慎重な入りを咎めたインテルがアタランタを圧倒
マンツーマンで守備に出ることを信条としているアタランタ。しかしながら、この日は王者を前にかなり慎重。前からプレスをかけていくことはなく、後ろに人を余らせるような守り方。人基準の守備を捨てたわけではないが、彼らなりにリスクをとった立ち上がりということなのだろう。
だが、このスタンスは裏目に出た。変幻自在のポジショニングをとるインテルの保持時の形に対して、アタランタは後方を余らせても誰が誰を見るかという分担がかなり怪しくなった。そのため、結果的にインテルのサイドからの抜け出しを許すことに。ディマルコは水を得た魚だし、右サイドからも突破が可能だった。
というわけで序盤の優勢を活かしてインテルはゴールをゲット。抜け出したテュラムがオウンゴールを誘発する。さらにはセットプレーからバレッラがスーパーミドルで追加点を奪うなど、きっちりとスコアに優勢を反映する立ち上がりとなった。
アタランタは2失点以降、少しずつボールを持てるように。WB、ワイドのCBをサイドから押し上げることで2~3枚からクロスを上げることでレテギの高さを生かしていくプランだった。しかし、滞空時間の長いクロスに終始したこともあり、インテルの守備陣もクロスに備えることができていた。
それでもアタランタは左サイドから抵抗。ザッパコスタの押し上げやプレシャニーニのキャリーで揺さぶりながらインテルのゴールに近づく。インテルはカウンターで一気に押し下げるプラン。攻め切るというよりは陣地を回復して仕切り直しを促すという形でアタランタの反撃ムードを断ち切っていた。
後半早々にインテルはさらにゴールを重ねる。アタランタはロングスローから空中戦を跳ね返しきれずにテュラムにゴールを許す。その9分後にも似たような形から失点。崩されるというよりは押し切られる形でインテルに立て続けにゴールを破られてしまった。
アタランタは出鼻を挫かれる展開となったが、4点差になっても前から捕まえにいくことを諦めなかった姿勢は買いたいところ。インテルに対して前半の弱気な姿勢とは別のチームのようなガッチリとしたマンツーで出ていくように。
だが、その姿勢が追撃弾を生むことはできず。インテルは大量4点のリードを守り切るクリーンシートで逃げ切り勝ちを果たした。
ひとこと
立ち上がりのアタランタのらしくない姿勢が個人的には勿体無いように思えた。
試合結果
2024.8.30
セリエA
第3節
インテル 4-0 アタランタ
スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ
【得点者】
INT:3’ ジムシティ(OG), 10‘ バレッラ, 47′ 56′ テュラム
主審:マッテオ・マルケッティ