
電光石火の逆転劇で連勝を伸ばす
スロースターターのイメージが強いアル・サッドだが、序盤からハードなプレスに出ていくことでアル・ラーセンのバックラインに圧力をかけていく。一方のアル・ラーヤンが前からのプレスに出ていく。ボールを高い位置で奪うと、幅を使ったアタッキングサードでの振る舞いでチャンスを迎える。
アル・サッドも右サイドのアタルの突破から相手のバックラインを打ち破って前に進んでいく。左サイドにおいてはアフィーフが降りるアクションからゲームメイク。性格の異なる左右の攻略からチャンスを作りにいく。
どちらも基本的にはバックラインの数的優位を使いながら攻略していくイメージ。アル・サッドだけでなく、アル・ラーヤンもボールを動かしながらショートパスでの繋ぎで攻略を狙う。2トップ+中盤の3人でポストプレーからの裏抜けをしたシーンはビッグチャンスと言っていいだろう。
アル・サッドのプレスの成功率は一か八かという感じ。前を向いた時の圧力はさすがであり、サイドに展開すればポジトラからIHが追い越すアクションで敵陣に迫っていく。ネガトラの弱さとは裏腹にポジトラでは鋭い。特にこのIH陣は。
後半頭にペースを握ったのはアル・ラーヤン。2トップのプレスを回避し、縦に進撃してチャンスメイク。右サイドから少しずつ進んでいくと、セットプレーから先制ゴールをゲット。バレイロがゴールを仕留めて試合を動かす。
アル・サッドは失点に続き、アタルが負傷交代など流れが悪くなってしまう。だが、その苦しい状態をなんとかしたのはやはりアフィーフ。左サイドを起点としてクロスを上げると、ムジカがゴールを決める。
同点ゴールを決めたアル・サッドは右サイドからミゲルのオーバーラップ。矢のようなクロスをジオヴァニが仕留める。
電光石火の逆転劇を決めたアル・サッド。以降は相手にボールを持たせつつ、ラインを下げながらカウンターで反撃するという終盤の必勝パターン。いつものような試合のコントロールでアル・ラーヤンを下し、連勝をさらに伸ばすこととなった。
ひとこと
カタール・リーグはみんなボールを持ちたがるチームばかり。
試合結果
2025.4.5
カタール・スターズリーグ
第20節
アル・ラーヤン 1-2 アル・サッド
アフメド・ビン=アリー・スタジアム
【得点者】
ALR:56′ バレイロ
ALS:67′ ムジカ, 69′ ジオヴァニ
主審:アブドゥラフマン・アルジャシム