塗り替えたワンサイドゲームは最後に結実
ACLを控える代表明けの週末ということで上海申花は金曜夜のホームゲーム開催。ホームに河南を迎えての一戦となる。
立ち上がりからボールを持つのは上海申花。バックスはRSB+CB+アンカーのアマドゥの4枚で3-1を形成してのビルドアップが基本。右サイドはIHの高天意が最終ラインに落ちて、SBを押し上げるアクションも見られた。
ショートパスだけでなく前線へのロングボールも見られているのが上海申花の攻撃の特徴。マレレのパワーとスピードを生かす場面もあれば、トップ下のフェルナンジーニョが左右の裏のハーフスペースに飛び出すアクションを見せるなど、この辺りは多彩である。
河南はバックスへのプレスは控えてカウンターに専念。3トップにボールを当てることで前進を狙っていく。だが、時間の経過と共に上海申花のポゼッションが雑でボールがゆったりしても前進ができることに気づいた感もあり、少しずつ中盤での繋ぎ目から前進していくことができていた。
セットした状態からのプレスは効かないため、上海申花としてはやはり押し下げたタイミングでの即時奪回が効くかが生命線になる。この即時奪回を抜けられてしまうと、河南に押し込まれるシーンも普通に出てくる。シュート数では差がある両チームだが、スタッツほど上海申花が一方的に攻撃を続けて支配しているという感覚はなく、試合は一進一退の様相を呈することになった。
後半早々にチャンスを迎えたのは上海申花。マレレのカウンターでの独走から決定的なチャンスを2連で迎えるが、これは河南のGKがファインセーブ。ゴールを許さない。
後半は少しずつ河南が苦しくなってきた印象。2CHの脇が空くケースが多く、ここを上海申花に起点として使われるケースが少しずつ増えていく。左のSBの陳晉一のクロスが冴えていれば、早々に上海申花にゴールが決まってもおかしくはなかった。
だが、先に試合を動かしたのは意外にも河南。脈絡のないスーパーミドルからついに先制点を奪う。
しかし、すぐに追いついた上海申花。例の左サイドからのクロスの二次攻撃をテイシェイラがミドルで押し込んで同点に。河南は6番の雑なプレゼントパスが致命傷になった。
ここからは上海申花が押しこむフェーズのワンサイドゲーム。一進一退の展開から一方的な攻勢に試合を完全に塗り替える。その一方的な攻勢が実ったのは89分。セットプレーからネットを揺らし貴重な3ポイントを確保。上海海港との優勝争いにおいて大きな勝利を手にした。
ひとこと
順位表を見て思ったほどの支配感はなかったが、最後でセットプレーで仕留めるあたりはリーグ戦では好調のチームなのだなと思う。
試合結果
2024.10.18
中国超級リーグ
第28節
上海申花 2-1 河南
上海体育場
【得点者】
上海申花:64’ テイシェイラ, 89‘ 呉曦
河南:62’ チョヴィッチ
主審:杜健鑫