積極的なオーバーラップから勝負を仕掛けていく。さらには左サイドでズレを作ることも成功。ストレレツへのロングボールの落としからハラスリンの縦に鋭い動きから一気にゴールに迫っていく。

 攻撃のメカニズムを確立したスロバキアは先制点まで到達。右サイドでクツカの前線への飛び出しからイングランドの守備基準を乱しつつ、ストレレツのポストからシュランツがゴールを奪う。イングランドは構造的にもかなり動かされてしまったし、そもそもストレレツにかなり収められるというイングランドのCB陣のフィジカル的な劣位も感じた序盤戦となった。

 なんとかしたいイングランドだが、ずらしながらの前進ができずに苦戦。横断からのトリッピアーという形からほんのり手応えを感じなくもないが、スロバキアのスライドとリトリートのブロックをなんともできないままハーフタイムを迎えることに。

 後半も展開は同じ。押し込む状況からイングランドは解決策を探る。前半に比べるとイングランドはゴールに迫る立ち上がりとなる。スロバキアの3センターの脇を通せるような縦パスを仕掛けることで中央に起点を作り、左右に揺さぶることができるように。スロバキアはロボツカの壁を越されるシーンが増えてくるように。

 サカ→ケインの斜めのパスがようやく通ると、逆サイドのトリッピアーからの折り返しをフォーデンが仕留めてネットを揺らす。だが、これはオフサイド。確かにトリッピアーからのパスコースを作るには少し前に出ていた方が都合がいい気がするが、普段からすればこれもオフサイドに引っかかるようなポジションをとっているのが意外という感じである。

 攻め込むも悪くない状況を構築できるようになったイングランド。だが、ゲンナリするパスミスから押し込む流れをあっさりと手放してしまう。

 停滞した状況に加えて左の大外のトリッピアーが負傷と利き足的なものあたりなさを見せるとついにSBのサカを解禁する。しかしながら、いつもよりプレーエリアを外に追いやられた感のあるパルマーはGSのような輝きを見せることができず。左で幅取り役となったサカにはボールがそもそも届かず、まさかのトリッピアーの方がマシそうという状況に。

 エゼの投入でさらにライン間の住民を増やすこととなったイングランド。最後までスムーズなレーン整理ができないまま追加タイムに突入する。「全然うまくいっていないけどもなんとかなれ!」というベンチとファンの願いを叶えたのはベリンガム。ロングスローからのアクロバティックなゴールでチームを救う。

 さらには延長前半ではセットプレーからケインが一発回答。90分間での決定機逸をチャラにするゴールで早々に逆転する。

 イングランドはこの日一番の組織力を発揮し、あっという間に5バックに移行。エゼとサカのWB、パルマーとベリンガムのIHという点をとりに行くことにフォーカスした面々で自陣を固める意味がどこにあるかはよくわからないし、後半にはほぼ敵陣に入ることすらままならなかったスロバキアに進んでボールを渡して自陣に丁重に迎え入れる意味も個人的には全くわからなかったのだが、まぁとにかく5バックに迷いなく移行することができたことはいいことなのだろう。たぶん。

 落ち着いたキャッチングで慣れ親しんだ塹壕戦に立ち向かうピックフォードと雑なロングボールでも収めることができるトニー。イングランドの心の故郷はエバートンであることを感じる延長戦を過ごしたイングランドは余力のないスロバキアの追撃を振り切って勝利。今大会初の延長戦を劇的な形で制した。

ひとこと

 ふにゃふにゃでも祈れるものがあるということは前日のイタリアを見ていると幸運なことのように思える。

試合結果

2024.6.30
EURO 2024
Round 16
イングランド 2-1 スロバキア
アレナ・アウフシャルケ
【得点者】
ENG:90+5′ ベリンガム, 91′ ケイン
SVK:25′ シュランツ
主審:ハリル・ウムト・メレル

QF スイス戦

対策を打ったイングランドがスイスに立ちはだかる

 劇的なベリンガムのゴールでベスト16は地獄から蘇ってきたイングランド。準々決勝ではイタリアを一蹴したスイスとの一戦に臨む。

 フォーメーション変更が報じられたイングランドだったが、確かにスイスに合わせてチューニングをしてきたと感じる配置になっていた。非保持はミラー気味の3-4-2-1。スイスの布陣に噛み合わせて敵陣ではマンツー気味に追い回す。ただし、微妙に受け渡しは発生しているので、完全なマンツーではない感じであった。

