Fixture
2025.2.18
AFC Champions League Elite
リーグステージ 第8節
川崎フロンターレ
×
セントラルコースト・マリナーズFC
@等々力陸上競技場
Match facts
- 川崎はセントラルコーストとの対戦で2戦2勝。2試合合計で7得点を奪っている。
- ホームでのオーストラリア勢との対戦において川崎は6戦無敗でうち5試合に勝利している。
- セントラルコーストは日本勢との対戦で通算12戦10敗。
- セントラルコーストは直近5試合の公式戦で勝利がない。
予習
ACLE LS 第5節 神戸戦
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ACLE LS 第6節 横浜FM戦
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ACLE LS 第7節 ジョホール・ダルル・タクジム戦
準備中
予想スタメン
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展望
苦しんだグループステージ
2試合連続で4-0という稀に見る快調なスタートを切った川崎。まだシーズンは始まったばかりでこれからたくさんの試合が控えているものの、やはり上位に立つというのは気分がいいものである。
シーズンが始まったばかりであるが、次に迎える試合は消化試合。この言い回しだと長谷部監督に怒られるかもしれないので、コンペティション的に大会に影響を与えない試合といった方がいいだろうか。川崎はすでに4位以内でのラウンド16進出を決めており、次ラウンド進出だけでなく2ndレグでのホーム開催のアドバンテージも確保。細かい順位で次の対戦相手が左右されはするが、自身の順位によってこのアドバンテージが変わることはない状況だ。
対戦相手であるセントラルコーストはここまでわずか勝ち点1で敗退がすでに決定。7試合のグループステージで唯一もぎ取った勝ち点はホームでの上海申花戦での引き分けによる1ポイント。95分の劇的なゴールで意地を見せた試合だった。
開幕したてのJリーグとは異なり、セントラルコーストが所属するAリーグはリーグ戦のど真ん中。13のクラブが3回の総当たりで順位を決めてプレーオフに臨むという方式のリーグにおいて、現在はおよそ半分が消化したところとなっている。セントラルコーストは13チーム中9位であり、このままでは6位以内に与えられるプレーオフ進出の座が危ういというのが彼らの状況だ。
川崎戦の数日後に控えるウェスタン・シドニーとの一戦はプレーオフ出場圏内をかけた順位争いの直接のライバル対決。すでに敗退が決まっているという状況を踏まえても、日本に彼らが主力を送り込んでくる可能性は低い。直近の試合も含めて一応数試合はチェックしたが、このプレビューでは大枠のシステムのみの紹介に留めたい。
基本的なフォーメーションは4-4-2。特徴なのはSHの守備が非常にナローであること。インサイドを固めることに傾倒したブロックが組む方向性となっている。その分アウトサイドはSBの裁量が多いのが特徴の一つになっている。
正直なことを言えばインサイドを固めるという方向性にも関わらず、ブロックの網目は緩い。DF-MFの間に入った選手は問題なく反転ができるだろう。このライン間の選手を捕まえるためにバックラインの選手が出てくれば、その選手の出て行った穴を埋める動きもないので、前線数人の動きが連動すれば最終ラインの穴を通すことはできる。
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GKの飛び出しも怪しく、広い範囲をカバーするのは得意ではない。なお、前節のジョホール戦でその飛び出しに失敗してしまったこともあり、正GKのペライン=カレンは一発退場による出場停止で川崎戦の欠場が決定している。
トランジッションにおける戻りも非常に遅く、帰陣しながら素早くブロックを組むのはあまり得意ではない。攻守の切り替えの部分も緩さがあるのは否めない。
保持においては2-2のボックスビルドが中心。保持においては列落ちを許容するなど3-2もしくは2-3のように陣形が変化することも見られる。
ただ、ショートパスと心中という感じではなくプレスに来た場合は前線にボールを当てることもしばしば。前線もそれなりにパワーとスピードはあるが、ACLに来るクラブにはそういう選手はいるだろうなという域を出ないというのが正直なところ。
総じて勝ち点1しか取れていないというのは妥当といわざるを得ない。現状ではACLで通用する武器が見つからなかったチームということになってしまうだろう。
前提をキープできるのか?
来週はミッドウィークにJ1、その翌週からはACLでの遠征があるため、位置づけ的にはここは一息を付けるフェーズ。直近2試合では大枠のメンバーをそろえていた長谷部監督も、この試合ではメンバーを入れ替える可能性があるだろう。
まず自分たちの話をするのであれば、入れ替えたメンバーたちがシンプルにどこまでのクオリティを出せるのかは気になるところである。名古屋戦では山内を始めとしてベンチ入りメンバーが躍動したが、どちらかといえばここまでの2試合においては後から出てきた選手は開かれた展開の中で暴れまわることを求められていた(もしくは選手自身が大事にしていた)感が強い。
名古屋戦でのレビューでも書いたが、長谷部フロンターレの土台となると考えられるのはまずはどんな相手とも組み合い、堅実に試合を進める手堅さだ。より具体的に言えば、4-4-2のゾーン守備を基調にした献身的な動きを前提としつつ、攻撃の構築を狙うという表現になるだろうか。
この我慢しつつ何かを保持で作り出すというのがセントラルコースト戦のメンバーに出来るのかどうかがまずはポイントになるだろう。踏ん張ることを前提できるかは大事。長谷部監督の考えがどこまで多くのメンバーに深く刺さっているか?が問われる試合になるかもしれない。
セントラルコーストを攻略するという点では特にこれ!という方法はない。やっていれば自然とライン間は空いてくるだろし、そこから作ったスペースで攻略するということも充分に可能な相手だと思う。ホルダーへのマークが甘いので、ライン間が狭いと感じれば裏抜けから相手を千切ることも充分に見込める。
強いて1つプランを提示するのであれば、ナローに立つことが多いSHの外側だろう。川崎のSBがSHの背後で受けることで割と簡単に2列目に穴を空けられる可能性がある。CBが少し外目につっかけてSHを浮かせられれば、簡単に前進ができるかもしれない。
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大事なのはいい流れを逃さないこと。今はチーム全体にいい緊張感が流れているように見受けられるので、この試合でプレータイムがもらえそうなメンバーも燃えていることだろう。多くの選手に長谷部監督のカラーが浸透していることを感じられる90分にしてもらいたい。