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「Catch up Premier League」~Match week 7~ 2024.10.5-10.6

目次

クリスタル・パレス【18位】×リバプール【1位】

逃げ切り成功で首位で代表ウィークに

 中断前、最後の週末。土曜のランチタイムのカードに選ばれたのはセルハースト・パーク。首位のリバプールを迎えてパレスは初勝利を狙う。

 パレスは電光石火のファストブレイクでスタート。いきなりネットを揺らすが、エンケティアはオフサイド。奇襲はスコアには繋がらなかった。

 以降はリバプールがボールを持って動かす展開に。3-2型の後方ブロックをビルドアップの主役として、対角を使いながら押し下げていく。

 リバプールが目をつけたのはパレスのシャドーのポジション。CB-SBで揺さぶってフリーの選手を作る。先制点のきっかけとなったのはツィミカス。ガクポのバックドアからの折り返しでジョッタが先制ゴールを決める。

 以降も展開は変わらず。対角を使いつつ、時にはインサイドにも差し込みながらボールを動かしパレスを圧倒。パレスは前にポイントを作りたいところだが、リバプールのバックスの強度に苦戦。前を向くことができない。

 アンカーのグラフェンベルフのマークに関してはパレスの受け渡しが整理されたように見えたが、グラフェンベルフは1枚上手。シャドーがSBのケアにフォーカスすると、ファン・ダイクが縦パスを通すなどここでも中央のパスルートが効く。

 ややリバプール側のファウルが嵩むことになった終盤。パレスは押し上げる展開が増える中でトランジッション局面から背後にお祈りパスを通しにいくことで勝負に出る。ラクロワのパスが通り、パレスが後半はじめの決定機を迎えるが、アリソンがこれを阻止。リードをキープしてハーフタイムを迎える。

 後半、パレスは出ていく局面とリトリートの局面を整理。メリハリのあるプレスでリバプールの中盤の受け渡しを整理する。それでもツィミカスのところを捕まえることができず、ここからリバプールにボールを運ばれる。だが、そこから縦にしか進む選択肢がなく、効果的にゴールに向かうことができない。

 パレスはゆったりとボールを動かしつつ、大外をポイントにすることで前半よりも着実に押し込むことができるように。後方でのボールハントと徐々に前進のフェーズがつながり始める。ヒューズの投入で中盤が引き締まり、マテタの投入で前線に起点ができるように。前半のような祈るような強引な縦パスも収まるようになる。

 終盤はアリソンの負傷もあり、冷や汗をかいたリバプールだったがディアスとガクポを軸として時間を稼ぎ、なんとか逃げ切りに成功。パレスはエゼにチャンスが巡ってくるが、シュートは正面に飛んでしまった。

 難しいCL後の試合を制したリバプール。首位で10月の代表ウィークを迎えることとなった。

ひとこと

 インサイドを覗けるのが今のリバプールの強み。押し込んでのボール回しが単調にならなかった。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
クリスタル・パレス 0-1 リバプール
セルハースト・パーク
【得点者】
LIV:9′ ジョッタ
主審:サイモン・フーパー

アーセナル【3位】×サウサンプトン【19位】

真打登場の流れるような逆転劇

 レビューはこちら。

 リーグ戦ではホームで昇格組との連戦を迎えているアーセナル。ここで勝てば10月の代表ウィークも公式戦無敗でたどり着くことになる。逆にサウサンプトンはなんとか1勝をもぎ取って中断期間を迎えたいところだろう。

 序盤からボールを持つのはアーセナル。カラフィオーリをインサイドに絞らせる3-2-5からボールを動かしていく。サウサンプトンは4-4-2のミドルブロックと5-4-1のローブロックを使い分けながらの前進にトライ。ただ、アーセナルが素早くサカを活用した時はダブルチームの形成が間に合わず、サイドを蹂躙されるケースもあった。序盤のチャンスラッシュは右サイドからだった。