 キーになるのはスイスの左サイドだろう。大外にバルガスを置き、アエビシェールはフリーマン気味、エンボロも初期配置左に流れてズレを享受しようとした。

 スイスの保持はこの左サイドの可変を使えるかがポイント。ここをすっ飛ばしてとりあえず最終ラインに蹴ってもまず回収されてしまう。蹴らせるためにイングランドはフォーデンが二度追いを仕掛けてアカンジやゾマーの時間を奪いにプレスに行く。

 スイスからすると、フォーデンの二度追いはロドリゲスのところが開くので、スイスとしてはここに届けられれば可変を使える公算は強まる。この可変を使うための保持の引き出しはさすがであった。根性でロドリゲスにボールを届けるまでショートパスを交換していたし、右サイドからアカンジがキャリーしたりなど、味を変えながら勝負することができていた。

 こうなると、スイスは敵陣に侵入できるので、イングランドは自陣側のリトリートの守備にシフトチェンジ。5-4-1で自陣での守りに専念する。立ち上がりは大外からラインを下げられてしまう形を作られると少し脆そうだったが、ここは時間の経過とともに慣れた感じがある。

 イングランドは保持でも少し整理された感がある。後方は4バックになるケースと3バックになるケースが共存。ウォーカーがCBとして振る舞うか、SBとして振る舞うかで決まる形であった。

 前進のキモになるのは前線の降りるアクション。ケインやフォーデンの降りるアクションから対角へのパスで大外から勝負を仕掛ける。1on1の行き着く先になっていたのは右のサカ。1on1であればアエビシェールには間違いなどアドバンテージは取れる。折り返しの精度はもう一つだが、明らかに武器になっていた。スイスはバルガスがリトリートしてダブルチームを取れるかが抑えるための要素になる。4になればイングランド側はウォーカーのサポートもできるので、ここは枚数調整によって厚みの変化が見られた。

 悪くはないイングランドは攻め手の多様さという点では疑問を残したと言えるだろう。右のサカ以外では攻撃のレパートリーは中央でボールを引っ掛けてのライスとメイヌーを使ったカウンターくらい。前半にスイスが水際で踏ん張れる要因の1つになったと言えるだろう。

 後半も流れとしては同じ。スイスの保持に対して高い位置からイングランドが阻害をかけるという構図。スイスが少し早い段階で前線に蹴るという点が変化といえば変化。ここはウォーカーやコンサといったバックスの迎撃性能が目立つ展開となる。

 スイスは少しずつ保持から解決策を探りに行く。ジャカが縦パスのコース探しにフォーカスしたり、トランジッションから右サイドを縦に進んでみたり、あるいはゆったりと左右で幅をとってみたりなどの工夫でイングランドを徐々に押し込んでいく。

 そして、前半はあまり使わなかった右サイドから先制したスイス。右サイドからの鋭いクロスのこぼれ球をクリアしきれずにエンボロがゴールを仕留める。処理が難しいボールだったことは確かだが、スイスのバックスがサカの鋭いクロスを延々と弾き返したことを考えれば、ストーンズにはなんとかしてほしかった感もある。

 追い込まれたイングランドは3枚替えを敢行。ベリンガムが残るのか、残らないのか問題に見ている側も混乱しているうちにサカがスーパーゴールを決めて試合を振り出しに戻す。これで試合は延長戦に突入する。

