Fixture
プレミアリーグ 第19節
2021.1.14
アーセナル(11位/7勝2分8敗/勝ち点23/得点20 失点19)
×
クリスタル・パレス(13位/6勝4分7敗/勝ち点22/得点22 失点29)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
近年の対戦成績
直近10戦でアーセナルの4勝、クリスタル・パレスの2勝、引き分けが4つ。
アーセナルホームでの対戦成績
直近10戦でアーセナルの6勝、クリスタル・パレスの1勝、引き分けが3つ。
Head-to-head from BBC sport
・アーセナルは直近4試合のリーグでのパレス戦に未勝利。うち3試合はドロー。
・パレスは直近47試合の公式戦でのアーセナル戦でわずかに5勝。しかし、直近2試合のエミレーツ遠征では敗れていない(W1,D1)
・アーセナルは過去20回のホームでのリーグ戦において、パレス相手に得点できなかったことはない。
スカッド情報
【Arsenal】
・トーマス・パーティには1か月の離脱後、初の出場の可能性がある。
・ガブリエル・マガリャンイスはCovid-19での自己隔離から復帰。
・FAカップのウォーミングアップで負傷したガブリエル・マルティネッリは欠場見込み。
【Crystal Palace】
・ママドゥ・サコは腿の負傷で欠場の見込み。
・ギャリー・ケイヒルはハムストリングの怪我から復帰の可能性あり。
Match facts from BBC sport
【Arsenal】
・公式戦4連勝中。その間のスコアは10-1。
・勝てば2018年10月以来のリーグ戦4連勝。
・直近3試合のリーグ戦で8得点。それ以前の12試合での得点より多い。
・12試合連続でホームでのクリーンシートなしというプレミア記録達成の可能性がある。
・ブカヨ・サカがこの試合で得点かアシストを決めれば、2007年のセスク以来初めてのリーグ戦4試合連続で得点に関与したプレイヤーになる。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは過去4試合のパレス戦の出場で3得点を記録。また退場も1回経験がある。
【Crystal Palace】
・直近7試合の公式戦で1勝のみ。その間の失点が14。
・開幕戦のブレイズ戦でクリーンシートを記録したものの、以降はすべての試合で失点。
・コロナウイルスによる中断以降の26試合で、クリーンシートは3回のみ。
・ウィルフレッド・ザハは今季のパレスの22得点のうち、10得点に関与(8G,2A)。
・ルカ・ミリボジェビッチは過去6試合のアーセナル戦において5得点を挙げている。
・ロイ・ホジソンが率いたチームは18試合のプレミアでのアーセナル戦で3回しか勝ったことがない。
予想スタメン
展望
■勝つための最低限を取り戻したチェルシー戦
プレビュー復活。日程的な余裕、精神的な余裕、そして書く時間的な余裕。この3点が揃ってこそのプレビューである。
さて、今回の相手を振り返る前に年末年始の戦い方を振り返っていきたい。まずは連敗ストップとなったチェルシー戦である。
勝ちに行く姿勢が復活したとかそういう部分が最も大事だったチェルシー戦。プレスに行くとか、ボールを受けるために動くとか、少し進んだところでいえば中央を経由して両サイドを幅広く使うとか。そういう勝つためにしなきゃいけない当たり前のことをメンバー入れ替えと共に復活させたのがチェルシー戦である。相性云々の前に勝つための最低のラインの話である。
ただ、相性の面でいってもチェルシーは悪い相手ではなかったように思える。普通に組み合ってくれるし、前からプレスにも来てくれる。過剰にロングボールに頼らずにショートパスをベースにした前進を志向する。なのでプレスも真っ向勝負。そして、ビルドアップのルートは未整備というところまでアーセナルにとっては助かる部分であった。
ゴールはスーパーだったりラッキーだったりいろんな要素が詰まっていたものの、総じてアーセナルはうまく戦ったと思う。完勝といっていいだろう。
