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「腰を据えて取り組めるか?」~2025.4.20 J1 第11節 川崎フロンターレ×東京ヴェルディ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第11節
2025.4.20
川崎フロンターレ(3位/4勝5分2敗/勝ち点17/得点19/失点11)
×
東京ヴェルディ(16位/2勝4分4敗/勝ち点10/得点7/失点12)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近10回の対戦で川崎は5勝、東京Vの1勝、引き分けが4つ。

川崎ホームでの戦績

川崎の3勝、東京Vの2勝、引き分けが4つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近8試合の公式戦でホームチームが1勝しかしていないカード。
  • 直近2試合の等々力での東京Vとの公式戦で川崎は得点を獲れていない。
  • 直近5試合の川崎のホームでの東京Vとの公式戦は1勝だけ。
  • 過去6試合の等々力での対戦において、複数得点を獲ったチームは2013年の天皇杯の川崎だけ。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • イ・クンヒョンは左膝離断性骨軟骨炎及び左膝内側半月板損傷で長期離脱中。
  • 大島僚太、ジェジエウは肉離れ、橘田健人は捻挫で離脱中。
  • 宮城天は横浜FM戦のアップで負傷しメンバー外に。
東京ヴェルディ
  • 綱島悠斗は出場停止。
  • 山田剛綺は長期離脱中。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • リーグ戦は4試合勝ちがない。
  • 直近4試合で失点が8、それ以前の11試合で喫した失点の倍。
  • リーグ戦で連敗を喫すれば2024年9月以来となる。
  • 今季の公式戦の勝利の7勝は6つがクリーンシート。
  • 山田新は今季ここまで途中交代からの得点がない
    • 昨季は7得点。
  • 直近8試合の東京に本拠地を置くチーム相手との対戦で山田は5試合でゴール、合計8得点。
東京ヴェルディ
  • リーグ戦では直近4試合勝利がない。
  • 10試合終了時の勝ち点は昨季と同じ。
  • 今季ここまで得点は7でこれより少ないのは横浜FCだけ。
  • 今季、唯一のアウェイでのリーグ戦の勝利は町田との0-1。
  • しかし、5試合のアウェイでのリーグ戦は1敗だけ。
  • 昨季、川崎戦でハットトリックを達成した谷口栄斗にとって川崎は唯一複数得点のチーム。

予習

第8節 FC東京戦

第9節 横浜FM戦

第10節 神戸戦

展望

リベンジが持ち越される影響は?

 連戦最終戦となるのはホームの東京V戦。川崎は前節の神戸戦の敗戦で「苦しいけども負けていない」から「勝てていない」という状況に明確に転じたように思う。「無敗を胸張って言えるのは勝利数>引き分け数の時だけ」という格言を胸に生きているのだけども、この格言を大事にしたいのは1つ負けた時に一気に勝てていない感がのしかかるからである。

 今節の対戦相手の東京Vは去年よりも苦しんでいるイメージがあるチームかもしれない。だが、ここまでの勝ち点10は昨シーズンと全く同じ勝ち点推移。去年の彼らははじめ10試合の中で7引き分け。いわゆる負けないチームの典型といえるランである。

 大枠としては昨季と変わっていないチームを組んでいるといえる。福岡に旅立った見木を除けばレンタル組も含めて多くの選手のプロテクトに成功。それこそ、川崎から引きがあったとされる谷口の引き留めにも成功している。

 昨年と積んでいる勝ち点は同じだとしてもほんのり停滞感を感じるのは内容面だろうか。ミドルゾーンに構えて相手を捕まえに行く姿勢を見せる城福スタイルらしいプレーは確かに鳴りを潜めているように思う。

 特に前から追うときの連動が甘くなりやすい時がある。MF-DFの間は間延びしやすい。このスペースをケアするという点ではバックスから出足の良さを見せている綱島が出場停止なのも痛い。おそらくは本人も今年はマルシーニョへのリベンジに燃えていただろうから悔しいはず。出ていた試合のパフォーマンスは悪くなかっただけにチームとしても当然痛い部分だ。