 アーセナルは左サイドで最近よく使うシャドー周辺をライスとカラフィオーリを軸に使うことでフリーの選手からボールを運んでいく形をこの試合でも活用。右はシンプルにWGを活用した深さからバイタルでのミドルorラストパス、左は手前のフェーズで崩して前に渡すという少しテイストの違う左右の崩しから前に進んでいく。

 サウサンプトンとしては苦しい前半だった。ショートパスの連打では捕まることが分かっているのでいつもよりも長いパスが中心。菅原、アリボといった右側の選手からディブリングにボールを届けることが出来れば理想ではあるが、実際のところきっちりボールが収まりそうなのはガブリエウが目を離したときのアリボくらい。おしさげられるフェーズも長く、厚みのある攻撃ができる場面はかなり限られていた。

 だが、後半にサウサンプトンはテンポアップしながら反撃。ハイプレスの頻度を増やしながらアーセナルのポゼッションを阻害し、自陣でのビルドアップでは左右に振るアクションを増やすことでアーセナルの1列目のプレスを撃退することも出てくるように。

 アーセナルはボール保持からサウサンプトンのプレスを丁寧に外し、敵陣に侵入。押し下げて前半と同じ景色を取り戻しに行く。だが、スターリングのドリブルで相手のプレスバックで咎められると、そこからのカウンターでアーチャーが先制ゴールをゲット。今季、エミレーツではじめて敵チームがリードを奪う展開となる。

 しかし、すぐにアーセナルは反撃。ダウンズのあまりにも軽率なパスミスをかっさらうと、ハヴァーツがパンチのあるシュートでカウンターを完結。あっという間に振り出しに戻す。

 すると、60分にはメリーノ、マルティネッリ、トロサールが登場。攻撃でアクセントをつけられる控えメンバーがそろい踏み。左右のサイドの攻撃がバランスよくなり、ボックス内の圧力も増していく。68分のマルティネッリの逆転ゴールにはメリーノもボックス内に突っ込んでいたという事実は、交代によって変化がもたらされたことを象徴している。

 終盤にはサカが再び相手の処理が甘くなったところに漬け込んで追加点をゲット。終わってみれば危なげない完勝を遂げたアーセナル。無敗のまま中断期間を迎えることとなった。

ひとこと

 真打登場感のある60分の交代からの流れるような逆転劇は見事のひとこと。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
アーセナル 3-1 サウサンプトン
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:58′ ハヴァーツ, 68‘ マルティネッリ, 88‘ サカ
SOU:55’ アーチャー
主審:トニー・ハリントン

ブレントフォード【12位】×ウォルバーハンプトン【20位】

クロス対応の拙さが先行する乱打戦

 立ち上がりから仕掛けたのはブレントフォード。右サイドからムベウモのクロス起点の攻撃にバックスから突撃したコリンズが仕留めて先制ゴールを奪う。2分のゴールは普通のチームにとっては電光石火でも、今季のブレントフォードにとっては「1分遅い」ゴールという位置づけである。 

 普段と違うのは電光石火の攻撃を相手側も備えていたことだろう。ウルブスはブレントフォードと同じく右サイドから攻撃ですぐに同点ゴールをゲット。ウルブスがボックス内に入ってきたコリンズを捕まえることが出来なかったように、ブレントフォードもハーフスペースに侵入してくる相手を4バックでどのように迎え撃つかを整理できなかった。ルイス-ポッターの棒立ちはその象徴だろう。

 基本的にはこの失点シーンのように、どちらのチームも4バックでありながらハーフスペースをどのように塞ぐかという点で苦戦するという流れだった。バックスに運ばれるとまずい両チームはマンツー気味に中盤を捕まえに行く形でボールを運ぶ機会を制限しようと試みる。そうした中で縦横無尽に動き回るクーニャのマークを外そうという奮闘が目に付く展開だった。

 前半の中盤になっても展開は落ち着かない。先にスコアを動かしたのはブレントフォード。ウルブスの悪癖になっているセットプレーでのホールディングしながらの守備は今節もとがめられてしまいPKを献上する。

