完璧な立ち回りで順当な勝利を挙げたアメリカ
立ち上がりは縦に速いラッシュでスタート。両サイドからのクロスで完結までもっていくことができるアメリカの方が優勢な序盤戦だった。
この序盤戦の勢いに乗ったアメリカは先制点をゲット。セットプレーでショートコーナーを選択するとプリシッチが角度のついたところからミドルであっという間に先制ゴールを決める。
先制点以降も試合の展開は大きくは変わらない。縦に速い展開で優位を握ったのはアメリカの方。プレスも3トップがボリビアのバックスに圧力をかけて蹴らせて回収に成功。ボリビアも中盤を空洞化させる3-1-6で何とか前に人を揃えようとしていたのだけども、WBもCFもボールの収まりどころにならずに苦戦する。
ならば自分たちもプレスからリズムを作りたいところではあるが、アメリカの対応は非常に冷静。中盤を絡めたショートパスから試合を動かしていったと思えば、ロングキックから一気に試合の景色を変える場面もあった。
中でも効果的だったのはWGが絞りながらライン間で受けるアクションだろう。特にライン間のプリシッチにボールが入るとアメリカの攻撃は一気に加速していく。ボリビアが強気にプレスに出て行ったことによって、アメリカはこの形を作れるように。バログンと段差をつけて絞るプリシッチはかなり厄介な存在であった。
そして、この形から2点目をゲット。縦パスを引き出したプリシッチから左にボールを展開すると、パスを受けたバログンが追加点を決めてさらにボリビアを引き離す。
ビハインドのままいいところがなかったボリビアは後半に4バックにシフト。左右に揺さぶりながらアメリカのプレスを振り回す立ち上がりを迎える。
アメリカは対応にやや慌てた感があった。マケニ―の警告などはボリビアの後半頭からの奇襲が決して無意味なものではないことの証左でもある。
しかしながら、縦に速い展開で主導権を握ったボリビアはその縦に速い展開でアメリカにやり返されるケースも出てくる。マケニ―→ウェアのパスでサイドのブレイクに成功すると、バログンにボールを渡してネットを揺らす。
これはオフサイドにはなったが、ボリビアの勢いを沈ませるには十分なものとなった。この一連のプレーを境に落ち着きを取り戻したアメリカは再び主導権を握る展開に。ボリビアも攻める機会がないことはなかったが、仕上げの精度を欠いてしまい、得点まで届かない時間帯が続く。
結局試合はそのまま終了。前半のリードを守り、後半の奇襲を鎮圧したアメリカが順当に白星を挙げた。
ひとこと
前線3枚の攻め切る力が強力なアメリカ。なかなか面白いチームである。
試合結果
2024.6.23
コパ・アメリカ 2024
グループC 第1節
アメリカ 2-0 ボリビア
AT&Tスタジアム
【得点者】
USA:3′ プリシッチ, 41′ バログン
主審:マウリシオ・マリアーニ