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「5傑の壁」~2025.5.21 J1 第13節 川崎フロンターレ×浦和レッズ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第13節
2025.5.21
川崎フロンターレ(6位/6勝6分3敗/勝ち点24/得点24/失点14)
×
浦和レッズ(4位/8勝5分4敗/勝ち点/得点21/失点15)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の5勝、浦和の3勝、引き分けが7つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の5勝、浦和の1勝、引き分けが4つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近6試合の対戦のうち4試合が引き分けとなっているカード。
  • 中立地開催だったスーパーカップを除くと、直近11試合でアウェイチームに勝利がない(D7,L4)
  • 等々力での浦和戦は直近9試合で負けなし(W4,D5)
  • 水曜の対戦は直近3試合中、2試合が逆転で決着している。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • イ・クンヒョン、ジェジエウ、宮城天は長期離脱中。小林悠、車屋紳太郎もベンチ外が続く。
  • 三浦颯太はアル・アハリ戦で負傷交代。
  • 大島僚太は部分合流。
浦和レッズ
  • チアゴ・サンタナはここ1ヶ月欠場が続いている。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 勝てば今季初のリーグ戦3連勝。
  • リーグでのホームでの3連勝を達成すれば2023年7月以来。
  • 今季ここまで14人がリーグ戦で得点を挙げており、リーグ最多。
  • エリソンは今季ここまで途中出場でリーグ戦4得点。リーグ最多。
  • 昨季同時期と比べて勝ち点は8多く、失点は9少ない。
  • 長谷部監督は浦和とのホームゲームで負けたことがない(W2,D2)
浦和レッズ
  • 直近8試合のリーグ戦で6勝。
  • しかし、アウェイでは今季ここまで8戦で1勝(D5,L2)
  • リードを奪った試合ではここまで負けがない。
  • 前節のFC東京戦は公式戦13試合ぶりの複数失点。
  • マテウス・サヴィオは川崎相手に出場した7試合で1回も勝てていない(D3,L4)
  • しかし、マチェイ・スコルジャは川崎相手の5試合で負けたことがない(W1,D4)

予習

第15節 G大阪戦

第16節 新潟戦

第17節 FC東京戦

展望

可変の右、シャープな左

 難敵が続くホーム4連戦。リズムよくとまでは言わないが、なんとか2連勝を重ねることができている。順位もACL明けから大きくジャンプアップし、6位まで上がってきた。

 しかしながら、順位表を見てもわかるようにこの先は一足跳びというわけにはいかない。5位との勝ち点差は5開いており、仮にこの試合に川崎が勝利しても順位は変わらない。しかしながら、その5位の中にいる浦和相手に勝利を挙げるというのはこの先を見据えるならば大きな意義があるだろう。

 浦和のフォーメーションは4-2-3-1がベース。フォーメーション上の特徴はチアゴ・サンタナが欠場ということもあり、純粋な9番を置かないこと。スターターとしてトップに入るのはWGのイメージが強い松尾だ。

 そのため、ロングボールの活用は最小限。後方ではポジション移動をベースとするショートパスからの前進を狙っていく。ただし、サイドで詰まる形を避けるための予防措置として、CBまでボールを下げての対角パスで圧力を回避するパターンは多い。背負う前線へのロングボールはないが、タッチライン際でフリーになるWGには対角フィードをつける。

 動きが多いのは右サイドだ。CHがサリーするのもどちらかといえばこちらのサイドが多く、石原は逆にインサイドや高い位置をとるなど持ち場を離れるケースが出てくる。降りるアクションを見せる右WGを含めてかなりパターンは多様である。

 CHではこうした移動を広く行うことができるバイタリティが求められる。後方のビルドアップには人数をかけたいが、低い位置にあまり人が下がってしまっては重心が重くなる。渡邉、松本、安居といった面々にはこうした不具合を運動量で解消するためのバイタリティが求められる。

 もちろん、前節復帰したグスタフソンはこうした中盤とは少し毛色が異なる司令塔。ただし、ボックス付近での列上げのサポートはうまく、より高い位置でも存在感を発揮できる点は相変わらずだ。あくまで印象の話なのだが、昨年までに比べるとチームとしてのカラーがあまりグスタフソンの有無で変わらないように思えたことも述べておきたい。

 右のWGは選手によってカラーは異なる。金子であれば基本的にはレーンは大外固定。2人が寄ってきても突破することができる馬力が持ち味である。持ち場固定でアタッキングサードの武器として金子を生かすイメージがこの用兵のポイントだろう。

 一方で、FC東京戦のように大久保が入るともう少しテイストは変わる。中央に絞ったりボックス内に飛び込んだりなど行動範囲は大きく広がる形。後方の大きな移動を推奨するポゼッションの中に組み込むのであれば、金子よりも大久保の方がフィットしているように見受けられる。

