地力の差が表れた終盤の決勝ゴール
KリーグTVでチェックすることが出来るKリーグ。登録は必要であるが無料である。韓国勢と対戦することが多い今季のACLの予習にはうってつけだ。
しかも、川崎がACL初陣で対決する蔚山の相手は2節目で対戦する光州。2つのチームをまとめて予習できるおいしいカードである。
立ち上がりの構図はくっきり。光州が自陣でショートパスをつなぎながら、味方を追い越す勢いでマーカーに向かっていく蔚山に対抗するというスタートだった。光州は立ち上がりこそかなりひっかけていたが、徐々に蔚山のプレスに慣れて左右にボール動かすことが出来ていた。時にはFP6人がビルドアップに参加するなど、後ろに重くなることはある程度受け入れながらも蔚山のプレスをひっくり返すことに力を入れていた。
なお、ここまでつなぎたいチームのホームスタジアムの芝がここまで荒れてしまうと、相当やりにくそうに見える。韓国の芝は結構悪いスタジアムが多そうなので、川崎も蔚山アウェイの際は気に掛ける必要はあるだろう。
光州に比べると、蔚山の戦い方は非常にシンプルだった。CFのカリエロにボールを当てて陣地回復。キープ力のあるターゲットに収めてもらい、裏抜けのタイミングを作るというやり方で反撃に出る。光州に前進をされてからは全速力で戻るという形が基本だった蔚山だったが、ラインを低くしてもお手軽に陣地回復ができるという算段があったのだろう。
試合のアプローチは対照的。プレスを撃退する方法を見つけた光州が敵陣まで押し込んで堅い中央をこじ開けにかかるが、蔚山が跳ね返してカウンターからの反撃をうかがうという流れだった。
後半は互いにボールを持つゆったりとしたスタート。前半は蹴っていた蔚山がボール持つ一方で、光州がファストブレイクの旗手としてハーフタイムに投入した左サイドのエンリケを積極活用し、展開は中庸なものにシフトしていくように。ファウルで止まる時間が多くなったこともあり、後半の中盤までは少し流れがぶつ切りになる時間帯となった。
この時間を乗り越えると、ペースを握ったのは蔚山。サイドからのラインブレイクでチャンスをつかんだルドウィグソンで左サイドを制圧。押し下げる機会を増やすと、高い位置からのプレスでボールを奪い一気に縦に速く進んでいく。この形でボールを引き取ったカリエロのシュートで試合は決着。87分のゴールで蔚山が前に出る。
光州目線で言えば確かにパスミスも残念ではあったが、ミスった後にラインをあげる足が残っていなかったのだろうなと思う。素早くトランジッションする体力が残っていた蔚山とはそこが決定的な差になっていた。
試合はこの決勝ゴールを守る形で蔚山が勝利。均衡を終盤に破り、貴重な勝ち点3を手にした。
ひとこと
蔚山、今年結構強いんじゃないかな。
試合結果
2024.8.25
Kリーグ
第28節
光州FC 0-1 蔚山現代
光州サッカースタジアム
【得点者】
蔚山:86‘ カリエロ
主審:サン・ヒョプチェ