活性化した裏抜けから得点機会を切り開いた日本が決勝T進出
初戦のパラグアイ戦では5得点の快勝スタート。勝てば突破決定という状況でアフリカのマリとの一戦に挑む。勝たなければいけないマリに対して、日本は引き分けでもOKという状況。だが、日本はアグレッシブなチェイシングで前にプレスをかけていく。
一方のマリはボールを持たない時は日本のバックスにプレスをそこまでかけず。2トップは片側が中盤に組み込まれる形で中央で数を合わせる形をメインとしていた。
日本は西尾からのサイドへのフィードからつっつくスタート。ブロックを迂回する形で慎重に試合を進めていきたいところだが、前線の裏への動きが重たくなかなか活路を見出せない。かといって中央に強引にパスを刺しにいけばマリのカウンターのスイッチになる。そういう意味では停滞感のあるスタートだった。
序盤は日本のハイラインの裏を取る形から前進していく形が多かったマリ。しかしながら、日本がプレスを徐々に弱めていったことにより、試合は徐々に保持側がブロック攻略にターン制で挑む展開に。SHにも自陣に下がることを要求する日本はブロックを埋めることを重視するようになる。マリの中で目立ったのは右サイドバックのディオマンテ。強引なドリブルやミドルからチャンスを作りに行く。
だが、どちらのチームも試合を動かすことはできず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎えることとなった。
後半にいい入りをしたのは日本。細谷のキープから全体のラインを上げることに成功すると、バックスの強気の迎撃がハマるようになり波状攻撃のフェーズに。藤田、高井の迎撃が特に目立っていた。マリは高い位置から出ていくプレスに行きたがっていたが、リトリートを織り交ぜざるを得ない展開となっていた。
それでも時間の経過とともに勝たなければいけないマリは再びハイプレスに出ていく。これにより、日本は裏抜けからの手早い動きにフォーカス。特に細谷の右サイドの裏への抜け出しが効いてくる。藤尾のサイドからのキャリーに合わせるように右サイドの裏に抜け出した細谷から、三戸への折り返しは決定機だが、決めることができなかった。
それでもこの細谷の裏抜けから先制点をゲット。右の背後から抜け出すと、折り返しを佐藤がシュートしたこぼれ球を山本が押し込んで先行する。
マリは右サイドからのファウルから少しずつ反撃を狙っていく。日本はカウンターからこれをひっくり返すことで先制点の再現のような追加点を狙っていく。
終了間際にマリは川﨑のハンドからPKのチャンスを得るが、このシュートは枠外。大ピンチをなんとか切り抜けることに成功し、リードを守ったまま試合は終了。日本は2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。
ひとこと
前半の裏抜けの少なさは少し気になったが、クローズドに進めていこうという観点なら前半のプランもわからないのではないのかなと。何はともあれ、次はある程度休めるので、うまくスカッドをマネジメントして行きたい。
試合結果
2024.7.27
パリオリンピック
グループステージ 第2節
U-23 日本代表 1-0 U-23 マリ代表
スタッド・ド・ボルドー
【得点者】
JPN:82′ 山本理仁
主審:エディナ・アウベス・バチスタ