プレスと機能的な裏抜けを活かした上海海港
ボールを持つスタートとなったのはアウェイのセントラルコースト。バックスから横に振りながらボールを動かしていく。上海海港は積極的なプレスに出て行く。特に2列目はアグレッシブ。中盤がスライドして敵陣でひっかけて、カウンターに出て行く。
非保持からペースを握った上海海港はセットプレーからあっという間に先制。ニアフリックに合わせる形で早々にゴールを叩き込んで見せる。
以降も非保持が効いてペースを握る上海海港。リトリートで自陣に引くところと、敵陣にプレスに出て行くところのメリハリが効いている。セントラルコーストは押しこむ機会を得ることはできてはいたが、人数が揃っている上海海港相手になかなかこじ開けるきっかけを見つけることができなかった。
保持でも上海海港のバランスは良好。9番のグスタヴォへのロングボールや、特に右のウー・レイのスピードを生かしたWGの裏抜けから相手を押し下げる。セントラルコーストはボールを捕まえるきっかけをつかむことが出来なかった。裏抜けに関してはタイミングを多段にずらしていることや、1人の選手の抜け出しによって生まれた影響を周りが使おうとする意識の高さからチームとして上海海港が裏抜けを機能的に使っていこうという姿勢がよくわかる。
劣勢のセントラルコーストはクオルの右サイドから一発裏抜けからチャンスを迎えるが、これを仕留めきれず。反対に相手のラインの乱れを見逃さなかったウー・レイにより、上海海港が追加点を決めることとなる。
後半もペースは上海海港。2列目の移動が多く、保持でテンポを落ち着かせることを念頭に置いた試合運びが光る展開に。特にトップ下のオスカルがかなり位置を下げてボールを触りに行っていた印象だ。
だが、後半はセントラルコーストも反撃。特に印象的だったのは右のSBのルーのオーバーラップ。対面の守備を出し抜く形でのオーバーラップは効果が大きく、逆サイドのクロスに対してはボックス内に飛び込むことも。左サイドで作って右で仕留める格好で前半よりも厚みのある攻撃で上海海港のボックス内を脅かす。
セントラルコーストの追撃弾は左サイドの角度のないところから。オーバーラップを囮に使ってのカットインからのミドルは見事な一撃であった。
中盤を変更することでさらに試合を落ち着かせにかかる上海海港。セントラルコーストペースだった試合は彼らの追撃弾以降は一進一退に。ここまで引き戻せばリードしている上海海港としては上々といったところだろう。
終盤にバルガスのミドルから3点目を取った上海海港。その後、1点を返されてしまうが逃げ切りには成功。勝ち点3というミッションをきっちり手にした。
ひとこと
上海申花に比べると上海海港は結構まともというかクセのない厄介そうなチームだなと感じた。
試合結果
2024.10.22
AFC Champions League Elite
リーグステージ 第3節
上海海港 3-2 セントラルコースト・マリナーズFC
浦東足球場
【得点者】
上海海港:2‘ 李昂,41’ 武磊, 86‘ バルガス
CCM:61‘ ドカ, 90+4’ ドワーティ
主審:サドゥロ・グルムロディ