 それでもウルブスは再び同点に。左サイドの突破からのクロスを叩き込む。ピノックの甘い対応が目立つ失点となった。

 どっちがサイドをえぐっても有効打となる試合で抜け出したのはブレントフォード。28分にまたしても右サイドからの甘いクロスをノアゴールが叩き込むと、そのまま前プレに移行してウルブスを自陣にくぎ付けに。セットプレーから再びウルブスのファークロスの対応の甘さを突いて2点のリードでハーフタイムを迎える。

 追うウルブスは後半も高い位置からのチェイシングでスタート。ブレントフォードは外を切って内側に誘導するWGの守備でインサイドへの縦パスに誘導。少しラインを下げてブロックを組み、リードを活かす戦い方を選択。少し下がった陣形もムベウモの陣地回復能力があれば特に問題になっていないようだった。

 後半頭のウルブスの攻撃をかわしたブレントフォードは少しずつ主導権を握っていく。セットプレー、クロスと徹底したファー狙いで危ういシーンを作り出していく。

 そして、ブレントフォードは左サイドからのクロスで5点目。トティ・ゴメスの対応の悪さをついたクロスから決定的なゴールを生み出す。

 アイト=ヌーリは終盤に意地の3点目を決めるが、ウルブスの反撃もここまで。合計8得点が入り乱れる大乱戦はブレントフォードが制した。

ひとこと

 どちらも攻撃陣がすごいというか、受けに回った時のクロスの対応がやばかったなという感じ。ピノックとかゴメスとかもっとできる選手たちが淡白な対応をしていた。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
ブレントフォード 5-3 ウォルバーハンプトン
Gtechコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:2‘ コリンズ, 20’(PK) ムベウモ, 28‘ ノアゴール, 45+2’ ピノック, 90‘ カルバーリョ
WOL:4′ クーニャ, 26′ ラーセン, 90+3′ アイト=ヌーリ
主審:アンディ・マドレー

マンチェスター・シティ【2位】×フラム【6位】

コバチッチの二発で華麗な逆転勝利

 前節は無敗のフォレストを撃破し、勢いに乗るフラム。上昇気流で迎える今節は要塞であるエティハドに乗り込んでの一戦となる。

 ボールを持つのはシティ。フラムはシティにボールを持たれることは前提としての5-4-1。普段は絞りながらゲームメイカーをやっているイウォビが大外で1on1の守備を引き受けているのは非常に使い勝手のいい選手に進化したのだなと勝手に感銘を受けている。

 裏を消してリトリートするフラム。初手であるシティのハーフスペースアタックに関してはフラムの対応は落ち着いたもの。ここが整理できずに5-4-1で組んでもあまり意味はないので、まずはシティ封じの初手はクリアしたという感じだろう。

 シティも後方に重心を傾けられるパターンとして後方の枚数を制限。グバルディオルやルイスは中盤に常駐するというよりは前に出ていくことを念頭に時折フォローに出てくるという感じであった。

 ポゼッションで全てをなんとかしようというよりはこの日のシティはトランジッションでズレを作ろうという意識を感じた。初手のハイプレスでレノのパスミスからカウンターを仕掛けることはできていたし、後方にスペースがある状態においてはハーフスペースアタックもそれなりに効果がある。

 ただ、フラムもそうした状況の中でトラオレのカウンターのみに依存せず、ショートパスから相手をズラしていこうという意識を見ることはできた。単純に敵陣に向かう実効性が抜群だったかと聞かれると微妙なところではあるが、押し込まれ続けて殴られるターンにも幕間を設けることは重要ではある。

 先制点を決めたのは攻撃の機会が少なかったフラム。右サイドからハーフスペースの裏を取ったヒメネスがアクロバティックなアシストを決めてペレイラがゴールをゲット。意外性のある攻撃でフラムが先制。

 以降も右サイドからのカウンターでトラオレが決定機を迎えるなど、サイドを深く抉るアクションからの進撃はなかなかに手ごたえがあるものではあった。シティ側は押し下げられるとボックス内の対応が怪しく、フラムにチャンスを作られることとなった。

