テンポを変えずにミッションコンプリート
グループAの最終節は突破をかけた大一番。カナダとチリの一戦は突破の可能性を残したチーム同士の直接対決である。有利なのは引き分けでも突破が可能なカナダである。
まずはカナダが右サイドを軸にボールを縦につけていく。縦に早く進んで行く立ち上がりである。非保持でもカナダのスタンスは同じ。バックラインからショートパスでボールを動かしていこうとするチリに対して2トップがプレスのスイッチを入れて脅かすことでテンポを上げていく。
チリも速いテンポの枠組みの中で対抗。2トップのスイッチ合わせて連動するカナダの2列目を外したところから横断することで前進していく。
テンポが速い状況で動きを見せたのは25分付近。右サイドの背後、ラリアへのロングボールからスアゾの退場でチリは10人に追い込まれてしまう。
相手が10人という状況を生かすというよりもカナダはアップテンポで勝負に出る形。よって、10人のチリが極端に押し込まれるという展開はなかった。
チリは人数の少ない中でも攻撃の手を緩めない。4-3-2にシフトすることで攻撃に出ていく人数を担保することで勝負を仕掛けていく。11人の段階でもサイドフローするサンチェスへのロングボールは使っていたので、特に少ない人数で攻め切ることには問題はなさそうである。
後半もカナダはファストブレイクを重視。あくまでカナダの前線のスピードを活かすことでチリのバックスを壊していこうという形にこだわっていく。時間と共にこの状況をがまずいとなるのは引き分けだと敗退が決まるチリ。ボールを奪い返すためにプレスにいくが、徐々に3センターの間が空き、カナダはショートパスからも前進が見込めるようになる。
終盤、ついにカナダの背後へのランが牙をむく。しかしながら、GKの攻守でチリはゴールを破らせない。ようやく仕留めたと思われたシーンでもオフサイド。なかなかトドメを刺すことはできない。
チリも押し返したところからセットプレーでチャンスを得るがこちらもゴールを破ることができない。結局試合はスコアレスのままタイムアップ。引き分けという突破条件を満たしたカナダがノックアウトラウンドへの進出を決めた。
ひとこと
もう少し落ち着いて処理する方法もあった気がするが、カナダはひとまずミッションをコンプリートした。
試合結果
2024.6.29
コパ・アメリカ 2024
グループA 第3節
カナダ 0-0 チリ
オーランド・シティ・スタジアム
主審:ウィルマー・ロルダン