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「CBの守備範囲がカギになる」~2024.11.2 プレミアリーグ 第10節 ニューカッスル×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第10節
2024.11.2
ニューカッスル(12位/3勝3分3敗/勝ち点12/得点9 失点10)
×
アーセナル(3位/5勝3分1敗/勝ち点18/得点17 失点10)
@セント・ジェームズ・パーク

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でニューカッスルの2勝、アーセナルの8勝、引き分けが1つ。

ニューカッスルホームでの成績

過去10回の対戦でニューカッスルの3勝、アーセナルの7勝。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • ニューカッスルは直近3試合のプレミアのホームでのアーセナル戦で2勝。それ以前の19試合と同じ勝利数。
  • 18戦17勝のランを記録した後、アーセナルは直近5試合のニューカッスル戦で3回ポイントを落としている。
  • アーセナルの昨季の初のリーグ戦の敗戦はニューカッスルとのアウェイゲーム。アンソニー・ゴードンのゴールは1-0。
  • ニューカッスルは勝てば、93-94,95-96に続きプレミアにおけるホームのアーセナル戦2回目の連勝。

スカッド情報

Newcastle
  • アレクサンドル・イサクとアンソニー・ゴードンはフィットネステスト。
  • ジェイコブ・マーフィーはミッドウィークの試合をハムストリングの負傷で欠場。
  • ジャマール・ラッセルズ、スヴェン・ボットマン、キーラン・トリッピアー、カラム・ウィルソンは欠場。
Arsenal
  • ベン・ホワイト、ガブリエウ・マガリャンイスは状況を注視する。
  • ウィリアム・サリバは出場停止から復帰。
  • マーティン・ウーデゴール、リカルド・カラフィオーリは引き続き欠場。ウーデゴールは代表ウィーク前にカムバックする見込み。
  • 冨安健洋は11月の代表ウィークまでは欠場予定。

Match facts from BBC sport

Newcastle
  • 開幕直後の12ポイントのうち10ポイントを確保したが、それ以降の5試合で2ポイントしか取れていない。
  • 勝てなければ2022年9月にマークしたエディ・ハウ政権の未勝利記録である6試合に並ぶ。
  • 負ければハウ政権2回目のホームでのプレミア連敗。
  • ハウは監督としての公式戦のアーセナル戦17戦で11敗(W3,D3)。
  • 無得点で終われば2020年のスティーブ・ブルース時代以来のホームでのリーグ戦2試合連続無得点。
  • ブライトン戦の敗戦でリーグにおけるホーム戦の無敗記録が11で止まった。
  • 14.3のxGに対して、決めたゴールは9。マイナス方向でこれ以上に大きな差異を出しているのは14.8のxGで8得点のマンチェスター・ユナイテッドだけ。
  • アレクサンドル・イサクはプレミアにおいて133分に1得点を決めており、これより少ない記録は121分に1得点のアンディ・コールのみ。
  • イサクは直近11試合のセント・ジェームズ・パークの試合で11得点。
  • ハーヴィー・バーンズはアーセナルと対戦した公式戦10試合全てで得点もアシストも記録していない。彼個人としては最も多くの対戦をして得点に関与できていない相手。
Arsenal
  • リバプールに次いで、トップリーグ2000勝に王手。
  • 直近7試合のリーグ戦においてリードしている状況から7ポイントを落としている。それ以前は8試合連続でリードからポイントを落としていなかった。
  • アウェイでのリーグ戦連敗となれば、トッテナムとニューカッスルに続けて敗れた2022年5月以来。
  • 直近5試合のプレミアで9失点。2024年のそれ以前の22試合のリーグ戦ではわずか10失点だった。
  • PKを除くセットプレーで5得点を挙げておりリーグハイ。しかし、セットプレーからの失点も40%でありリーグで最も高い割合。
  • プレミアデビュー以降、ウィリアム・サリバ不在のリーグ戦は12試合でクリーンシートは2つ。
  • ブカヨ・サカは今季出場した8つのリーグ戦で少なくとも1つの得点に関与している(3G,7A)。
  • サカは27回のチャンスクリエイトを記録しており、リーグハイ。
  • ラヒーム・スターリングが得点をすればセルヒオ・アグエロ(15)、ウェイン・ルーニー(15)、マイケル・オーウェン(13)、アンディ・コール(11)に続きニューカッスル相手に2桁得点を記録した5人目の選手となる。
  • ミケル・メリーノは17-18のニューカッスル時代に24試合の出場で1得点を記録。
  • ミケル・アルテタはアーセナルの指揮官としてニューカッスルに7勝。これより多く勝てているのは8勝を挙げているウルブスだけ。

予習

第7節 エバートン戦

第8節 ブライトン戦

第9節 チェルシー戦

カラバオカップ 4回戦 チェルシー戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

リヴラメントの移動が前線を活かすきっかけに

 なんで日程がこんなことになっているのかがわからないが、アーセナルは今季2回目の炎のアウェイ連戦。前回がトッテナム→アタランタ→マンチェスター・シティだったが、今回はニューカッスル→インテル→チェルシー。ロンドン・イギリス北部・イタリアと成分的に割と同じである。相手の歯応え的もめんどくさい相手が続く試練の1週間である。