 シティはセットプレーから同点ゴールをゲット。全体が押し下がったところに顔を出したコバチッチのゴールですぐに試合を振り出しに戻す。

 後半もシティが保持をベースに試合を進める展開。押し込む土台を作ると、またしても中央に顔を出したコバチッチが試合を動かしてみせる。今日2点目のゴールは貴重な逆転弾だ。

 フラムはハイプレスから出て行って試合を動かそうとするが、シティはこれをポゼッションで回避。安定して試合を進めていく。

 試合のテンションは少しずつ低下。フラムは押し込むことが出来ればチャンスになりそうではあったが、そこまで届くのは稀。終盤にようやく4バックに移行したが、逆にドクの横ドリブルからの仕掛けに対応できずに追加点を許してしまう。

 ムニスのゴールで反撃に出たフラムだが、勝ち点奪取には至らず。コバチッチの活躍でシティが逆転勝利を収めた。

ひとこと

 トラオレが決定機を掴むことが勝ち点奪取チャレンジのスタートラインだったかもしれない。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
マンチェスター・シティ 3-2 フラム
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:32‘ 47’ コバチッチ, 82‘ ドク
FUL:26’ ペレイラ, 88‘ ムニス
主審:ピーター・バンクス

ウェストハム【14位】×イプスウィッチ【15位】

攻め手の数で上回ったウェストハムが初勝利を阻む

 前節のアストンビラ戦では手応えが十分だったイプスウィッチ。この手応えを胸に今節はロンドン・スタジアムに降臨。中断期間を迎える前になんとか勝利を手にしたいところだろう。

 しかしながら、先制点は1分でウェストハムに入る。右サイドからのファストブレイクに成功したボーウェンからアントニオのラインで一気に試合を動かす。

 先制点でもイプスウィッチのプランは同じ。なるべくハイプレス、ハイラインで押し込みながら敵陣でのプレータイムを増やしたいという格好であった。ウェストハムは少しボールを持つ時間を作りながらイプスウィッチのプレッシングをいなしに行く。ギド・ロドリゲスのサリーを活用し、最終ラインの枚数を変化させた時点でイプスウィッチのプレッシングは落ち着かせることができそうな感じであった。

 前進の形としても左サイドでポイントを作り、右サイドのボーウェンに届けて一気に相手を押し下げるという先制点に近いパターンも有効。さらにはよりシンプルに前のアントニオをポイントにするロングボールも使いながら、シンプルだが力強い形からボールを前に進めていく。

 イプスウィッチはスコア自体は6分で振り出しに戻すことができたが、劣勢の流れはなかなか変えることができない。低い位置まで下がって受けるシーンがどんどん増えていくと、列を動かして高い位置に出てくる動きをするウェストハムの選手を捕まえることができない。代表例となるのはソーチェクだ。

 イプスウィッチは左右に流れるデラップから反撃に出るが、一方的に押し込むフェーズはウェストハム。左右のサイドの奥を取りつつ、インサイドの列の上げ下げから勝負を仕掛けていく。モノトーンな展開が続く試合は前半終了間際に動く。左サイドから抜け出したエメルソンのクロスからクドゥスが押し込んでゴールを奪う。

 後半も勢いに乗るのはウェストハム。高い位置からのチェイシングをベースに出ていってイプスウィッチを苦しめる。ビハインドとなっているイプスウィッチも当然前から追いかけていくのでここはガチンコである。

 少ない手数での攻め手はやはりウェストハムが優位。ロングボールをベースに簡単に跳ね返していく。イプスウィッチはジョンソンの不用意なバックパスから処理を手間取ったところをボーウェンに押し込まれてしまい失点。さらに苦しい展開に。

