Fixture
明治安田生命 J1リーグ 第26節
川崎フロンターレ(5位/勝ち点41/10勝11分4敗/得点38 失点24)
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ジュビロ磐田(18位/勝ち点18/4勝6分15敗/得点18 失点36)
@等々力陸上競技場
戦績
近年の対戦成績
直近5年間の10回の対戦で川崎が8勝、磐田が1勝、引き分けが1つ
川崎ホームでの戦績
直近10試合の対戦で川崎が6勝、磐田が3勝、引きわけが1つ。
Head-to-Head
Head-to-Head①
【公式戦での対戦成績】
・公式戦における両チームの対戦は過去32戦で川崎が16勝、磐田が12勝、ドローは4つ。
・直近11試合のこの対戦において川崎が敗れたのは一度だけ(W8D2)。
通算の対戦成績は川崎が優勢。直近の成績を見ると、近年のチームの成績通りに徐々に川崎が磐田相手に勝利を挙げる回数が増えていっている。
Head-to-Head②
【2年連続のシーズンダブル】
・直近5試合の対戦において磐田はすべて複数失点を喫している。
・川崎が勝利すれば、磐田相手にクラブ史上初の2年連続シーズンダブル達成。
昨シーズン、磐田を入れ替え戦送りにした最終節に代表されるように、ここ数試合の磐田は常に川崎相手に複数失点を喫している。仮に今節磐田が敗れれば、川崎は磐田相手に史上初の2年連続のダブル。
ちなみにだが、川崎は磐田に勝利すれば大分に続いて今季2チーム目のダブル達成。今季ダブルを達成できる可能性を残している対戦相手は神戸と湘南のみ。昨季は7チーム相手に達成したダブルだが、今季は現段階ですでに最大4チームしかシーズンダブルは達成できる可能性がない。
Head-to-Head③
【ホームでも直近の優勢は変わらず】
・川崎ホームでの試合に限れば過去16戦で川崎が7勝、磐田が7勝、ドローが2つ。
・直近8試合の川崎ホームでの対戦で川崎は6勝を挙げている。
ホームでの対戦成績は互角。川崎が直近の対戦成績で盛り返しているのは通算の対戦成績と同じである。インパクト抜群だった17年の2-5の大敗の印象は強いかもしれないが、数年単位で見れば磐田は等々力で苦戦しているといえそうだ。
Head-to-Head④
【1点差で川崎が勝つ?】
・直近8試合の川崎ホームでの対戦は一度を除き、全て1点差でどちらかのチームが勝利している。
・どちらかが16位以下で対戦するのは6回目。以前の5回はすべて16位以下にいるチームが敗れている。
こちらも17年の2-5の大敗と近年のチームの順位を見れば結構意外なデータかもしれない。この試合は1点差でどちらかのチームが勝利することが多く、直近ではドローもない。ドロー沼な等々力とのほこたてですね。
どちらかが16位以下に位置したタイミングでの試合はこれで6回目。これまでは磐田が4回、川崎が1回の計5回下位に沈んだタイミングでの対戦があったが、結果は全て上位にいるチームが勝利を挙げている。
【川崎フロンターレ】
選手情報
・大島僚太、ジェジエウ、藤嶋栄介、齋藤学、安藤駿介は離脱中。
・奈良竜樹は全体練習に合流済み。
Match Facts
川崎のMatch Facts①
【複数得点と未勝利を止めよ】
・リーグ戦6試合連続で未勝利
・リーグ戦直近6試合で5回の複数失点。
リーグ戦は6試合未勝利。13年の開幕以来6年ぶりの停滞になるわけだが、この時の未勝利は6でストップ。等々力で仙台を下してシーズン初勝利を挙げた。これを超えるとさらにさかのぼってデータを探さないといけないので、本当に勘弁してほしい。
停滞の要因は失点の増加だろう。開幕から19試合で一度しかなかった複数失点はここ6試合で5回。昨年の年間でのリーグでの複数失点が7回だけだったことを考えれば非常に多いと言わざるを得ない。
川崎のMatch Facts②
【ドロー沼等々力】
・ホームゲームでの敗戦は3/17のG大阪戦が唯一
・今季のリーグのホーム戦は3勝のみ。これより少ないのは松本と磐田だけ。
ホームでは負けても勝ってもいないというデータ。負けは1敗で最小だけど、勝ちは松本と磐田しか下回ってない。繰り返しになるがひたすらドロー沼である。ホームでの9引き分けはリーグ最多だし、そもそもホームアウェイかかわらず2桁引き分けているチームは川崎以外には、怒涛の引き分け積み上げ修行を行っていたG大阪しかいない。
川崎のMatch Facts③
【得意な相手でリズムを取り戻せるか】
・等々力でのルヴァンカップ名古屋戦の勝利は公式戦今季3回目のホームでのクリーンシートでの勝利。
・対静岡県とのリーグ戦は8戦無敗。
少ないのがクリーンシートでの勝利。スコアレスでのクリーンシートは割とあるのだが、等々力で勝利を挙げてクリーンシートを達成したのは先日のルヴァン名古屋戦が今季3回目。リーグ戦に限れば、湘南をホームに迎えた試合が唯一。去年はホームでのリーグ戦では7回のクリーンシートでの勝利を達成したことを考えれば、非常に物足りない数字である。まぁ3回しか勝ってないしね。
相性がいい相手にもガンガン引き分けているのが今年の等々力なので何とも言えないところはあるけど、静岡勢に関しても相性はいい。対静岡勢は8戦負けなし。直近の清水戦のドローを除けば全勝である。直近を除いちゃうの不安要素ですよねわかります。2-5の大敗以来は負けてないし、ドローが少ないカードとなればこれはもう・・・・ね!