■相性が悪くとも!のブライトン戦
次に当たったのがブライトン。相性の面でいえばチェルシー戦の戦い方そのままというのは難しいというのは重々承知だった。ブライトンはビルドアップだけならば、プレミアでもトップクラスに上手である。なのでアーセナルの勢いはあるが、後方との連動性が不十分なプレッシングでは外されてしまうだろうなと思った。で、実際外されてしまった。それでもチェルシー戦でやっと見つけたエネルギーの開放方法である。ここで前節のやり方を継続しない手はないだろう。それも理解できる。
この日助かったのはブライトンが前線とWBのメンバーを落としていたことである。彼らの強みであるオフザボールのスペースメイクと作ったスペース入り込んでくる動きは割と属人的な要素が強めだったのでメンバーが落ちた分、純粋にチャンスの数が減少した印象であった。
彼らは少ないチャンスを仕留めて勝ち点をかき集めているチームではなく、多くのチャンスを逃しているために勝ち点を得ることが出来ていないチームである。というわけでイーブンのチャンスの量では相手には勝てない。したがって、この試合もラカゼットの技ありシュート一本の前に沈んでしまうこととなる。
■予想外のウェストブロム
続くウェストブロムは、ベタ引き5-4-1で来るかな?と思っていたのだが、案外組み合ってくれた。アーセナルにとって非常にやりやすかったと思う。個人的には組み合ってくれるチェルシー⇒ポゼッション優位に立たれるであろうブライトン⇒ベタ引きの5-4-1のウェストブロムという想定をしていたのだけども。
とはいえ、撤退した後のブロック強度を見てみるとどちらにしても苦しかったような気もする。大外でティアニーやサカに1対1を作られてしまうとどうしても後手に回ってしまう。その上に1人剥がされた後のカバーリングも拙い。となると受けたとて結果は大きくは違わなかったかもしれない。
■ベタ引きでも牙はある
という連勝の流れの中でクリスタル・パレスと当たるのが次である。パレスはおそらくボールをアーセナルに渡してくるはずである。撤退型の4-4-2というのが彼らのメインのスタンスだ。この試合でもおそらくこのやり方を踏襲してくるだろう。
というわけでウェストブロムと同じように撤退した彼らのブロックを崩せるかどうかが1つ目のポイントになる。SHの戻りは決して献身的とは言えない彼らに対して、大外のスペースを使いながらラインを下げるように抉ることが出来るかどうかである。
相手のCHのキャラクターにも目を光らせておきたいところ。ミリボイェビッチ、マッカーサーのコンビはよりソリッド。ボール保持時の可能性を広げるリーデヴァルドが先発で出てきた場合は、アーセナル目線でいえば中央のずらしの起点として活用しない手はないはずである。最終ラインからのボール運びでCHをつり出して穴をあけたいところだ。
しかしながら、パレスには直近で勝利したウェストブロムとニューカッスルに比べると明確な武器がある。それはスピードが豊かな攻撃陣。特にザハとエゼのコンビは凶悪で彼ら2人だけでもゴールを陥れる力は十二分にある。
アーセナルにはマガリャンイスの復帰の可能性があるが、それ以外のCB陣はおそらく彼らのスピードには間違いなくついていけないように思う。したがってチェルシー戦同様にファーストDFでの積極的なプレスと、最終ラインを高めに取り、彼らに前を向かせる機会を与えないようにすることが肝要である。
もちろん、この過密日程の中で90分間プレスを敢行し続けることは難しい。そんなことをする支配力もまだない。自分たちの時間帯で得点を取った後は彼らにボールを持たせる時間帯を作る必要は当然出てくるように思う。その時間帯においてリードを奪えているかどうかが1つのポイントになりそうだ。
パレスのブロック守備の出来は当たりはずれが大きい。かつ上背の割にはセットプレーでの失点も少なくないチームである。押し込んで彼らの牙を覆うプレスを掛けられ続ければ勝機は必ずある。アーセナルとしては上位勢が徐々に重ねだしたタイミングを考えても負けられない一戦。欧州カップ戦争いに舞い戻るためにはパレスは越えなければいけない相手だろう。