 劣勢を跳ね返すことができないイプスウィッチに対してウェストハムはトドメ。右サイドの大外からのハーフスペースアタックで最後はパケタが押し込んだ。

 全体の押し上げが最後まで効かなかったイプスウィッチ。ウェストハムに完敗し、初勝利は中断明けまでお預けとなった。

ひとこと

 ウェストハム、久しぶりにシャープな姿を見せてくれた。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
ウェストハム 4-1 イプスウィッチ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:1’ アントニオ, 44‘ クドゥス, 49’ ボーウェン, 69‘ パケタ
IPS:6’ デラップ
主審:アンソニー・テイラー

レスター【17位】×ボーンマス【11位】

ブロック攻略合戦を制したブオナノッテ

 はっきりしていたのはどちらのチームもボールをきっちり持つことに労力を使うというスタンス。そして、守備に回った際には無理に敵陣からのプレスにはいかず、構えて守る姿勢を維持しているということである。

 ということで試合は保持側がどのようにブロックを切り崩すかに焦点が当たっているかのような展開。押し込む機会が多かったのはボーンマスの方だったが、先制点を手にしたのはホームのレスター。この日は右サイドでの起用となったブオナノッテがパス交換からボックス内への侵入に成功。素晴らしいゴールを入れ込んで試合を動かして見せる。

 追いかけるボーンマスは攻勢に出る。前線がフリーレーン化することで縦横無尽のオフザボールからチャンスを作りに行きたいところ。エヴァニウソンとクリスティが流れる左サイドの方が有力だったといえるだろう。だが、レスターの中盤の食らいつきもさすが。ンディディが最終ラインに入り込むアクションを見せるなど、中盤からの加勢からチャンスを潰していく。

 ただ、押し込まれるレスターはロングボールでの起点づくりが効いていた。中央にボールを収めることが出来ることで左右のサイドアタックもより効率的な状況を用意できるように。お馴染みのヴァーディの裏抜けだけではなく、マヴィディディへのロングボールも効果的な一手になっていた。

 後半は縦に速い展開からのガチンコ勝負でスタート。優位に立ったのはボーンマス。プレスを強めて高い位置から追い込んでいくことでレスターの保持の機会を制限。まずは押しこむ状況を安定的に作ることで攻める土台を作り上げる。

 2列目の配置換えなど、押し込んだ際のアクセントも充分につけることができたボーンマス。ついにFKからネットを揺らすことに成功するが、これはボールに競りかけたエヴァニウソンがオフサイド。

 ボールの軌道はゴールに向かっているのでエヴァニウソンが触らなければ・・・とも思うかもしれないが、エヴァニウソンがボールにアプローチしていなければ、ハーマンセンはより迷う要素が少ない状態でボールに向かうことが出来たので、そこは難しいところ。オフサイドの本質が~みたいことを言っている人もたまにどこかで見かけたりするけども、この場面はオフサイドってよくできているなと感心したくなる場面だった。

 終盤まで積極的に攻め続けたボーンマスであったが、水際対応を続けたレスターをこじ開けることはできず。最後まで何とかしのいだレスターは昇格組で今季初めての勝利というご褒美を手にした。

ひとこと

 ブオナノッテのゴール、スーパー。もっと使えよ。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
レスター 1-0 ボーンマス
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:16‘ ブオナノッテ
主審:ダレン・ボンド

エバートン【16位】×ニューカッスル【7位】

因縁のPKはネットを揺らさず

 前節、未勝利の沼から脱出したエバートン。今節は上位を伺うニューカッスルとの一戦である。

 立ち上がりはどちらのチームもバックスに制限を強引にかけない立ち上がり。エバートンは4-4-2、ニューカッスルは4-5-1のブロックでライン間を狭めながら制限する。コンパクトな守備ブロックへの対策はまずは裏抜け。キャルバート=ルーウィンが裏に引っ張ることでまずはライン間を開けにいく。

 ニューカッスルはよりライン間にパスを刺しにいくイメージだった。4-3-3から3-2-5への変形など人についてくる意識の強いエバートンの守備を利用し、動的な成分を入れてライン間への侵入を狙っていく。ニューカッスルの選手たちの背中をとるアクションへの忠実さはなかなかであった。