 自陣できっちりと引いて受けるのであれば、こうした層の間の連動という問題は消える。しかしながら、その場合は自陣からのロングカウンターを成立させる必要がある。CFの木村はこの点で昨シーズンに比べると存在感がないのが気になるところ。突貫小僧感が強い山見ももちろん切れ味はあるが、1人で行ききることを信条としている分、やり切るためのハードルが高くなる感がある。

 なるべくであれば非保持のところで陣地回復を狙いたいのだろう。だけども、それだとライン間に縦パスを通されてしまった結果、前を向かれてピンチになるという可能性も否定できないのがつらいところだろう。

 押し込むことが出来ればセットプレーという武器もある。今季得点を獲っているという点では綱島がここでも名前が挙がるが、昨季の東京V戦を覚えている人なら真っ先に警戒するのは谷口。いいイメージを持てる相手だけに東京V側の期待はかかる。リーグとは異なるメンバーを起用したとは言え、120分戦ったダメージは多少なりともあるはず。セットプレーで試合を動かせればローブロックで耐え忍ぶというプランを構築することも可能かもしれない。

腰を据えて取り組める質があるか?

 前提として、川崎が神戸戦と同じ出来であるのならば、東京V戦で勝つのは難しいと思う。あれだけ相手にカウンターのボールをプレゼントしながら、無失点をキープするのは簡単ではない。せめて、自陣側の守備が間延びした状態での簡単なロストをしないことだ。

 横浜FMのソンリョンのパフォーマンスを見れば、今の川崎の正GKが山口であることに異論はないだろう。しかしながら、その山口の神戸戦のパフォーマンスも相当いただけない。

 ミドルパスを相手にプレゼントするという技術的な問題もさることながら、少し気にしたいのは自陣に引いた状態でロングボールを蹴る必要があるか?ということ。名古屋戦から神戸戦まであらゆる試合で触れてきた部分であるが、相手に中盤でボールを拾われれば、一気に自陣までの被カウンターの電車道が開通してしまうというリスクの高いプレーだ。

 そういう意味ではまずはこの組み立て方法を採用するかどうか。少なくとも神戸戦の水準であればこのプレーをビルドアップに組み込む必要はない。単に蹴っ飛ばせばいい。そこの取捨選択は見誤らないでほしい。今まではそれなりに成立していたプレーなのだから、東京V戦で再びトライするというのは理解できるけども、無理なら撤退する勇気は併せ持ってほしいところ。

 東京Vは前プレに出てきたときに縦に陣形は間延びするのでロングボールを入れる意義はある。調子が落ちている山田にとっても攻略の成功体験がある相手。芝の話も含めて長いボールを蹴る意義は変わってくる可能性がある。うまくいく線を消さないためにもとりあえず試してみることに関しては賛成だ。

 もう1つ気になるのは右サイドの攻撃の構築。伊藤が幅を取れなかったこともあり苦戦した前節の結果を受けて「間違いなく家長!」といえるほど今季のパフォーマンスはよくないが、右サイドの前後分断や佐々木の孤軍奮闘が目立っている状態を踏まえると、伊藤よりは家長の方がまだいいのかもしれない。

 もっとも、その家長も佐々木を活用するという点ではまだ物足りなさがある。5-4-1のローブロックで相手が組んでくれば、こうした緻密なパスの動かし方は必要なるはず。そうした細かい作業に腰を据えて取り組むことが出来るほどの精度がこの試合の川崎に備わっているかは重要なポイントだ。

 結局のところ、神戸戦のミスは攻撃がうまくいかないレベルの話ではなく相手に決定的なチャンスを与え続けていたというのが問題なのだから、あれと同じことを繰り返したら0でしのぐという長谷部式の前提が成り立つことは難しい。

 精度の高いシャープな川崎は湘南戦以降見られていない。まぁ、日程的には仕方ないのかもしれないが。この状況を打開するのが連戦最後ということを踏まえた主力の継続起用なのか、あるいは入れ替えなのかは難しいところ。神戸戦で入れ替えなかった選手には大体は使われなかったなりの理由が頭に浮かぶ。

 誰が起用されても腰を据えて長谷部式のサッカーに取り組めるかどうか?という点があの試合の後の第一要件になるのは間違いない。こういう試合はまずは相手がどうこうというよりも自分たちがやれることが出来るかだ。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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