悪化しそうな流れを断ち切ったアーノルドの右足
ギリシャに劇的な敗戦を喫し、下位のカテゴリーのリーグでも力を出すことができないイングランド。波に乗れない中で今節はフィンランドに乗り込んでの一戦だ。
5-4-1で相手のボール回しを受けるフィンランドに対して、イングランドはボールを動かしながらのスタート。前節と同じくSB、パルマー、ベリンガムあたりはフリーロールとして自由に高さとレーンを入れ替えながらパスコースを作っていく。
だが、これが有効打になっているかというと怪しい。ポジションは動いてはいるが、クリティカルに相手を動かせているものは少なく、引っ掛けてフィンランドのカウンターを喰らってしまうこともしばしばだった。この辺りはギリシャ戦と似た肌感覚であった。
移動の目的化が目立つ中で先制点をゲットしたイングランド。結果を出したのはゴメス。高い位置に列を上げる動きでアレクサンダー=アーノルドからの縦パスを引き出すと、そこからグリーリッシュのバックドアに合わせたアシストを披露。先制点をお膳立てする。
フィンランドはボールを持つターンになると大外を循環するボール回しを行うが、インサイドに差し込むことができず。トランジッションの成分がなければチャンスは作りにくそうな構造だった。当然イングランドは先制後もボールを持っていたし、序盤ほど保持もバタバタしていなかったので、攻める機会自体も限られていた。
再びカウンターベースになったフィンランドにはチャンスも訪れたが決め切ることはできず。イングランドも先制点以降にクリーンなチャンスは作ることができないまま、試合はハーフタイムに突入する。
後半もイングランドの保持が中心の展開に。右サイドを低い位置に高い位置に顔をだすウォーカーの奮闘が目立つ立ち上がりだった。しかしながら、イングランドはロストからフィンランドの危険なカウンターを喰らうケースが連発。56分のカウンターなどはライス、ウォーカー、ストーンズの受け渡しがガタガタになっており、危険な守備がそこそこ見られるように。
交代でさらに展開を活性化してこのまま押し切りたいフィンランドだったが、そんな流れを断ち切ったのはアレクサンダー=アーノルドの直接FK。右足から放たれた見事な一撃でフィンランドの反撃ムードに水をさす。
以降もフィンランドのプレスをイングランドが制圧する展開で試合は安定。ライスのゴールで仕上げの3点目を決めたイングランドは完勝。フィンランドの反撃を1点に抑えて敵地で勝利を飾った。
ひとこと
まぁ、イングランドのことはまた来年考えればいいだろ。監督変わるし。
試合結果
2024.10.13
UEFAネーションズリーグ
第4節
フィンランド 1-3 イングランド
ヘルシンキ・オリンピック・スタジアム
【得点者】
FIN:87‘ ホスコネン
ENG:18′ グリーリッシュ, 74‘ アレクサンダー=アーノルド, 84’ ライス
主審:ギオルギ・クルアシヴィリ