 隙があれば当然縦に早く出ていくというのは両チームの共通項。ポゼッションだけでなく、縦に鋭い少人数での攻撃を特にエバートンは狙っていた。

 一進一退の攻防続く中で先制のチャンスを得たのはエバートン。キャルバート=ルーウィンの粘りからのポストでクロスを上げにいくと、これをドゥクレが叩き込む。しかし、このゴールはオフサイドで無効に。直前のギマランシスのシュートはエンジアイがライン上でクリアを果たしてこっちらも水際で踏みとどまる。

 それでも押し込むニューカッスルはセットプレーからPKを獲得。ターコウスキのご乱心から勝ち越しのチャンスを献上してしまうが、ゴードンのPKはトップ。以降はエバートンが少しずつ高い位置から追いかける展開を作り出すが、カウンターにまでは動けず。チャンスが少ない展開でハーフタイムを迎えた。

 PKの失敗を早めにリカバリーしたいニューカッスル。後半は高い位置からのチェイシングからゴードンの右の裏への抜け出しを入れてのファークロスという明確な手段でゴールに向かう。前半はゴードンがトップに入っていたが、後半はバーンズが中央に常駐し、両サイドにゴードンがフリーで動くイメージであった。

 エバートンはなんとかこのラッシュを乗り切ると、少しずつボールを持ちながら落ち着くことに成功。ロングカウンターでひっくり返すのではなく、ジリジリと押し下げることで反撃に出る意外な前進だった。左右に動かしながら自分たちの時間を作ることでニューカッスルに一方的な攻勢を許さない。

 ニューカッスルはボールを持ちながらプレスを誘発することで敵陣にスペースを作り出す展開にシフト。保持でやれるチームのリスクを背負い敵陣をこじ開けにいく。

 しかしながら、どちらのチームもゴールを奪うことができず。試合はスコアレスでの決着となった。

ひとこと

 上位を伺うにはなんとか勝ち点3が惜しかったニューカッスルだった。ゴードンのPKがこの地で決まらないのは因縁を感じる。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
エバートン 0-0 ニューカッスル
グディソン・パーク
主審:クレイグ・ポーソン

チェルシー【4位】×ノッティンガム・フォレスト【10位】

「勝てそう」を取り上げた2人の守護神

 前節はフラムに敗れたが、今季のフォレストは好調。どこと対戦してもなかなか簡単に負けない厄介な対戦相手となっている。成績が上向きなチェルシーにとっては超えられるかどうか注目の一戦となる。

 保持から押し込むスタートとなったのはチェルシー。陣形としては前節と同じくグストがインサイドに絞ることで3-2を形成。ここにエンソとパルマーが降りてボールを受けにくるという仕組みである。

 フォレストは中盤中央という一番使われないところを固める4-4-2。よって、パルマーやエンソが降りる位置はいつもよりも少し外側になっていた感があった。中央は堅いのでチェルシーが削るのは外から。サンチョやマドゥエケがゴリゴリと仕掛ける形で勝負を仕掛けていく。フォレストの中で冷静さが光ったのはアイナ。好調のサンチョに対してアイナは動かされすぎずに安定した対応を見せる。

 フォレストはウッドのカウンターが主体だったが、自陣からボールを持つパターンも。チェルシーも無理に追いかけることはなく、きっちりとブロックを組むことで対応。フォレストがボールを持つ時間は少なかったものの作ることが。存在感を発揮したのはムリージョ。高い位置に出て行ったのボール奪取からFWの顔負けのミドルで敵陣を脅かす。

 試合は均衡。どちらもゴール前は相手に絡められており、こじ開けるのは困難。チェルシーの方がゴール前に進むことができてはいたが、ボックス内での粘りが凄まじいのが今季のフォレスト。パルマーの惜しいシーンもゴール前からギリギリで掻き出す。ムリージョのミスからマドゥエケが決定機を迎えるシーンもあったが、これもゴールを破ることができない。