川崎のMatch Facts④
【2つの牙城が崩れる?】
・リーグ戦4試合連続の複数失点はチョン・ソンリョンにとってキャリア初めてのこと。
・脇坂泰斗がゴールを決めた公式戦は今季すべて勝利。
チームの調子とともに気になるのは長年チームを支えてきたベテランのパフォーマンス。中村憲剛や家長昭博も気になるのだが、最近気になるのはチョン・ソンリョン。もともとハイラインに適したタイプとは言い難いのだが、それでも持ち前のショットストップと安定感でチームに勝ち点をもたらし続けてきた。しかし、直近の試合では動きに重さが目立つ。チームを救うようなセーブと「止められたのでは?」といいたくなるゴールの比率が以前とは変わっているように感じる。もちろん、GKだけの責任ではないが、リーグ戦4試合連続の複数失点はソンリョンのキャリアにおいて初めてのこと。少々気がかりだ。
ソンリョンに心配な意見がサポーター内で出始めたのは、ルヴァンカップでGKを務めた新井がハイパフォーマンスを見せた事も一因だろう。ゴールマウスで存在感を見せたのが新井なら、フィールドプレイヤーとして存在感を見せたのが脇坂。今回も貴重な先発の機会を結果に結びつけ、活躍を印象付けることができた。絶対数こそ少ないものの、1ゴールを決めるのにかかっている時間はレアンドロ・ダミアン(135分)に次いで、チームで2番目に少ない(137分)。彼がゴールを決めた公式戦は4戦全勝で、ゴールかアシストを決めた6試合では無敗となる。ルヴァンカップで存在感を見せた脇坂はリーグでも出場時間を確保できるだろうか。
【ジュビロ磐田】
選手情報
・大井健太郎、山田大記は離脱中。
・川又堅碁は全体練習に合流。
・ファビオは別メニュー調整。
Match Facts
磐田のMatch Facts①
【調子が上がらない】
・勝利数、敗戦数共にリーグワースト。
・今季2度目のリーグ戦6試合未勝利。
停滞する川崎以上に苦しくなっているのが磐田。勝利数と敗戦数がワーストで文句なしの最下位に沈んでおり、監督交代を繰り返しながらもショックでパフォーマンスが上がることもない。残留に向けて、この中断明けがラストチャンスとなることは間違いない。
磐田のMatch Facts②
【ぐぬぬ】
・名波解任後のリーグ戦1試合平均勝ち点は0.5。
・トップハーフ相手のアウェイゲームは今季6戦未勝利
監督交代の効果は少なくとも現状には勝ち点に結びついていない。名波監督退任後のリーグ戦での平均勝ち点は0.5。名波時代のJ1の119戦の1試合平均勝ち点(1.25)より0.75少ないことになる。さらに言えば、トップハーフ相手のアウェイゲームも大の苦手。今季は未勝利で広島相手に引き分けたのが唯一の勝ち点を得た機会となる。
磐田のMatch Facts③
【光明はアウェイと後半追加タイム】
・アウェイでは今季3勝を挙げており、ホームよりも1試合平均勝ち点は多い。
・後半追加タイムでの得点(6)がリーグ最多。
磐田にとって光明は今季はアウェイの方がホームより成績がいいこと。ホームでは今季のリーグでは1勝のみだが、アウェイではすでに3勝を挙げている。ちなみに、ホームとアウェイにかかわらず、今季の勝利はすべてクリーンシート。無失点を維持しながら相手がしびれを切らすのを待つ形が多いのだろうか。
そして際立つのが後半追加タイムでの得点力。90分以降に取った6得点はリーグ最多。何なら前半(5)よりも点とってるし、追加タイム以外の後半(7)ともほぼ変わらない。捨て身の磐田は怖い。。
磐田のMatch Facts④
【こちらもスタッツが気になる守護神】
・中山仁斗は出場時のチーム平均得点、スタメン時の平均勝ち点が共にチーム最多。
・カミンスキーはここまでのリーグ戦でクリーンシートが6試合。
後ろの「展望」の項ではルキアンの名前を連呼してしまったが、出場時の勝ち点でいえばチームを牽引しているのは中山。出場時の平均得点は1.70(チーム平均:1.06)、スタメン出場時の平均勝ち点1.54(チーム平均:0.94)は共にチーム最多。ルキアンという新戦力が加入したが、彼にも出番はあるだろうか。
