落とし穴にはまったエクアドルを崩し切ったベネズエラが逆転勝利
ボール保持を一方的に行うのはエクアドル。2人のCBをベースにCHが動きながらフリーになるルートを模索しつつ、ボールを動かしていく。ベネズエラが保持に回る機会自体は少ない展開ではあったが、一度ボールを持てばエクアドルの守備はベネズエラのCBを放置。かつ、ベネズエラの方が保持時のSBの位置が低く、ビルドアップに人数をかけていたので、後ろを重くボールを持つ探り合いといえる展開だった。
保持での解決策を求められる展開において先に解決策にたどり着きそうだったのはエクアドル。トップ下のパエスが中盤に降りて3センター気味に変化することで、徐々にベネズエラの中盤の守備に風穴を開けていく。
サイドに散らせる中盤での起点を作ったエクアドル。着々とゴールに手をかける算段が獲られているかと思われたその矢先にバレンシアが一発退場。まさかのタイミングで10人でのプレーを余儀なくされる。
数的優位を手にしたベネズエラ。押し込む展開にはなったが、すぐには圧倒的に攻める展開にはならず。エクアドルの攻撃はショートパスでズレを作ることからロングボール主体の手数が少ない攻撃にシフトしている感があった。
すると、試合を動かしたのは10人のエクアドル。セットプレーからサルミエントがゴールを決めて先制。数的不利を背負いながらも先にゴールを決める。
迎えた後半、ベネズエラはロンドンとカディスを並べることでがっちり2トップに変更。前半よりもさらに勢いを増す形で攻めていく。
押し込むフェーズが増えたベネズエラ。エクアドルが4-4-1で構えたこともあり、サイドからラインを揺さぶるアクションはできていた。エクアドルのカウンターはロドリゲスを使ったものであったが、必要であればどんどん中盤から列を下げて埋めるタイプの守備をしていた関係で厚みを出すのには苦労していた。
押し込む流れからようやくベネズエラは解決策を見つける。スローインのリスタートからぽっかりと中央に空いた穴を活用したベネズエラ。カディスの一瞬の隙をついたゴールでようやく追いついて見せる。
この勢いに乗ったベネズエラは一気に逆転まで。右サイドのクロスに合わせたロンドンのこぼれをベッロが押し込んでスコアをひっくり返す。
以降は2トップに戻したエクアドルの捨て身の攻撃が続くが、ベネズエラはこれをきっちりと受けきることに成功。優勢かと思われたエクアドルだったが、10人で守る時間を凌ぎ切れず、逆転負けを喫することとなった。
ひとこと
エクアドル、負けたけど面白いチームだったので次は11人できっちり通す試合を見たい。
試合結果
2024.6.22
コパ・アメリカ 2024
グループB 第1節
エクアドル 1-2 ベネズエラ
リーバイス・スタジアム
【得点者】
ECU:40′ サルミエント
VEN:64′ カディス, 74′ ベッロ
主審:ウィルマー・ロルダン