 後半もチェルシーが保持ベースの試合。フォレストも手数をかけてサイドからの崩しに挑む。

 試合が動いたのはセットプレーから。右サイドからのFKで先制したのはフォレスト。ファーまで抜けていったボールをウッドが押し込んでリードを奪う。

 チェルシーもすぐに反撃。ブロックの外からゴリゴリ部隊であるマドゥエケが外から撃ち抜くことに成功し、試合を振り出しに戻す。

 後半も展開は一進一退。ラインブレイクからゴールに向かっていくと両軍のDFとGKのギリギリの対応でなんとかピンチを凌いでいく。

 流れが変わったのはウォード=プラウズの退場。自らのミスをハンドでカバーするという珍しい2枚目の警告を受けて、フォレストは10人となる。

 押し込みながら勝負に出るチェルシー。フォレストは5-4-0での撤退をしつつもフィールドプレイヤーの粘りから時間をなんとか作っていく。

 10人と11人という割には終盤も決定機は平等に。それよりも目立っていたのは両軍GKの美技。複数得点が決まっていてもおかしくない数のピンチをファインセーブの連発で凌いでいた。どちらのチームも勝てたかもしれないという感覚を残しながら3ポイントを手にできなかったのは紛れもなく2人の守護神の貢献によるものだ。

ひとこと

 見応えのあるスリリングな90分だった。

試合結果

2024.10.5
プレミアリーグ 第7節
チェルシー 1-1 ノッティンガム・フォレスト
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:57‘ マドゥエケ
NFO:49’ ウッド
主審:クリス・カヴァナー

アストンビラ【5位】×マンチェスター・ユナイテッド【13位】

ブレイクスルーを見出せないスコアレスドロー

 ともにミッドウィークにタフな試合を戦った両者。リーグ戦では先週勝利を逃しており、代表前に勝ち点3を積み上げたいという意識は強いだろう。

 ボールを持つのはビラ。ミドルブロックに構えるユナイテッドに対して、バックラインからボールを動かしていく。キャッシュ、コンサ、トーレスが3バックを形成し、ユナイテッドの2トップの脇から縦にボールを差し込んでいく。特にコンサからのボールはチャンスメイク。ユナイテッドはCBがタフなチャージができず、ロジャーズに決定機を許す。

 しかしながら、ビラはコンサが負傷。再びパスを仕掛けるルート探しに奔走することになる。ユナイテッドのサイドを動かしながらチャンスを伺うが、ラインを揺さぶる背後へのアクションが少なく、ライン間がコンパクトな状態を緩和することができず。ユナイテッドのバックス。特にCBのタイトさが徐々に増していく。エバンスはよりビラの得点の匂いがしたトランジッション局面でもチャンスを潰すことができていた。

 ユナイテッドの攻撃は縦に早くという流れ。今週TLでチラホラ見かけたブルーノ論争だが、この試合でも縦への速さは健在。なかなかパスが刺さりきらない。ただ、スローダウンした際のブロックを攻略する手段が乏しいのも事実。終盤はダロトがオフザボールでギャップを作りに行ったが、ブルーノメソッドがそれなりに上位に君臨するのも納得という攻撃の内容だった。

 後半の頭も前半と似たようにアストンビラの保持ベースでスタート。ユナイテッドは前半と同様に機を見たいハイプレスでアストンビラ陣内でプレッシャーをかけていく。だが、ボールを奪い切ることはできず。同様にビラもこのプレスをひっくり返すことで決定機を作ることはできなかった。

 ミドルゾーンで加速する局面自体は増えた後半だったが、肝心のゴール前での決定機はあまりない展開。早い攻撃の中で互いのアタッカー陣のミスとバックスの優れた対応が連鎖する。

 どちらかといえばチャンスがあったのはビラの方だろう。だが、終了間際のフィロジーンの決定機はダロトのブロックにあってしまい、仕留めることが出来ない。

 試合は結局そのまま終了。後半は前半に輪をかけてなかなか決定機を作れない堅い展開に対して、ブレイクスルーを見つけることができないままタイムアップを迎えることとなった。

