Fixture
プレミアリーグ 第7節
2020.11.1
マンチェスター・ユナイテッド(15位/2勝1分2敗/勝ち点7/得点9 失点12)
×
アーセナル(11位/3勝0分3敗/勝ち点9/得点8 失点7)
@オールド・トラフォード
戦績
近年の対戦成績
直近5年間でユナイテッドの4勝、アーセナルの4勝、引き分けが5つ。
ユナイテッドのホームでの対戦成績
直近10試合でユナイテッドの5勝、アーセナルの1勝、引き分けが4つ。
Head-to-head from BBC sport
・ユナイテッドは直近4試合のアーセナルとのプレミアの対戦で未勝利(D2,L2)
・しかしながら、直近13試合のホームでのアーセナル戦において、ユナイテッドは13試合負けなし。最後のオールド・トラフォードでの敗戦は2006年9月のこと。
・最後にアーセナルがオールド・トラフォードでのクリーンシートを記録したのは2009年。
・アーセナルが勝てば2006-07年以来のリーグでのユナイテッド戦連勝となる。
スカッド情報
【Manchester United】
・アントニー・マルシャルは3試合出場停止の3試合目。
・アレックス・テレスはCovid-19の陽性反応で自己隔離中。
【Arsenal】
・ダビド・ルイスは腿の負傷で欠場。
Match facts from BBC sport
【Manchester United】
・開幕3試合のホームゲームで勝ち点は1。開幕から4試合勝ちなしになれば72-73シーズン以来。
・ホームゲームでのリーグ戦で5試合連続勝ちなしになれば1990年2月以来。
・リーグ戦5試合で12失点は直近60年で最悪。
・この試合がスールシャールの監督就任後100試合目(W55,D21,L23)。
・ドニ―・ファン・デ・ベークは今季リーグ戦の出場が64分しかないが、この64分において今季のユナイテッドの9得点中5得点が決まっている。
【Arsenal】
・負ければミケル・アルテタ就任後初めてのリーグ戦3連敗。
・リーグ戦3試合連続無得点になれば2016年以来。
・直近9試合のリーグ戦のアウェイゲームで6敗。
・直近11試合のリーグ戦でクリーンシートは1つだけ。
・今季1試合平均8.8本のシュートと平均1.3得点。それぞれ97-98,95-96シーズン以来最低。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは5試合連続リーグ戦でノーゴール。ドルトムント時代である2014年の11月以来。
予想スタメン
展望
■問題点の一部が修正されたライプツィヒ戦
看板を見ればビックマッチ。しかしながら冷たいことをいえば15位×11位の対戦である。看板が先立って試合内容は付いてこないというのはこのカードのここ数年の定番だ。昨季の対戦は前半戦は共に振るわず、後半戦はアーセナルがいいところなしのユナイテッドを叩いた。そのアーセナルが勝利した試合を見てみると、エジルとトレイラがバリバリスタメンを張っているのはなかなかの時を感じる。しかも、俺は彼ら2人を高評価しているし。
今季はリーグ戦では振るわない成績だがカップ戦では結果を出しているのが両チームの特徴である。ユナイテッドは今季ホームゲームで勝ちがない。リーグ戦では2節前からブルーノ・フェルナンデスとマタの両トップ下タイプを併用している。彼らはボールの落ち着かせどころとしては機能しているが、チーム全体としては歪みも感じる。
RSHがスタートポジションのマタは攻撃において内側に絞りがち、その分はSBのワン=ビサカが一手に引き受ける。彼はニューカッスル戦では攻め上がりからゴールを決めているが、コンスタントに攻撃で良さを出すタイプではない。逆サイドで幅取り役を行うジェームズもここ数試合はパフォーマンスが振るわない。そのため、幅を使えない遅攻は停滞気味になる。
アーセナルは今季撤退時ははっきりと5-4-1でスペースを埋める。サイドを突っついてアーセナルのブロックを壊すイメージは現状のユナイテッドからはあまり浮かんでこない。
チェルシー戦で感じた最も大きな問題点はCHが縦への推進力をもたらせないこと。チェルシーのボール回しを引っかけた後に素早く差す一手がなかった。CLのライプツィヒ戦を少し見たが、この部分はポグバが入ることで改善は見られた。快勝だった5得点のうち、多くのものは相手が帰陣する前を狙った手早い攻撃完結によるもの。アーセナルという相手を考えると、このコンセプトは大きく変えない方が得策。ポグバを軸にスピードがある前線のアタッカーを操る戦い方が一番効くように思う。
逆に言えば、大勝してなお膠着した試合をしっかり崩して打開するのはまだ手を焼いている印象を受ける。カウンターかセットプレーから先手を取ってアーセナルを前に引っ張り出すのが理想的な試合運びといえそうだ。
■レスター戦の課題はクリアできるか
「ポグバを使って守備は大丈夫なのか?」という疑問がわくかもしれないが、ライプツィヒ戦のポグバはめちゃめちゃ守備をしていた。すでにワールドカップで証明しているように、うまくタスクを与えて気分が乗れば守備もハードにこなせるタイプ。
守備しないよりもむしろユナイテッドの中盤より後ろはやたら動きまくるという難点がある。マティッチ以外は自分のスペースを埋める意識が低く、プレスをかけに来るときには穴が開くスペースが出てきやすい。賄う範囲が広くなれば、ユナイテッドのバックスはエラーを引き起こしやすい。アーセナルとしては積極的なポグバら中盤の守備を引っ張り出して、空いたスペースを活用する意識を持ちたい。
アーセナルはユナイテッドの中盤を横に引っ張る動きをみせたい。ユナイテッドは昨季と違って前線がプレスを控えて、縦に陣形をコンパクトに保つことが多いので、横や裏にずらさなければ低い位置でのスペースは空かない。工夫がなく、サイド一辺倒になってしまえばトーマスが中央で孤立を深めていたレスター戦の再現になる。後方のポジショニングに隙があるユナイテッド相手にトーマスの縦パスはぜひとも活用したい。アーセナルはトーマスを解放できるかどうかは1つポイントになりそうである。
単調なハイクロスはユナイテッドには効果が薄い。競り合いの強さは折り紙付きである。強さはあるが、脆さがあるのはユナイテッドのバックスなので、この脆さを引き出せるか。そのためには中央での起点は欲しいところ。トーマスを起点として機能させることができるかがアルテタの腕の見せ所となるだろう。逆にトーマスがボールの取りどころになると試合は一気にユナイテッドに傾く。彼自身というよりも両サイドの攻め手がユナイテッドをどれだけ揺さぶれるかが大事なポイントになりそうだ。