
傾いた流れから畳み掛けてベスト8へ
イランで行われた1st legはスコアレスドロー。ベスト8の切符がどちらの手に渡るかはこのサウジアラビアでの2nd legで全てが決する形となった。
序盤の流れは1st legと同じ。エステグラルはボールを持たれることを許容。きっちりと後ろに引く形の5-4-1を組み、アル・ナスルにポゼッションを渡す格好となった。
エステグラルからすると引いて受ける分、当然狙っていきたいのはカウンター。7分手前のシーンはレザイーアンの持ち運びから右サイドのラインブレイクでチャンスを迎えたが、これはリリースが遅れてしまったせいで台無しに。それ以降に関してはロングボールを軸とするも、ここは余裕を持って跳ね返すことができるアル・ナスルの方が上であった。
我慢しながら活路を探したいエステグラルだが、なんとGKのパスミスであっさりとアル・ナスルに先制点を献上。1st legを含めてジリジリとやってきた両軍の均衡は意外な形で崩れることとなった。
さらには2失点目もミスから。くだらないロストからの波状攻撃を止めることができず、あっさりとリードを広げられてしまう。横ドリブルに裏抜けを合わせるなど、アル・ナスルは少しずつ押し込んだ時のフィーリングがあってきてはいたが、それ以上にエステグラルのミスが目立つ展開に。
2点のビハインドを背負ったエステグラルは高い位置からのチェイスを開始。だが、これは縦に陣形が間延びする要因になり、アル・ナスルのアタッカーがどんどん加速していく要因となる。
さらには前半終了間際には競り合いで肘を振ったとの裁定でアーマディが退場。エステグラルとしては文字通り最低の45分となってしまった感があった。
数的不利に陥ったエステグラルは4-4-1にシフト。ただし、この布陣ではアル・ナスルの降りるアクションにCBがついていくと、完全に穴が空いてしまうことに。かといって降りる選手をスルーすると反転から一気に進撃をされる。
迷っているうちにエステグラルのライン間は間延び。アル・ナスルは自在に攻め込むことができるように。ミドルシュートも含めて好き放題シュートを放っていく。
攻撃にも出ていくことができず、万事休す感が強いエステグラル。終盤にはデュランが追加点を仕留めて完全に決着。ミスに乗じた先制点から畳み掛けたアル・ナスルがベスト8への切符を手にした。
ひとこと
試合が傾いてからはアル・ナスルが素晴らしい強さを見せた。
試合結果
2025.3.10
AFC Champions League Elite
Round 16 2nd leg
アル・ナスル 3-0 エステグラル
アル・アウワル・パーク
【得点者】
ALN:9‘ 84′ デュラン,27’(PK) ロナウド
主審:イルギズ・タンタシェフ