10人らしからぬリバプールの落ち着き
マージー・サイド・ダービーの中止で思わぬ形で日程に行きつく間が出たリバプール。今節は心機一転、ホームでフラムを迎える一戦を迎える。
リバプールは前6枚での誘導でのプレスを敢行。ボールを奪うと大きな展開からピッチを広く使いつつ、敵陣に侵入していく。落ち着いた入りのように見えたリバプールだったが、先制点を決めたのはフラム。リバプールのお株を奪うかのような大きな展開からペレイラがゴールを奪って先制。早々に試合を動かす。
3-2-5の保持を標榜するフラムは右サイドでスターター起用をされたウィルソンの裏抜けから攻撃を組み立てていく。フラムの得点を生み出したのが、大きな展開からサイドアタックであるのならば、ウィルソンの裏抜けが生み出したのは数的優位。17分に右サイドを抜け出してロバートソンを退場に追い込む。
序盤は高い位置から積極的なチェイシングを繰り広げていたフラムだが、先制点×数的優位の掛け合わせで少し落ち着いた感があった。ウィルソンとロビンソンが左右で背後を取ることで鋭さを見せる場面はあったが、保持をしながら攻め続けることにそこまでこだわる感じはしなかった。
10人となったリバプールは左右アシンメトリーでSBを空位にした感があった。明確な代役を置くというよりは3センターが微妙に裁量をそれぞれで広げることで管理できる持ち場を大きくするようなイメージを特に保持の時には持っていた。10人での即興でのプレーだと思うが、このバランスの良さには個人的には舌を巻いた。
保持で押し込むフェーズを作れないフラムは4-5-1~5-4-1の合いの子でジリジリと下がって受けに行く。ブロック攻略を押し付けられたリバプール。サラーを軸とした攻撃の構築でゴールに迫るもスコアは動かせないままだった。
後半早々に追いついたリバプール。サラー→ガクポのクロスがささり、47分に追いつく。フラムはイウォビとロビンソンが一瞬譲り合うようなそぶりを見せてしまい、その分サラーへのアプローチが遅れてしまう。
スコアが展開に影響を与えることはなし。引き続きリバプールは押しこむチームっぽい対応になっていたし、フラムの攻め手はサイドから裏が基本線となっていた。
徹底していた形が実ったのはフラム。サイドからのファストブレイクがようやくギャップを生み出し、最後はムニスが勝ち越しゴールを決める。
押し込むことで終盤に何とか勝ち点を取りたいリバプールはライン間のジョッタをきっかけに同点ゴールをゲット。フラム目線で言えば出場停止のバッシーがいれば、このようなライン間に対してのアプローチはもっと手堅くできていたかもしれない。
終盤に追いつくことで何とか勝ち点1を確保したリバプール。10人でのプレーを余儀なくされる中で最低限の目標は達成した感じといえるだろう。
ひとこと
10人でもリバプールはバランスが良かった。もうちょっと前がかりになるかなと思ったけどもうまい舵取りだった。
試合結果
2024.12.14
プレミアリーグ 第16節
リバプール 2-2 フラム
アンフィールド
【得点者】
LIV:47’ ガクポ, 86‘ ジョッタ
FUL:11’ ペレイラ, 76‘ ムニス
主審:トニー・ハリントン