 左サイドはよりシャープで縦に進むイメージが強い。こちらサイドに流れる松尾とサヴィオのデュオから一気に敵陣に進む際には左を使うイメージ。可変が多い右と縦にシャープな左という印象だ。

 守備においてはコンパクトな4-4-2の守備を敷きつつ、前に出ていく時はSHや2トップのプレスをスイッチに前に出ていく。ハイプレスで相手を飲み込むようなテンポの取り戻し方はあまり得意ではないが、必要に応じればやるという感じ。ジョーカーとして出てくる選手も前方向のプレスのスイッチを入れるタイプではない。なのでできれば先制点をベースに無理をしない展開で試合を進めていきたいチームだろう。

 後方に人数をかけたブロックは高さはあるが、勤続疲労もあるのか直近の試合ではややセカンドリアクションが甘さはあるのは気になるところ。サイドの守備での対人で後手を踏むこともあるので、ここは川崎としては狙っていきたいところだろう。

いい流れを引き継げるかが問われる大関

 当然上位のチームなのでタフな相手になることは請け合いだろう。ミッドウィークでの試合は浦和にとってもハードではあるが、基本的にはクラブW杯を念頭に置いたスカッドを組んでいるはずなので、連戦には耐えられる陣容と見ていい。

 アップテンポな状況はあまり得意なチームではないので、基本的には前半に想定されるクローズドな展開で先行した方が圧倒的に試合を優位に進めると考えていいと思う。中盤からスタートするのが基本の浦和のプレスを想定すると、川崎は少なくとも自分たちの保持局面では余裕を持ってボールを動かせるはずだ。

 前にそこまで出てこない基本的には縦方向にコンパクトな4-4-2の浦和。初手としてはきっちりとこのブロックを広げるアクションは欲しいところ。特に前線にフリーランでDFを押し下げる動きはやってほしい。

 その一方で、浦和の守備ブロックは意外と人と人の間の切れ目のところのケアが遅れることも珍しくない。個人的にはCHの背後に走り込んでくる選手へのリアクションが遅れるのが気になるところ。FC東京戦では最終的には勝利したものの、遠藤のようなスタートポジションがワイドの選手がインサイドに入ってくるアクションにだいぶ翻弄された感がある。狙い目にしたいのはSH-SB-CH-CBの間のスペースに斜めのランが入っていく形だろう。

 正直にいえばこの動きが一番イメージがつきやすいのは欠場が続く三浦。マルシーニョも得意なのだけども、彼は外に張っていて、他の誰かがこのアクションをする方がスペースは広げやすい。

 そういう意味では個人的にはこの試合では大関に期待をかけても面白いと思う。こういうギャップを見つけて忍ぶのは結構上手な印象。スペース管理なルーズなACLでの活躍から、よりシビアに研究してくるJのチーム相手にライン間で生きれるか?というのがここからの大関のリーグ戦でのポイントとなる。浦和はその格好の試金石になるのではないか。

 大外の選手はむしろきっちりと張ってSBに1on1を仕掛けていきたい。浦和の失点にはこのサイド封鎖の失敗が直結している印象。突破をすれば、当然ボックス内のスペースも見つけやすくなる。また、G大阪戦では長沼がクロス対応をミスしているように、逆サイドからの飛び込むアクションでも得点のきっかけを作ることができそう。

 シーズン序盤には多く見られたSHの逆サイドからの飛び込みだが、ここ最近は鳴りを潜めているところでもある。この箱を開けることが浦和相手にゴールを手にするポイントになるかもしれない。

 守備においては右サイドの守備のズレを立ち上がりから起こさないこと。松尾、サヴィオの相手の左サイド側はフリーにすると非常に危険なセクション。松尾は一気にゴールを陥れることができるスピードがあるし、サヴィオが自由を享受するのはチャンスへの近道だ。

 川崎の右サイドのユニットの誰が先発かはわからないが、ここの部分の受け渡しで後手を踏むようだと、試合を優位に進める先制点を簡単に渡しかねない。やりくりが苦しい連戦だからこそ、きっちり我慢比べに持ち込みたいところだ。

 クローズドに進めていくのであれば、中央の2トップも重要。深追いをしつつ、中盤の要人を警護するプランであれば、こちらは逆に大関はACLでやったことをそのまま活かすことが求められる。こういう面でも大関の先発は個人的にはこの試合では見てみたい部分かもしれない。

 勝ちに行く必要がある終盤には長倉を前線に入れて圧力勝負に出てくるパターンもある。こうなると、前半の手堅さとはまた異なるなりふり構わなさも出てくる。CHも含めてボックス内に枚数を揃えたクロスはかなり増えてくるので、マーカーを警戒しながら前節のように落ち着いた跳ね返しでシャットアウトしていきたいところだ。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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