タレント力に勝るスポルティングの完勝
互いに相手にボールを持たれることは気にしないというスタンスでのスタート。バックラインには無理にプレスをかけずに中盤より後ろでブロックを組むスタートとなった。
まずボールを持つアクションを見せたのはスポルティング。3バックを採用しているチームらしく、ズレを作りながら奥を取る。アタッキングサードに入り込んだ際には王道通りの大外→ハーフスペース攻略という流れである。
一方のシュトゥルム・グラーツもゆったりとしたビルド。こちらも相手の陣形とは噛み合わない2-2のボックスビルドから前進をしていく。ロングボールを使う意識はこちらの方が高かったように見えるが、ターゲットは封じ込まれている感があり、効果的な前進とはいかなかった。
むしろ、ターゲットが効果的だったのはスポルティングの方。目下絶好調のギェケレシュはサイドからスピード勝負で一気にぶっちぎったかと思いきや、中央ではポスト役として機能するなど大暴れだった。
個人のタレント力が上回るスポルティングは順当に先制ゴールをゲット。右サイドのカタモの突破からWB→WBへのクロスからサントスが得点を決める。
先制を許したシュトゥルム・グラーツはジョッタのキープなどポイントを作りながら少しずつ保持からテンポを取り戻しにかかる。しかしながら保持においてはスポルティングも充分に対抗可能。自分たちのターンになれば安易にボールを手放さないので、シュトゥルム・グラーツに一方的に時間を渡すこともなかった。
後半、シュトゥルム・グラーツは前に出て行くポゼッションで勝負に出ることに。スポルティングはプレスに対して真っ向勝負。ポゼッションでの回避でこのプレスを平定しに行く。
さらにはサイドの速い攻撃から裏をとるギェケレシュで追加点をゲット。反撃を返り討ちにしてリードを広げることに。
このゴールでだいぶ試合はスポルティングペースに。広げるポゼッションで両WBを使う形でプレスの的を絞らせないと、主に右のカタモからの仕掛けでゴールに迫っていく。
シュトゥルム・グラーツもシャドーを外した大外からの前進がみられるが、馬力のあるスポルティングのアタッカーによるカウンターの方が威力は上。終盤にはCFのポストとサイドの推進力で再び主導権を握ったスポルティングが押し込む展開が続くように。
結局、試合はそのまま終了。反撃の一手を見つけることが出来なかったシュトゥルム・グラーツはスポルティングに完敗を喫することとなった。
ひとこと
ギェケレシュは確かに圧倒的だった。
試合結果
2024.10.22
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第3節
シュトゥルム・グラーツ 0-2 スポルティング
グラーツ・リーベナウ・シュターディオン
【得点者】
SPO:25‘ サントス, 53‘ ギェケレシュ
主審:ギオルギ・クルアシュヴィリ