10人で見せた姿勢の裏側
リーグフェーズでダークホースとなっているモナコ。しかし、対戦相手はここからもまだまだハード。上位8チームに入るにはまだまだ予断を許さない状況。ホームに迎えるのは近年着実にCLで実績を残しているベンフィカだ。
ボールを持つのはモナコ。CHは縦関係となりザカリアがバックスに入ることで3バックに変形する。ベンフィカは4-3-3からIHが高い位置に出ていくことで4-4-2でのプレスを行うが、それでもモナコは構造的に優位を保っている。
モナコの特徴は中央をこじ開けにいく方向性。ワイドにポジションを取る選手は限られており、中央に絞りながら段差をつけてパス交換を行っていく。ある程度タメができたら仕上げは外。右の大外のアクリウシェからの突破で仕上げにかかる。立ち上がりのベン・セギルの決定機もこの形からだった。
カウンターを狙うベンフィカの破壊力も悪くはなかったが、先制はモナコ。左サイドからの押し込む流れを最後はベン・セギルが仕留めて先行する。
リードをされたベンフィカはプレスの圧力をアップ。ラインを上げて敵陣で回収することで早い段階での相手の攻撃を寸断。敵陣での攻撃機会は増加する。ショートカウンター、セットプレーでチャンスを作るベンフィカだったが、スコアを動かすことはできず、ビハインドのままハーフタイムを迎える。
後半、モナコは2列目を前半以上にインサイドに絞らせることで中央突破のプランを強化。エンボロの背負う力やアクリウシェの突破力で狭いスペースをこじ開けて決定機を作っていく。
しかし、決定機をしのいだベンフィカは相手のミスに乗じて同点に。エンリキのバックパスのミスを掻っ攫ったパヴリディスが無人のゴールに押し込む。
さらに、モナコはCBのシンゴが2枚目で退場。10人での残り時間での戦いを余儀なくされる。それでもモナコは怯まずに4-4-1で高い位置からのチェイシングを継続。さらには勝ち越しゴールまで。左サイドのマウィサのオーバーラップから作り出した流れをマガッサがミドルで仕留める。
以降もアグレッシブな守備で敵陣からのチェイシングを見せたモナコだが、自陣に押し込まれるとクロス対応に苦慮。前に入られたエンリキはオフサイドでなんとか見逃されたが、交代で入ったマウィサも同じようにクロス対応で後手を踏んで失点。
さらには逆サイドからのファークロスにも対応できずに勝ち越しゴールを許してしまう。最後までアグレッシブな姿勢を忘れなかったモナコだが、ベンフィカの圧のある攻撃に最後は屈してしまった。
ひとこと
10人でもアグレッシブな姿勢は目立ったが、裏を返せば押し込まれると苦しいことがわかっていたのだろうなとも思う。
試合結果
2024.11.27
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第5節
モナコ 2-3 ベンフィカ
スタッド・ルイドゥ
【得点者】
ASM:13‘ ベン・セギル, 67′ マガッサ
BEN:48′ パヴリディス, 84′ カブラル, 88′ アムドゥニ
主審:ラデ・オブレノヴィッチ