 終盤までオープンな90分だったが、それでも延長戦は慎重。5-4-1のブロックに対して、ゴール前で攻める局面をターン制で迎える形となった。決定機が全くないわけではなかったが、散発的にやってきたチャンスを仕留められればいいな!という程度であり、基本はPK戦に向けて陣容を整えながら30分を過ごしていた。

 PK戦を制したのはイングランド。各チームの名キッカーを揃えての堂々たるキックを披露し、名手ゾマー相手にパーフェクトを達成。ベスト4に駒を進めた。

ひとこと

 スイス対策色が濃かったながらもこれまでの試合に比べればイングランドのやりたいことの解像度が爆上がりしたのは良かったように思う。特に高い位置からの制限は他の強豪国との差別化になる部分だと思うので、スイス以外の相手にもここを実装できるかが残り2試合のポイントになるだろう。

 引き出しが多いスイス、とても好きなチームだった。2年後も楽しみである。

試合結果

2024.7.6
EURO 2024
Quarter final
イングランド 1-1(PK:5-3) スイス
デュッセルドルフ・アレナ
【得点者】
ENG:80′ サカ
SWI:75′ エンボロ
主審:ダニエレ・オルサト

SF オランダ戦

塹壕戦を待ち受けたイングランドが生み出したファーへのシュートコース

 スペインの待つ決勝に向けて勝負するのはイングランドとオランダ。ドルトムントの地で決勝に向けてのもう1枚の切符を争う戦いに直面する。

 立ち上がりにボールを持つのはイングランド。バックラインが自由にボールを持てる状況から解決策を探る。しかしながら、中盤の守備はタイトだったオランダ。特にメイヌーとライスには厳しくチェックをかけていく。

 その中盤へのチェックが効いたのがオランダの先制点の場面。ライスへのハントが成功したシモンズが素晴らしいゴールで試合のオープニングを飾る。

 しかしながらオランダの中盤は前向きなタイトな人への守備は得意な一方で、後方のスハウテン周辺のスペースはかなり間延びしてる感があった。このスペースでケイン、ベリンガムといった前線の選手が降りることでポイントを作っていく。

 中でも効いていたのはサカ。切れ目に顔を出すタイミングも上手いし、アケとの勝負から逃げるためにも中盤に顔を出して前を向くという形は有望。オランダはサカが持っている時のボールの雲行きが見えていない感じがしており、横パスなどの次の一手を塞ぐことができなかった。

 中盤に縦パスを受けるポイントを作ることでリズムを作るイングランド。すると、ケインのシュートにアフター気味で突っ込んだダンフリースがPKを献上する。ケインがこのPKを難なく仕留めて試合は振り出しに戻る。

 このゴール以降もイングランドはオランダのDFライン前に降りるアクションを見せることでポイントを作る。右のハーフスペース付近でフォーデンが生き生きし始めたのはようやくといった感じ。

 オランダもデパイが降りるアクションをすることで、イングランドの中盤の背後に起点を作ることができていた。だが、そのデパイが負傷。フェールマンを入れて3センター気味に変化する。

 この変化によってオランダはライン間のスペースを埋める方向性にシフト。多少はイングランドに自由を与えていた場所をケアすることができていたが、全体の重心が下がった分、自分たちも攻撃に打って出ることができない状況になっていく。

 後半のオランダはベグホルストを投入。もちろん、前線のターゲットとしてという側面はあるだろうが、守備をきっちりやるというベグホルストの特性と彼が中盤からの守備基準の起点に設定したことを踏まえると、クーマンは前半の途中からのライン間を封鎖するという方向性をさらに強めるという方向性だろう。

 これにより、イングランドのライン間アタックは完全に停滞。イングランドは前半頭のようなチャンスがない状態になる。

 もっとも、この状態にイングランドが困っていたかは不明である。オランダが仕掛けてきた塹壕戦での我慢比べはイングランドにとっては得意分野。選手層という物量で相手を兵糧攻めにするのはサウスゲートの十八番と言ってもいいくらいである。

