
珍しい終盤の息切れでポイントを落とす
ナントのフォーメーションは5-3-2。パリのバックラインにボールを持たせてOKというスタンスで保持の主導権を渡す。
3-2-5でボールを持つ形を作るパリ。相手を動かしながら攻略を探っていきたいパリなのだが、やや自信過剰気味な横パスを引っ掛けてしまうなど序盤は不安定。2トップがロングボールや左右の揺さぶりをかける形でボールを引き出したいナントにとってはこうしたミスは助かる展開だ。
それでも少しずつ2トップの脇から相手のブロックの中を覗くことができるようになるパリの保持。インサイドのナローな崩しを中心にペナ幅でのパスワークから相手に揺さぶりをかけていく。
攻めのハイプレスに出ていくスタンスも見せていたナントだが、プレス耐性の強いパリは安定。ナローな崩しという掲げていたテーマから先制ゴールまで。少ないタッチでのパスワークをヴィチーニャが完結させて試合を動かす。
この先制ゴールを皮切りにパリはパスワークの質が向上。内側と外側の攻め筋が安定したバランスよく攻めることでナントをさらに追い詰めていく。
先制ゴールで試合をうまく引き寄せたパリは後半もゆったりとポゼッションに成功。メンデス、クワラツヘリアのいる左サイドからチャンスを作っていく。
ナントはパリのバックパスのタイミングでラインを上げるなど隙があればジリっとプレスに出ていく。2トップで動きをつけながらの陣地回復で少しずつ敵陣でのプレータイムを増やしていくように。
パリは勤続疲労からかハイプレスには出ていけない分、やや支配力は落ちた感じ。保持に回ればチャンスは作れる感じはするが、展開を掌握するという部分では終盤にパリは隙を見せる。
ナントは前線を入れ替えることで再びプレスを活性化。キャリーからの前進に成功すると、パリからペースを取り戻していく。
互角に組み合う終盤戦。少人数をベースにカウンターに出ていくスタンスを狙うパリに対して、右サイドからのトランジッションでサイドを破ったナントが同点ゴールをゲット。深さを作ったところからのミドルで試合を振り出しに戻す。
終盤は疲れを見せたパリから勝ち点を奪取したナント。王者相手に1ポイントを死守した。
ひとこと
パリは今までにない感じの終盤のペースダウンの仕方だった。
試合結果
2025.4.22
リーグアン
第29節
ナント 1-1 パリ・サンジェルマン
ボージョワール・スタジアム
【得点者】
FCN:83′ ドウグラス・アウグスト
PSG:33′ ヴィチーニャ
主審:ジェレミー・ピナール