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「ライス、ライス、ライス」~2024.9.19 UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ 第1節 アタランタ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第1節
2024.9.19
アタランタ
×
アーセナル
@スタディオ・アトレティ・アズーリ・ディターリア

予習

セリエA 第2節 トリノ戦

セリエA 第3節 インテル戦

セリエA 第4節 フィオレンティーナ戦

予想スタメン

展望

アグレッシブなスタイルの中心となる3トップ

 愛すべき32チーム制の美しいフォーマットに別れを告げ、今季からは新しい大会形式となるUEFAチャンピオンズリーグ。試合数増加によるスケジュールを圧迫、わかりにくそうな終盤の勝ち上がり条件など、新しいフォーマットに魅力を感じることが出来るかは不安であるが、嘆いていても仕方がない。今年も欧州の旅を存分に楽しみたい。

 そんな新フォーマットの記念すべき初戦となる相手はアタランタである。2016年のガスペリーニ就任以降、中位から上位争いにジャンプアップしたアタランタ。直近6年のリーグ戦の成績は5回が5位以上と安定感は抜群。一時的な躍進ではなく、きっちりと力をつけて長いスパンで力を発揮することができている。

 特徴的なのは何といってもマンツーマンがベースとなるアグレッシブな守備である。高い位置から相手を捕まえに行き、なるべく敵陣に近い位置でボールを奪うと、カウンターから一気に攻撃を完結させに行く。後方を同数で受けることの躊躇はなく、降りる選手に対して迷わず前から捕まえに行ける。誰か一人でも意思がブレれば崩れるし、後方を同数で受ける対人の強さがなければ成立しない。そういうアグレッシブなスタイルを長年安定して継続しているのは力がある証拠だろう。

 ボール保持においては3人のCBのうち、2人がGKを挟む形で後方は3枚となることが多い。サイドにバックスから人を押し出して枚数をかける動きが多く、抜け出すDFが高い位置で攻撃に絡むことも少なくない。このあたりもガスペリーニらしいアグレッシブなプランが見られるとことである。

 ただ、今季に関して言えばここまではそのアグレッシブさはやや薄らいでいる気もしないでもない。3節前のトリノ戦ではイリッチにハイラインを破られ続けて敗戦。その教訓を踏まえてか、2節前のインテル戦では前から当たることをせず、枚数をかけてのブロック守備で後方を余らせた。

しかし、そうした慎重な姿勢はインテル戦では裏目に出た。後方が余ったからといってマークがタイトになるわけではなく、インテルの抜け出す選手への対応はあいまいなまま。前からの圧力が下がった反面、後ろでの迎撃が上がらないままという悪いところ取りで次々と失点を続けて大敗してしまった。

 フィオレンティーナ戦ではやや通常運転に戻したものの、前からのプレスはやや甘さを残しているかなという感じもしないでもない。前線から中盤はメンバーが入れ替わっている影響もあるのだろう。

 新加入のレテギは攻撃では中心的な存在を果たしている。高さの点ではアドバンテージが取れており、味方からのふわりとしたクロスは彼の空中戦に対する信頼の証だろう。

 シャドーのデ・ケテラエル、ルックマンのコンディションもよさそう。中でも前節スターターに返り咲いたルックマンは体のキレが良好。スペースがある状態では特に存在感を発揮し、目の前にいる相手に置き去りにしてゴールまでもっていくことが出来る。後方からのベッラノーヴァの出足の良さもフィオレンティーナ戦では際立っていたため、前線がタメを作れば彼を活用することもできる。ハイラインの相手に対しては前の3枚にいい形でボールを渡せるかどうかがアタランタの攻撃の成否を分けることになるだろう。

トランジッション解禁の構え

 アグレッシブな対戦相手ということでアーセナルにとっては、トッテナムに続いてハードな相手。シティ戦を前に非常に難しい相手との対戦が組まれたし、倒すのにとてもエネルギーがいる相手であるという印象だ。

大事になるのはトランジッションへの対応。アタランタの攻撃でもっとも怖いのは後方にスペースがある状態でアタッカーに前を向かせてスピードに乗らせることである。特にルックマンに関してはなるべく早い段階で潰す必要がある。

 よって、縦パスに対しての初動のアクションが大事になる。プレスに出て行って潰すことをためらえば、一気に後退を余儀なくされるだろう。

そのためには前線からのプレスは重要になる。ライスの復帰は前から追うというノース・ロンドン・ダービーでは封印していたプランを解禁する契機となるだろう。ラインを高く維持する時には前線がパスコースに制限をかけながら、中盤とバックラインがボールを捕まえやすくする手助けをする必要がある。

 ボールは刈り取ることが出来れば理想ではあるが、遅らせることが出来れば十分だろう。サイドの連携はまだシーズン序盤ということもあり、完成度は高くない。ズレを作り出す前に早めにレテギの高さに祈るクロスを上げることが多い。これで壊し切れるチームもいるだろうが、アーセナルはインサイドの高さには一日の長がある。ターゲットが絞れているのであれば、そう簡単にはフリーでシュートを打たせることはしないだろう。なので、最低限初手で遅らせることは念頭に置いておくべきだ。そうすれば撤退守備で多少は落ち着いて跳ね返す計算は立つだろう。

 逆にサイドを動かされてしまうようなことがあるとピンチになる。ここもCHにライスが入る分、機動力は効くと思うのでバックスに落ちて後方をサポートする動きも重要なとなってくるだろう。前節休んだ分、前に後ろに動き回る役割を期待したい。

 保持においてはまずはインテル戦のようにこちらにビビッてブロックを組むことを優先してくれれば楽になる。後方の数を増やして守る形に関してアタランタはあまり得意ではないので、押し込みながら両WGを中心に抜け出すアクションからボックス内に穴を空けていくといういつもの形を踏襲したい。

 普段着通りにハイプレスに来た場合は後方のラヤという+1を使いながらスムーズに前進を狙っていきたいところ。前線に当てて、後方の選手が攻めあがるところで後手を踏むと、アタランタは一気に苦しくなる。ここでも後方からのライスの攻め上がりの鋭さはキーになるかもしれない。

 攻守ともにトランジッションベースでも問題がなさそうといえるのはライスの存在の大きさゆえだ。復帰していきなりライス、ライス、ライスと書きまくっていて忍びないが、出場停止の分の大暴れでエティハド決戦に弾みをつけたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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