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「あと10回」~2024.10.18 J1 第34節 川崎フロンターレ×ガンバ大阪 プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第34節
2024.10.18
川崎フロンターレ(19位/11勝10分11敗/勝ち点43/得点54/失点46)
×
ガンバ大阪(5位/14勝11分8敗/勝ち点53/得点37/失点28)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の勝、G大阪の勝、引き分けがつ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の勝、G大阪の勝、引き分けがつ。

Head-to-head

Head-to-head
  • ダニエル・ポヤトスが就任以降、川崎はG大阪戦3連敗中。
    • 4連敗となれば史上初めてのこと。
  • ポヤトス就任前のG大阪は川崎戦で9試合未勝利だった(D2,L7)。
  • 直近3試合のG大阪戦で川崎は9失点。
    • それ以前の6試合のリーグでのG大阪戦で複数失点は1回だけ。
  • しかし、ホームでのリーグ戦において川崎は直近3年間で11得点を記録している。
    • 全ての試合で3得点以上。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • 大島僚太は肉離れにより離脱。自国での治療を終えて来日したジェジエウとともに欠場の見込み。
  • 高井幸大は肉離れで離脱。
  • 三浦颯太は日曜日の試合でハーフタイムに交代している。
ガンバ大阪
  • ネタラヴィは10月6日のトレーニングで左膝の軟骨を負傷。
  • イッサム・ジェバリは左内側半月板損傷により欠場。
  • 林大地は練習試合に出場しており、川崎戦でデビューの可能性がある。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 直近6試合の公式戦で4敗。現在は2連敗中。
  • ただし、リーグ戦に限れば連勝中であり、直近2試合で9得点を挙げている。
  • 直近6試合のリーグ戦の勝利はすべて3得点以上を記録。
  • カップ戦敗退直後のリーグ戦は直近8試合無敗(W5,D3)
  • 家長昭博が今季記録したリーグ戦での6得点のうち、5得点はホームで挙げたもの。ホームで得点した試合はすべて勝利している。
    • G大阪相手には平均269分に1得点。現在J1に所属するチームの中では横浜FM(233分)、札幌(196分)、川崎(199分)に次いで得点効率が高い。
  • 山本悠樹が出場すればキャリア初めてのG大阪戦となる。
ガンバ大阪
  • 前節の札幌戦での勝利で公式戦4試合、リーグ戦9試合の未勝利を脱出。
  • 町田に並び、28失点はリーグ最少。
  • しかしながら、37得点はトップハーフではもっとも少ない。
    • ボトムハーフまで広げてもこれより少ないのは柏(35)と福岡(29)だけ。
  • 川崎に勝利すれば今シーズン初めての特定の相手に対してのシーズンダブルを達成する。
  • 今季、アウェイでの勝利は5つあり、そのうち4つがクリーンシート。さらにうち3つが1-0での勝利。
  • ダワンは先発出場した川崎戦では2試合ともゴールを決めている。

予習

第32節 東京V戦

第29節 C大阪戦

第33節 札幌戦

展望

ハイプレスやり得状態の要件

 ルヴァンカップは準決勝で敗退しタイトルの可能性は消滅。残留には青信号がともっている状態の川崎にとってはACLとの間に挟まれた難しいフライデーナイトの試合である。対するのはG大阪。川崎にとっては近年いい思い出がない大阪勢との一戦である。

 しかしながら、そのG大阪も苦しみの中にいる。食らいついていた優勝争いは9試合続いた未勝利の間に完全においていかれてしまう格好に。町田次第ではACL出場を争う3位の可能性は残しているというのが今現在の立ち位置となるだろう。

 前節、未勝利を脱出したが内容が良化しているとは現段階では言えないのが正直なところ。2週間前の勝利を元手にこの中断期間の間にどれだけ上向きの状態に持って来れたかどうかがG大阪のポイントになるだろう。

 形自体は前回対戦時と同じく保持の時は4-3-3。低い位置に入るCHと高い位置に出て行くCHの分業制で、後方に構える役(鈴木)がアンカー的な扱いとなる。ショートパスを軸としてボールを動かしていくところも以前と同じである。

 中断前の3試合はいずれも3-4-3をベースにフォーメーションを組んでくる相手との対戦だった。ベタ引きの東京V、マンツーで前から来る札幌、ミドルゾーンで両チームの間のライン設定だったC大阪と三者三様の守り方であったが、それぞれにG大阪は苦戦していたといえるだろう。

 一番苦戦した要因がわかりやすいのはベタ引きした東京V戦だろう。敵陣をこじ開けることにだいぶ苦労した。スペースがない中でサイドから何とか突破口をこじ開けられそうなのは相手を引き寄せつつボールを背負えるウェルトンくらい。ジェバリが離脱しているボックス内は高さもなく、とりあえず入れてみる!というのもなかなか通用しない。そうした中でコンビネーションがハマった1回をダワンが逃さなかったという印象だ。

 より気がかりなのはC大阪戦や札幌戦の方。より高い位置から来る相手に対しては、いわゆる疑似カウンターのような攻撃を加速させる機会も充分にあったのだが、攻撃がスピードアップできずにスローダウンすることで相手の帰陣が間に合ってしまうことも多かった。そうなると、サイド攻撃のコンビネーションの打開策がないという東京V戦の課題に帰結してしまう感がある。