 しかも、オランダはベグホルスト以降はノーインパクトだったベルフワインか、実績を作れていないザークツィーとブロビーくらいしかゲームチェンジャーがいないのが苦しいところ。時間経過とともに苦しくなるのはオランダの方というサウスゲートの考え方は少なくとも今日はピンとくるなという感じである。

 というわけで停滞した状況を受け入れたイングランド。オランダは左サイドのガクポからベグホルスト+ダンフリース、セットプレーではここにファン・ダイクが加わる形からチャンスを狙っていく。 しかしながら、このピンチをストーンズやピックフォーtドというエバートンの血を引く者たちの活躍によって防衛すると、少しずつポゼッションを回復することで反撃に出るとワトキンスとパルマーを投入し、前線をリフレッシュする。

 この交代策に応えた両者。パルマーのパスからサイドに抜け出したワトキンスが均衡を破るシュートを角度のないところからゴールを決めて後半追加タイムに試合を動かす。この試合後にはキエッリーニの下記の解説が話題になった。

 逆に言えばワトキンスはこうしたゴールが多いので、角度のないところからDFを滑らせて空いた股を利用してファーに打ち切ることを狙っているということだろう。強烈な足の回転とインパクト十分のシュートが備わっているからこそのゴールであった。

 土壇場のゴールで延長突入を回避したイングランド。オランダを下し、2大会連続の決勝に駒を進めた。

ひとこと

 今大会でプレータイムに恵まれなかったワトキンスが一発回答を見せていた。試合勘のない状態だったと思うが、プレミアで見せる高い次元での安定感はこの日も健在。見事にチームを勝利に導いてみせた。

試合結果

2024.7.10
EURO 2024
Semi-final
オランダ 1-2 イングランド
BVBシュタディオン・ドルトムント
【得点者】
NED:7′ シモンズ
ENG:18′(PK), 90′ ワトキンス
主審:フェリックス・ツバイヤー

Final スペイン戦

決勝点は塹壕戦の壁を築く前に切り拓く

 ここまで全勝。誰もが納得の強さでファイナルまで進んできたスペイン。史上最多の4回目の優勝を目指す彼らに立ちはだかるのは2大会連続で決勝まで辿り着いたイングランド。やいのやいの言われながら悲願の初優勝に手をかけているサウスゲートのチームが立ちはだかる。

 構図はすんなり決まった。スペインがボールを持ち、イングランドが受ける。ほぼ駆け引きなしでこのフェーズに辿り着いた感があった。イングランドの色が出たとすれば、フォーデンをがっちりロドリにつけたというところだろう。そこも含めて最もオーソドックスなスペイン対策でスタートしたと言っていい。

 スペインはズレを作るところ探しを始める。初手は左WGのニコ・ウィリアムスを活用。1枚剥がしてインサイドに入り込む場面を作るが、ライスやストーンズの素早いカバーリングが光り、なかなかこじ開け切ることができない。

 受ける前の段階でズレを作ることができればウィリアムスは勝負ができるが、ウォーカーと正対すると置き去りにするのは難しい。ここまでスペインの大きな武器になっていたWGの質的優位を消し去ってしまうあたりはさすがである。

 さらには逆サイドでも大外ではヤマルにショウが対応。完全にヤマルの大会になりつつある空気なのだが、それと逆行するかのようにストッパーとしての役割を果たした。

 スペインは移動を織り交ぜることで少しずつ対応をしていく。ファビアンが引いてできたスペースにヤマルが絞ってきたり、オルモが逆サイドに顔を出したりなど、ここまでの試合で見せた顔を使いながら瞬間的にフリーの選手を作っていく。

 イングランドの選手の対応は見事で瞬間的にできたスペインの構造的なギャップを後追いできっちり消し切って見せていた。この辺りの非保持でのトラブル対処はイングランド代表の面々がかなりしなやかに対応しているなという印象だ。

 イングランドが保持に回った際にはまずはサカのマッチアップを狙うスタート。こちらもククレジャとのマッチアップはボールを受ける体勢が重要。サカからすれば正対することができればククレジャ相手に十分な駆け引きはできる状態であった。

