点差以上に感じた局面の差
共に週明けにはACLの開幕戦を迎える両チーム。中位に沈む光州とリーグ戦では5連敗で一気に順位を下げた浦項はどちらもメンバーをそれなりに入れ替えて直接対決に臨む。
ボールを持つのは光州。3-2型のLSBの片上げのようなポジション取りからゆったりとボールを動かしていく。特殊な動きをしていたのは40番のチャンムー。ベースの2トップの位置から大きく下がることで右のSBのようなポジションを取ることが多かった。
このチャンムーの動きを基準にSBやSHが自在なポジションを取る光州。浦項の守備陣は混乱気味でボールを奪いに行くところを見出すことが出来なかった。
ただ、光州も初手のプレスを回避はできるのだけども、敵陣に迫っていくところの迫力に問題があると考えたのだろう。20分も経たないうちに選手交代を敢行。4-3-3の配置に変更を施した。自由に動くチャンムーは中盤がベースとなり、両翼にきっちり幅が取れることでより落ち着いた状況を作る。
一方の浦項はロングボールを主体としたスタート。しかしながら、トップにはなかなか簡単ールが収まらずに苦戦。先述のようにボールを奪うメカニズムはなかったので、何とか長いボールからファウルをもぎ取って陣地回復につなげることが精いっぱいだった。
総じて、光州は保持で落ち着きをもたらしてはいたが、オープンな状況で盤面が流れた時も含めて両チームともチャンス構築の頻度は極端に少ない展開。ジリジリとした状況を破れたままハーフタイムを迎える。
後半も保持での主導権は変わらないまま光州のポゼッションからスタート。浦項が奪いに行けないという構図も含めて全く同じである。
押し込むフェーズを確保した浦項はセットプレーから先制。エンリケのゴールでついにリードを得る。得点を決めてからもハイプレスに打って出ることで浦項のバックラインにプレッシャーをかけていく。
2点目は中盤のトランジッションからギョンロクのミドルで決着。保持だけでなく、動的な局面からでもさらにリードを広げる。浦項はヴェンデルソンが反撃のゴールを見舞うが、総じてエネルギーが足りず、1点のリードであっても特に光州に冷や汗をかかせることが出来なかった。
光州は順当に逃げ切り勝利。浦項はこれでリーグ戦は6連敗だ。
ひとこと
最少差のスコアだけどもチームの力にはかなり差があったように見えた。
試合結果
2024.9.13
Kリーグ
第30節
光州FC 2-1 浦項スティーラーズ
光州サッカースタジアム
【得点者】
光州:48‘ エンリケ, 72’ ヒョンジン
浦項:90‘ ヴァンデルソン
主審:コ・ヒョンジン