 札幌戦では自陣でのコントロールミスから失点に繋がってしまったが、こういう形でピンチを招くことはどちらかといえば稀。むしろ、相手を動かしながら浮いたスペースを作り出しても、そこから前進をしていくというメカニズムがうまく機能していないように思える。

 うまく表現できるか自信がないけども、余裕がある受け方をした選手にとって、その次の一手がイメージできないようなボールの動かし方になっていることが今のG大阪には多い。逆サイドからボールを引き取り、時間があるはずの半田が手持ち無沙汰にボールを持っているうちに、相手の陣形が整ってしまうというのは前半戦にはあまり見られなかった光景でもある。

 さらには、ジェバリなどCFタイプがいない分、ロングボールでの逃がしどころがないのもつらいところ。今の川崎ファンにはよくわかると思うが、ロングボールでの逃げ場がなく、疑似カウンターでプレスをひっくり返されない相手に対してハイプレスはやり得。G大阪もまさにこのプレスがやり得な状況にハマってしまっている感がある。今だと反転した坂本が唯一の推進力をもたらすことが出来る立場になっている。それか、押し込んだ後の宇佐美のマジックかの二択だ。

 本来であれば、相手のプレスをひっくり返してスピードアップはできるポテンシャルを持っているチーム。サイドの攻略に関してもSBを有効活用した連携は前半戦には数多く見られた。正直、あまり未勝利期間の試合を見ていないので、どういう道筋で不調に迷い込んだのかはわからないが、前半戦の姿を取り戻すことが天皇杯と3位確保の2つの目標に向けた最短ルートに思える。

サイドで追い込むことでスイッチオン

 新潟相手の180分でなにもできなかった川崎だが、直近のリーグ戦の内容はG大阪といいところ勝負といったところ。共に苦しんでいるチーム同士の一戦である。川崎は国内のタイトルがなくなったことで、戦力はACLに向けつつ、リーグ戦はスカッドの序列争いと来季を見据えてのテストも行わなければいけないフェーズとなっている。

 やはり、基本的には新潟戦で出た課題の見直しということになるだろう。4-4-2から強引にプレスに行く今の川崎のスタンダードは何かしらの環境の手助けがなければ成り立たないことが判明した。無理にCFが追ってボールを奪いに行き、それにWGやCHがついていく形のプレスでは新潟のような保持型のチームには歯が立たないということだろう。もっとも、新潟ほどボールを持ってショートパスでつなぐことを愚直にやってくるチームは少なく、リーグの主流からは外れるタイプだと思うが。

 それで言えば、G大阪は比較的新潟寄りのスタンスといえるだろう。再構築としては格好の相手でもある。

 今の川崎の守備で無理があると感じるのは守備のスイッチをCFのプレスで入れている点である。CFがまず出て行くと、どうしてもプレスの陣形が間延びしやすい。さらに川崎は出て行くCFのフォローをWGが外を切りながら行うのでCHがCFのフォローに出るのか、WGの外切りの背後をカバーするのかが非常にあいまいになる。どちらもカバーしなければいけない場面もあるくらいだ。

一戦必勝のビハインドの局面ならこれくらい強引でもいいかもしれないが、シーズンのスタンダートにするには厳しいものがある。個人的にはまずはWGの外切りプレスをやめるところから始めたい。サイドにつけられるのはむしろ歓迎で、パスをつけさせて攻撃を追い込むところにしたい。CF、WG、CH、SBでボールが入った相手のSBの選択肢を塞ぐイメージだ。

 そして、SBからCBへのバックパスが出たらCFがバックパスへの圧力を高めてチェイシングをスタートする。これで、プレスの重心を高めたい。浮いているサイドを撒き餌にして、バックパスをスイッチにして一気に中央の圧力を上げて蹴らせる。これならスタンダードな運用もできそうだし、CHの守備範囲も移動で間に合う程度のものになるはずだ。

 ポイントは相手のSBにパスが出た時に、CFが中盤のケアを優先しバックパスのコースをきっちり空けること。2トップは中盤を消すことをベースにバックパスを誘発したい。ここで我慢できずにCBへのケアを優先してしまうと、SB→中盤のルートが浮いてしまい、ここから自在な展開を許してしまうことになる。

 必ずしもこのやり方でなくてもいいが、ミドルゾーンで我慢をしながら時間を過ごす方策は特にACLにおいては必須。ちょうど保持をしてくる相手とのリーグ戦なのだから、何かしらのプランを提示して到達度を図りたいところである。

 国内での目標はなくなってしまったが、目標がなくなってからでも上を見据えることが出来るかが問われる終盤戦になる。川崎の指揮官はタイトルがかかっている時も、タイトルを逃してしまった後も、そして具体的な目標がなくなった後でも常に「次の試合にどう取り組むか?」を考えてきた。今の川崎にとってのリーグ戦はある意味「次の試合にどう取り組むか?」の真の心得が問われる状況でもあるだろう。泣いても笑ってもあと10試合。別れのカウントダウンはすでに始まっている。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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