 ウォーカーのオーバーラップなどのサポートもあり、サイドから深さを作ることはできていたイングランド。しかしながら、グラウンダーでボックス内に折り返されるクロスはDF陣に先回りされていたし、マイナスでバイタルから狙う形はロドリが爆速の押し上げですべてシュートブロックに入るという大立ち回りを見せて無効化されていた。

 ケインがカードをもらってからは前線でベリンガムがロングボールのターゲットとして暗躍して深さを作る。だが、この形もイングランドの攻撃の軸とはなりきれず散発的な攻撃が続くことに。試合はお互いにチャンスが作れない堅い展開のままハーフタイムを迎える。

 迎えた後半、スペインにアクシデントが発生。ロドリの負傷でハーフタイムからスビメンディが投入されることに。これでフォーメーションはファビアンを下ろした4-2-3-1にシフトすることとなる。

 ロドリの不在により困ったのはスペインよりもイングランドだった。ベースの陣形は変わってしまったし、キーマンはいなくなってしまったけども、中盤はマンツー気味に捕まえるという前提は4-2-3-1のままでも継続するべきか否か。

 イングランドの前線の守備基準が曖昧になっているうちに、つけ込んだのはカルバハル。対面のベリンガムの背後を取ると、絞るヤマルにボールを届けることに成功。前半からヤマルが絞るケースはあったが、ここまで綺麗にライスの背中を取るケースはおそらく初めてだろう。中盤に穴を空けたヤマルはそのまま逆サイドに展開。ガラ空きになった左からニコ・ウィリアムスがゴールを仕留めて先行する。

 イングランドはこのゴールを受けて前に出るプレスでいく腹を括ることができたようであった。バックスにプレスをかけてウナイ・シモンが危ういキックを蹴らなければいけない状況を作り出していく。その分、イングランドは中盤の背後が空くので、このスペースをスペインのIHやWGに使われる場面が多く見られていた。

 それでも前プレ起動の甲斐があって敵陣に押し込む機会を作ったイングランド。バイタルエリアで金棒を振り回しているロドリはいなくなったので、こうなると前半よりは有望な攻撃が見えてくるイングランドであった。

 その流れに乗るようにイングランドは右の大外のサカを起点にした攻撃で追いついて見せる。パルマーのフィニッシュもさることながら、サカにダブルチームに来ていたスペインに対して、間を通すベリンガムルートを開通させた攻略は見事。下のツイートで言うところの①の打開策を見事に実践して見せた。個人的には「あ、これこないだ習ったやつだわ」って思いました。

 イングランドは同点になるとサカをWBに下げる5-3-2にシフトする。サカは得点以降もイケイケで仕掛けられそうだったので、流れに乗らないんかい!とも思ったが、スペイン相手にハイプレスは絶対にやらなきゃダメな時以外は使いたくないという気持ちはわからなくはない。現に中盤の背後は使われていたし。

 しかしながら、イングランドは保持においてはサカが前に出ていく手筈だったので5-3-2を敷くにはフォーメーションを変えるための時間を稼ぐ必要がある。可変のための時間稼ぎができなかったのがオヤルサバルの決勝ゴールの場面である。スローインからの素早いリスタートでファビアン→オルモと縦パスをテンポよく繋がれてしまえば、サカが戻る時間を稼ぐことはできない。パルマー、ライスはそれぞれ対面の選手を捕まえるのが遅れてしまった印象だ。

 オヤルサバルの外へのパスはタイミング的に早く、かつパススピードは遅いかなと思ったが、ククレジャが質とタイミングがドンピシャなダイレクトクロスで帳消しにした。イングランドの陣形を築くスピードを上回る決め手となったクロスだった。

 終盤のイングランドは高さを生かした空中戦から決定機を迎えるが、これはシモンとオルモの連続ストップで回避。結果的にこれがイングランドのラストチャンスに。大ピンチを凌いだスペインが終盤は落ち着いて時計の針を進めて逃げ切りに成功。12年ぶり4回目のEURO王者に輝くこととなった。

ひとこと

 イングランドもスイス戦以降は悪くなかったように見えたけども、WGの大外優位が効かなかった際のその先の手数をきっちり見せたスペインはやはり強いなと思った。ヤマル、くれぐれも大怪我しないでおくれ。というわけでEUROお疲れ!!