ひとこと

 ユナイテッドはこれで得点数が5。サウサンプトンに次いで少ない得点数だ。

試合結果

2024.10.6
プレミアリーグ 第7節
アストンビラ 0-0 マンチェスター・ユナイテッド
ビラ・パーク
主審:ロベルト・ジョーンズ

ブライトン【9位】×トッテナム【8位】

交代選手を活かしたスリリングな逆転劇

 中断期間前の最後のリーグ戦。この試合を持って順位は確定する。ブライトンとトッテナムは勝てば6位に浮上する試合である。

 ペースを掴んだのはトッテナム。ボールを持つことを許されたトッテナムのバックスから中盤の開いた選手んパスを出していく。特に捕まえづらかったのはクルゼフスキだろう。柔軟に動いてはターンができるスペースを確保し、攻撃を促進。愚直に相手の背中をとるアタッカーにラストパスを送り続けた。

 チェルシー戦と同じく、ブライトンはかなりバタバタした印象。同じ形の繰り返しに対応することができず、背中を取られ放題。ボックス内での危険な対応は相当に多かった。

 序盤は決定機ミスやオフサイドで許してもらったが、オフサイドで許してもらった直後についに失点。ジョンソンのゴールでトッテナムは前に出る。

 ブライトンも中央でポイントを作って縦に速い攻撃をしたかったところだが、中盤でオープンな選手を作るのに苦労。左サイドからの三笘を軸としたキャリーで反撃に出ること以外は有効となる前進の手段が見つからなかった。

 先制点を喫した直後は押し込む時間を作り、ウェルベックは決定機を迎えたが沈めることはできないブライトン。逆に、トッテナムは前半の終盤にマディソンが素晴らしいミドルを仕留めてリードをさらに広げてハーフタイムを迎えることとなった。

 2点を追いかけるブライトンは高い位置からのチェイシングをスタートし、試合の流れを強引に持っていこうとする。後半の最初にチャンスを作ったトッテナムが前半の続きの物語を始める予感もしたが、先にスコアに手をかけたのはブライトン。右サイドのミンテがヴィカーリオの守るゴールを破り追撃弾のスイッチを入れる。

 トッテナムのパスワークは前半と同じくスピーディーなものであったが、サイドの縦を破るルートにフォーカスされており、そこにはブライトンのDFが待ち構えるというケースが出てくるように。単一ルート故の単調さが見えた分、前半以上の有効打になったかは怪しいという流れ。バレバがあらゆるところに顔を出してホルダーにプレッシャーをかけることで試合のテンポアップを強制的に促していたのも単調さの要因といえるだろう。

 そんなトッテナムを尻目にブライトンは同点ゴールをゲット。後半頭から入ったエストゥピニャンが大外からジョンソンを置いていく形でオーバーラップを仕掛けると、三笘→ラターと難しいボールをつなぎながらのゴールで試合を振り出しに戻す。

 ここから逆転ゴールまではあっという間。ウェルベックのゴールで完全にアメックスは着火することに。

 初手の組合では手ごたえがあったものの、控えメンバーが若手有望株中心のトッテナムは交代選手が機能したブライトン相手に徐々に後手をふむように。ひっくり返された後半にすべてを失ったトッテナムが手痛い逆転負けを喫した。

ひとこと

 ブライトンの同点弾は難しいプレーの連続。相手と味方がどこにいるかを把握したうえで正確にゴールまでのルートをつないだ三笘とラターはどちらもすばらしかった。もちろん、ゲームチェンジャーとなったエストゥピニャンも見事であった。

試合結果

2024.10.6
プレミアリーグ 第7節
ブライトン 3-2 トッテナム
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:48’ ミンテ, 58‘ ラター, 66’ ウェルベック
TOT:23‘ ジョンソン, 37’ マディソン
主審:デビッド・クート

今節のベストイレブン

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