 かつてはニューカッスルといえばお得意様であったが、セント・ジェームズ・パークにおいては直近3年で2敗と苦しい戦績。風向きは変わりつつある厄介な相手だ。

 そのニューカッスルだが、リーグ戦で言えば5試合勝ちがないという苦しい時期を過ごしている。チェルシーやシティをはじめとして確かにこの5試合はタフな相手が多かったが、1つも勝てないというのは誤算。好スタートを切った貯金を使い果たし、すでに順位はボトムハーフの12位となっている。

 大きく調子を落としているというよりは試合ごとに詰めの甘さを露呈して要所でリズムを悪くしているというイメージが強い。明確に吹き飛ばされた感があるのはフラム戦くらいだろう。あとは食らいつきながら試合はできている。

 基本的なフォーメーションは4-3-3。保持においてはRSBがインサイドに入るアクションから3-2-5に変形する。特にリヴラメントが右に入る時にこの動きは顕著。中盤においてアウトナンバーとなり横断から逆サイドの1on1を演出することができている。

 ただし、ニューカッスルの右の大外は左に比べるとピン留めの威力は弱い選手が起用されることが多く、対面の選手が迷いなくリヴラメントを消す動きをする場合もある。ニューカッスルのバックスは時折強引なインサイドへのパスが見られるので、捕まっているリヴラメント起点で失点を喫してしまうことも多い。

 ただ、リスクを冒してでも後方でアタッカーに時間を作れるかどうかが重要な側面はある。トランジッション局面以外で言えば、インサイドに絞るリヴラメントか左サイドのIH、WG、SBの3枚のポジションチェンジのどちらかがメインストリームという印象だ。

 昨季に比べると特にイサクは若干調子を落としている感もあるが、前節欠場したゴードンがカラバオカップで復帰したのは朗報。ポジション問わず活躍することができているマルチなアタッカーが帰って来たことはアーセナル撃破に向けては好材料だ。

 非保持は4-5-1にしつつ高い位置からプレスを狙いにいくスタンスを見せる。チェルシーとのカラバオカップではこの積極的なプレスからショートカウンターで先制点を生み出し、試合の主導権を握ってみせた。

 その一方でより割り切った5バックを組むことも。通常であれば、SHのどちらかが大外に入るか、アンカーが最終ラインに吸収される形を取ることも多いが、このニューカッスルにおいては最終ラインに入るのはジョエリントンと相場が決まっている。IHから大外のWBに入るという変わった移動で5バックを形成する。

 ちなみにカラバオカップのチェルシー戦での後半は右のWGに入っているジョエリントンがそのまま大外に落ちている。ポジションに関わらず落ちるのはジョエリントン。保持ベースのチーム相手には割と積極的にやっている印象なので、アーセナル戦でもジョエリントンを移動させての5バック化が見られる可能性はあるだろう。

ハイプレスとロングボールできっかけを作れるか

 サリバが出場停止から復帰し、ガブリエウも軽傷の見通し。ティンバーも含めてリバプール戦の最後はクライシスとなっていたバックラインはなんとか厳しい連戦に立ち向かえそうな陣容になってきた。前線は復帰を間近に控えると噂されているウーデゴールが唯一の欠場者。リーグ戦でやや後手を踏んだリカバリーをここから行っていきたいところだろう。

 強度勝負となりやすいニューカッスル戦において、国内カップ戦直後という差が出にくいタイミングなのも朗報。両チームのカラバオカップのメンバーを比較すると、ニューカッスルの方が相手の強度が高く、リソースを注いだ感。ホーム連戦となるアドバンテージとトントンになるくらいだろうか。

 プランとしては当然先制点が欲しいところだろう。今のニューカッスルはトランジッションの迎撃に脆さがある。シェアとバーンのCB陣は行動範囲を広くするとエラーを引き起こしやすく、ハイラインに適しているとは言えない。トリッピアーよりもリヴラメント、ホールといった面々のプレータイムが増えているSBも攻撃色が強く、守備でこうした穴を埋めるのには適してはいない。ジョエリントンを組み込んだ5バック化はこうしたバックスの可動域を制限してCBを跳ね返しに専念させることでプロテクトする形を作りたいという意図もあるのだろう。

 アーセナルとしてはビルドアップで味方の中盤を引き込み、バックスに広い範囲を守らせた形でハヴァーツ、サカ、マルティネッリの長いボールの手応えを確かめたい。ショートパスであれば、アーセナルが今季得意なCHのサイドフローから中盤を横に広げる形のきっかけとなるスペースは存在する。

 ただし、ニューカッスルは3センターなので、2センターと比べると横に広げても簡単に穴は空かない。どちらかといえば、スライドさせて逆サイドを使ってWGの突破を意図しつつ、ジリジリと相手の3センターの体力を削るイメージの方がいいかもしれない。

 もう1つアーセナルが狙いたいのはハイプレスだろう。リヴラメントの移動をどちらのチームの利に持って来れるかが重要なポイント。絞るリヴラメントを捕まえることでひっくり返す形からゴールを奪えれば最高である。

 逆に避けたい流れは先手を取られてジョエリントン式5-4-1に専念されるケース。要はCBの行動範囲を狭く制限できる場合、ペースはニューカッスルに傾くイメージである。

 ニューカッスルが引いて受ける盤面であればキーポイントとなるのは当然アタッカーのロングカウンター。シティも苦しめたゴードンやイサクのカウンターに対して、アーセナルがどこまで立ち向かえるかだろう。ガブリエウ、サリバ、ライス、トーマスというセンターユニットの迎撃の強度は個人的にはシティより上だと考えている。仮にリードをされたとしても地道に切り崩しながら、敵陣を壊すターンにフォーカスする状況を整えたい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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