試合結果

2024.7.14
EURO 2024
Final
スペイン 2-1 イングランド
オリンピア・シュタディオン
【得点者】
ESP:47′ ニコ・ウィリアムズ, 86′ オヤルサバル
ENG:73′ パーマー
主審:フランソワ・ルティクシェ

総括

脱皮しきれなかった塹壕戦ありきのスタイル

 俺たちのイングランド代表はまたしても準優勝。優勝トロフィーが相手に渡るのを憮然した表情で眺めるEUROを送ることとなってしまった。

 個人的には悪くない大会だったのかなとは思った。確かにGSとスロバキアとのRound 16までの4試合は超つまんなかったし、往年のイングランドらしい豪華なタレントを微妙な感じに押し込む系譜に入り込んだなという感じではあった。

 しかしながら、メイヌーの序列アップにおける保持局面の整理、3バックをベースとしたスイス対策、ワトキンスやパルマーを始めとしたベンチメンバーのパフォーマンスを鑑みての序列調整などノックアウトラウンドに向けてのギアアップはサウスゲートなりにはできていたのかなと思う。試合勘がない負傷明けのルーク・ショウは明らかに無駄な1枠だとずっと思っていたが、それさえもスペイン戦のパフォーマンスで価値があったことを示されてしまったなという感じである。

 もちろん、課題がないわけではない。左サイドの奥が獲れない問題、ベリンガムとフォーデンのライン間の住人の共存、起点として輝くことができないケインなど噛み合わない部分を残したまま大会を終えたのは事実だ。

 中でも個人的に気になるのはハイプレスへの取り組みである。イングランドの他の列挙国に対する強みはタレント力があるにも関わらず、前からプレスをかける時に重石になる大駒がいないこと。前からだけでなく自陣までもどることを厭わない守備の強度を前線のタレントが有していることである。

 イングランドが覇権を取るならここが直結してくるかなと個人的には思っていたし、スペイン戦での同点までの流れはその片鱗が見えただけに、そのあとはいつもの豪華な塹壕戦モードに戻ってしまったのは少し残念ではある。まぁ、スペイン相手にプレスを続けるのはしんどいし、同点ゴールも肉を切らせて骨を断つのように自分たちもある程度のやばい決定機を何とかしのいでのものだから、サウスゲートの気持ちもわからなくはない。確かにめっちゃ難しい。

 それでも、ハイプレスがキーになるだろうな!と個人的に思っていた大会だったからこそ、追いついてから店じまいを始めた結果、勝ち越しゴールを食らってしまうという結末はなかなかに重みがあるなと思う。いろんな意味でサウスゲートらしい幕切れになってしまったし、そういう大会として多くの人に記憶されるのだろう。

 次の監督が誰になるかはわからないが、国民が豪華な塹壕戦に失格の烙印を押したこの国の代表監督が世界でもっともタフな仕事であることは間違いない。結構、あっさり内紛が起きかねないチームだと思ったりしているので、2年後に「サウスゲートって案外よくやっていたね」っていう言説が溢れかえるような未来だけはなんとしても避けてほしいところだ。

Pick up player:オリー・ワトキンス
  目下の新監督のお仕事はCFの序列問題になるのかなと思った。やや攻撃の起点としてはできることが減ってきたケインとその点ではケインをもしのぐ行動範囲で活躍が見込めるワトキンスの取捨選択は非常に難しい。オランダ戦での劇的なゴールはプレミアファンであれば、だれもが見たことのある角度のあるコースからの力強いシュートによるもの。彼にとっては名刺のようなものだろう。

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