多くの局面で互角に渡り合う高レベルなスコアレス
第1節からポット1同士の好カード。イングランドとイタリアの王者がマンチェスターで相見える開幕節となった。
試合の展開は非常にはっきりしていた。インテルの5-3-2ブロックにシティが打ち壊すきっかけを見つけることができるかどうか。シティは2トップの脇にSBを置くところからきっかけを探す。だが、インテルもこれは当然織り込み済み。IHの出ていく動きからスムーズに大外のダブルチームに行く動きは非常に洗練されており、シティのこの日の仕事は困難になることを示唆していた。
インテルはこのIHの動きに連動したワイドのCB、そしてアチェルビの動きが非常に見事。シティの得意なポケットへの侵入を許さない。左サイドはレーンの変更からわずかにチャンスを作れそうな感もあったが、より定点気味の右サイドはサヴィーニョの突破は効かずに苦戦。ブロック守備攻略のキーマンのロドリもやや精度を欠く内容となっていた。
ボールを持つターンになるとインテルはカウンターで縦に速く進む形と保持で落ち着かせる形を両刀で使っていく。保持の際にはバックスに中盤が落ちて、代わりにバストーニが入るというインテルらしい不定形の動きでシティのプレスを回避する。
インテルで唯一気になったのは速攻の精度だろうか。ややラインに沿う動きが多く、緩急が少ない。マイナスをうまく使えればシティのゴールはより脅かすことができたことだろう。
前半終了間際に負傷したデ・ブライネを含めてシティはハーフタイムに2枚の選手を入れ替え。大外のベルナルドにより変化をつけた右サイドから勝負を仕掛けていく。
しかし、インテルの守備は好調。前半に引き続き的確なスライドからマンチェスター・シティの攻撃を封鎖していく。
インテルの保持におけるクリティカルさは前半以上。左サイドを軸にシティのプレスを引きつけると降りるFWへの縦パスからの脱出で右サイドのポジトラの鋭さからチャンスを作っていく。シティはグリーリッシュとグバルディオルといった左サイドのネガトラでなんとか踏ん張る展開に。
前線をリフレッシュすることで脚力を回復したインテルがゴールに迫るという点では終盤に向けて盛り返す傾向に。シティもゴールに向かうがハンダノビッチのセービングは強力。ゴールを生み出すことができない。
固い守備を前にスコアを動かせなかった両チーム。開幕節はスコアレスドローでの発進となった。
ひとこと
インテルの多様さは今季も健在。シティをあらゆる局面できっちり苦しめた。
試合結果
2024.9.18
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第節
マンチェスター・シティ 0-0 インテル
シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム
主審:グレン・ニーベリ