
狙い通りに前半を進めた町田
狙いが明確に見えたのはホームの町田。右の大外に立つ望月をキックオフからターゲットに定めてロングボールをガンガン。中盤はプッシュアップでボールを奪いにいく。非保持ではハイプレスに出ていくなど鹿島の得意な強度の土俵で真っ向からぶつかっていく所存だった。
開始早々にこのロングボール攻勢は身を結ぶ形に。望月へのロングボールのところの処理にミスが出たところにつけ込み、相馬が先制ゴールをゲット。町田が早くも試合を動かす。
一方の鹿島も当然一方的にやられるわけではない。相変わらず中央に立つ鈴木は安定して最低ファウルをもぎ取ってきており、起点としては優秀。ただし、後方にテンポを操ることができる選手がいない影響もあったのか、やや直線的で単調な攻撃のイメージが連続してしまった感がある。
町田は粘りながら押し込まれる展開を耐え凌いでいく。鈴木を食い止める間合いをなんとか身につけつつ、谷の高速脚抜きのファインセーブでなんとか展開をキープする。
以降も押し込む鹿島だが、追加点を奪ったのは町田。岡村が強さを見せてロングスロー起点でのゴールをゲット。植田はラインを下げ過ぎてしまって触れられなかった。
この2点で鹿島はやや粗が目立つ展開に。普段ならしないようなパスミスなどで前進ができず、町田にカウンターのチャンスを簡単に与えるケースが多くなる。町田からするとミスを待てば得点のチャンスがありそうな美味しい展開となった。
後半、鹿島は3枚交代の荒療治を敢行。縦に速い攻撃を仕掛けていく意識から町田を壊しにいくが、後半もコントロールが乱れてしまい、なかなか前進ができない。町田側の対応で成長を感じたのは望月。チャヴリッチを止めた47分のシーンなどは冷静沈着な守備だった。
後半の中盤は両軍ともやや無駄なファウルが目立ったが、中央のデュエルは少しずつ主導権を取り戻していく。町田もクロス対応を中心に粘り強い守備を見せていたが、83分に鹿島はPKを獲得。ややイニシエート気味ではあったが、菊池のエラーを見事に誘ったということもできるだろう。これを自ら仕留めて試合は1点差に。
しかし、残りの時間帯は町田ペース。ラインをきっちり上げながらのプレスで鹿島の進撃を簡単に許さない。危ういシーンも谷の落ち着いたセーブに救われて逃げ切りに成功。首位相手に勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
前半の町田は見事に狙いがはまったスコア推移だった。
試合結果
2025.6.21
J1リーグ
第21節
FC町田ゼルビア 2-1 鹿島アントラーズ
町田GIONスタジアム
【得点者】
町田:6′ 相馬勇紀, 34′ 岡村大八
鹿島:85′(PK) 鈴木優磨
主審:山本雄大