川崎の項でソンリョンを取り上げたが、やや振るわないのはカミンスキーも同じ。チーム状況も関与するため、クリーンシート数だけで調子をはかるのはフェアじゃないかもしれないが、昨季の同時期は9試合、一昨季は10試合だったクリーンシートは6試合まで減少。ソンリョン同様チームを救うビックセーブの頻度が以前より少ない感じがするのはやや心配である。
予想スタメン
展望
■未整備の間のスペースが狙い目
名波浩に続き、体調不良で鈴木秀人が辞任。今季二度目の監督交代を実施し、フェルナンド・フベロが新監督に就任したのが8月下旬の話である。就任してここまで2試合を経験したが、現状では勝ち点はおろか得点をチームにもたらすことができていない。そんなフベロのチームに与えられた2週間のインターナショナルブレイク。就任後初めてのまとまった期間でチームのやり方が変わる可能性もあるだろう。まぁそんなことを考えても仕方ないので、広島戦を参考に磐田の戦い方を考える。
ベースとなるのは4-2-3-1。守備時には4-4-2のブロックを形成する。4-4-2に合わせてリトリートしていくことは決まりごとになっているのだが、マークの受け渡しやボールに合わせてのスライドなどはまだ整備が行き届いていない印象を受けた。前節対戦した広島はフォーメーションとしてかみ合わない3バックを採用していたのだが、特に対応に苦慮していたのが磐田のFWの後方、CHの前方に位置する相手の中盤の選手のケア。針谷やムサエフが捕まえようと出ていくと穴になってしまったスペースを埋めるメカニズムがない。2列目の横や、DF-MF間には相手選手が受けられるスペースがかなりできていた。
というわけで個人的にはルヴァンカップで好感触だった知念+ダミアンの2トップで裏抜けを軸にオープンスペースを攻略していくのではなく、間のスペースを破壊しやすい1トップ+トップ下の方が望ましいかなと考える。特に、直近で結果を出しているのが脇坂泰斗。出場時間こそ限られているものの、結果をコンスタントに出している脇坂の起用を望む声は大きいだろう。
■ルキアンにはご用心
ボール保持における磐田はオーソドックスな2CBと2CHにおけるもの。配置においての特徴的な工夫は特には見られない。2列目のポジショニングに合わせてSBは合わせる動きを取る。アダイウトンが内に絞れば、SBが後方から大外のレーンをかけ上げるというような具合だ。
磐田の攻撃は2列目が前を向くことにおいて攻撃のスイッチが入る。まだ攻撃のパターンは整備されている印象はなかったものの、気になったのは新加入のルキアン。G大阪戦の退場のせいでてっきり面白外国人枠なのかと思っていたが、そういうわけでもなさそうだ。特に目立ったのはポストプレー。高く長いボールだけでなく、グラウンダーのボールを相手に体を合わせながらキープする技術の高さは印象的だった。レキアンのポストから前を向いたアダイウトンのパターンは現状でもすでに可能性は感じさせた。アダイウトンは若干ボールロストの多さが気になったけど。川崎としてはレキアンのポストプレーと、2列目の連携は寸断しておきたいところだ。
川崎でキーマンを挙げるとしたら車屋紳太郎。縦のコンビを組む選手と連携しながら、磐田の4バックの横のチェーンを切ってしまいたい。大外からのクロス精度が上がってこない現状では、登里のようなSB-CB間からエリアに侵入する動きは積極的に見せていきたいところ。もう1つ、登里にない武器としてはクロスのターゲットとしての役割。マギーニョ、馬渡のRSBでの起用が増えるにつれて、徐々に右からの攻撃は活性化してきた。相手の4バックの大外から、クロスのターゲットとしてエリアに侵入していき、磐田のDF陣に混乱を与えたい。直近のリーグ戦は低調な出来が目立つが、チーム状況とともに個人としても巻き返しを図りたいところだ。
共にリーグ戦では6試合勝利がないもの同士の試合、勝てなかったチームは未勝利が7に伸びる。そんなアンラッキーセブンはごめんである。低調だった川崎はもちろん、背番号7の車屋も勝利をもたらす活躍を見せて、アンラッキーセブンはぜひとも回避してほしい。
参考
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
SANSPO.COM(https://www.sanspo.com/)